J-REIT分析 2012年10月28日②(8967-)

8967 日本ロジスティクスファンド投資法人 724,000 4.90%  (物流会社とは違う意味で)物を動かすなら商社に任せとけ!の三井物産をスポンサーとする物流REIT。いまをときめく物流施設にマーケット初期から参入していたので物件の取得利回りはかなり高い。もうお宝と言っても良いくらい。これから後続の物流REITが出てくると言われてますが、このLTVでこの配当金はきっと出ない。難しいのはマーケットが「このLTVを50%まで上げればもっと配当金が出る」というのを期待している感があるバリュエーションですが、如何せんボラが低いREITなんで仕込みが難し。

8968 福岡リート投資法人 599,000 5.41%  福岡に特化した総合型REIT。スポンサーは福岡財界連合と言うしかないメンツ。そのエリアを牛耳れるスポンサーというのはとても心強い。コア物件はキャナルシティで、その他のオフィス、商業、住宅も収益が安定しているのが主要地方都市の強み。成長は期待できないので利回りはやや高め。今後は中国、韓国の影響が如何にというところ。短期に修復できるとは思えないのでどうやってカバーしていくか。ラオックス はちょっと心配。

8972 ケネディクス不動産投資法人 287,000 6.24%  中規模オフィスでは最大手と認識されていたが、最近は中規模の定義が若干厳しくなっているので、中小規模のオフィスの雄とでも言うべきかもしれない。スポンサーであるケネディクスのメインバンクであるSMBCの100%子会社である日興SMBCが兜町からまさかの退去。取得してから半年くらいだったのに。配当金への影響は1000円ちょっととまさにシャレにならんインパクト。慌てて府中、春日などの物件買ったけど、その場しのぎ感あり。その兜町のビルはJ-REITフェアで見に行きましたが何か目張りで工事してました。ただの退去に伴う工事なのか後継が決まったのか。

8973 積水ハウス・SI 投資法人 361,000 5.71%  積水ハウスがスポンサーの住宅REIT。商業もそこそこ保有しているが最大の問題物件の処理はほぼ目途がたった。小型ながら公募増資も成功させてまさにこれからの色々「らしさ」が出てくると思っている。商業ではなんだかんだイベントが発生するかもしれないが、住宅でカバーできるっしょ。

8975 いちご不動産投資法人 42,500 6.21%  過度な期待はできないものの、いちごグループのバックアップでそれなりのパフォーマンスは期待できるREIT。どこにでもあるオフィスをじっくり運用するので大きな失敗はないと思うけど狙うときは売り込まれた時だけだなあと。

8976 大和証券オフィス投資法人 259,800 4.43%  大和証券になにが出来るのか分からないのですが、とりあえずもっと早く物件取得してLTV上げるはずだったのに仕込み時を逃してしまったREIT。利回りが低いのは彼らが仕事をしてないからであって、LTV45%で利回り5.5%くらいが目指すところじゃないかと思ってます。

8977 阪急リート投資法人 406,000 5.91%  名門、阪急電鉄をスポンサーとして関西中心に商業、オフィスなどを保有するREIT。福岡REITは完全にエリア特化型ですが、大阪になると東京資本組も多く独占できないせいか東京の物件もいくつか保有してます。田町のホテルグレイスリーなんかは尖ってて好きですけど。なんだかんだ言って大阪の一等地に商業ビルを持っているので強いと思いますが、北ヤードの影響は避けられない。

8979 スターツプロシード投資法人 123,600 6.33%  地味だけど地元にしっかりのスターツがスポンサーの住宅REIT。資産規模の小ささがネックですが、免震の賃貸マンションとか技術はしっかりしてます。個人的には好きですが資金調達力とか見劣りするのは事実。一回大きなPOできれば評価はガラッと変わると思うのですが。

8982 トップリート投資法人 382,000 6.26%  踏んだり蹴ったりという言葉が良く似合うREIT。新日鉄と住金が合併して、スポンサーの一角だった新日鉄都市開発が離脱(厳密にはジャパンエクセレントのスポンサーだった興和不動産に吸収)。そしてコア物件だったトリトンスクエアから住金本社が退去。三井住友信託に不動産を信念もって運用できるとは思えないので(彼ら自身は不動産のプロして運用業務やってますが本業ではないので)今後どうするのか。大人気だった時期も知ってるだけに辛い。

8984 大和ハウス・レジデンシャル投資法人 630,000 5.24%  大和ハウスがスポンサーの住宅REIT。オヌヌメランキングでずっとべた褒めしてた銘柄ですが、さすがに上昇しすぎだろうと。良く分かってないクオンツの連中がグロースだけで買ったりしてるんだろうかと思ってしまう。期待利回りの絶対感なんて人それぞれだから良いと思うけど、5%割れなんてなったら売りなんだろうなあ。おじさんもびっくりのスピード。

8985 ジャパン・ホテル・リート投資法人 22,580 7.92%  唯一のホテル専業リート。この1年、ホテル業界は絶好調だっただけにその反動がちらほら見えるところに、韓国中国ショック。JHRへの影響は少ないと思いますが、業界全体が停滞するとちょっと影響も出るかと。利回りが高いのは、ホテルを信じたくないという固定観念をもった連中が多いのがこのマーケットだからです。

8986 日本賃貸住宅投資法人 48,000 5.35%  この株価上昇に戸惑っているのは彼ら自身かもしれない。いや、配当金の水準は当面維持できますし、ファンダ面で心配することはないのですがアドバンス・レジデンスや大和ハウスレジデンシャルと同一レベルってのはある意味重圧ではないかと。まあ、ぶっちゃけ住宅REITなんてのはある一定の規模を超えたら分散効果なんてどれも一緒だから今の株価は正しい反応なんですけども。

8987 ジャパンエクセレント投資法人 437,500 5.58%  興和不動産が支えるオフィスREIT。グレードが素晴らしいものと古いけど立地が良いものを沢山保有している。但し値段は高い。そんなREITです。上値さえ追いかけなければ怖くありません。6%欲しいけども。

3226 日本アコモデーションファンド投資法人 575,000 5.01%  三井不動産系の住宅REIT。ずーっと株価が伸び悩んでましたが、他の住宅REITの利回りが5%前半に突入してきたところで配当金の上方修正もあり、やっと火がついたように上昇。何の心配もいらないけど利回りだけが不満のREIT。

3227 MIDリート投資法人 211,000 7.07%  関電がスポンサーになったものの、関西財界からの要請だったんだろうなあと思いを日々強くしているREIT。京橋OBP(大阪ビジネスパーク)の高層オフィスビルの需給がここ数年のテーマ。テナントのパナソニックは業績に余裕ないので丸ごと退去するリスクはかなり減りましたが。減床と減賃リスクは大きい。

3234 森ヒルズリート投資法人 398,000 4.57% 6月、7月に散々オヌヌメしていたオフィスREIT。最近の景気良い上がりっぷりは良く分かりませんが、ついにグローバルワンと合併でもするのでしょうか。株価がボロボロだっただけに成長期待も大きいのですがさすがにどこまでやるつもりなのか。スポンサーは森ビルで、ビルのグレードはぴか一。そして大半が森ビルの賃料保 証付き。こんなに分かりやすいのになぜ放置されてたのか。

3240 野村不動産レジデンシャル投資法人 484,000 5.08%  野村不動産がスポンサーの住宅REITで昨年のPOで完全に安定モード。からくりはあるのですが配当金は今後も安定してますし、何の面白味もない(最高の褒め言葉)REITです。利回り5%ねえ。

3249 産業ファンド投資法人 604,000 4.72%  随分と剛腕を駆使して復活を遂げたREIT。保有物件は物流施設とインフラ施設(JALの飛行機修理工場とか)で長期安定がウリ。スポンサーは三菱商事で築古物件が多いのが気がかりですが、重大なトラブルが起きるとしたらまだまだずっと先の話ではないかと。今後はどんな物件を買うのか分かりませんが、これまで通りの水準で買うとすると分配金はまだまだ伸ばせるはず。

3269 アドバンス・レジデンス投資法人 173,200 5.20%  負ののれんという内部留保をじゃぶじゃぶ言わしているREIT。どうにも使い道がなく正直ちょっと持てあましてるんじゃないかと。スポンサーの伊藤忠も不動産ビジネスはちょっと敬遠気味で無茶はしないでしょうし、配当金はずっと安定。

3278 ケネディクス・レジデンシャル投資法人 174,800 6.98%  ケネディクスがスポンサーの住宅REIT。ある意味、無茶しなければ誰も住宅REITを運営できるんじゃないかと思わせた意味で彼らの貢献度は果てしない。この資産規模ではちょっと心細いし、上場後の物件取得の動きもちょっと鈍い。

3279 アクティビア・プロパティーズ投資法人 504,000 5.96%  東急不動産がスポンサーのオフィス/商業REIT。東急リートから離脱したと思ったらこんなこと考えていたのか、いや知ってたけど、というのが業界のコンセンサス。正直、不動産ビジネスとして見ると東急電鉄より格が落ちるのだけども、オフィス市況さえ持ち直せばリスクは大きく減少するREIT。