アセットマネジメント業界の就職戦線が本格化!?

イオンリートの配当金は4800円はミニマムで物件取得あれば5000円くらいには持っていけるはずだが、ひょっとして実力ベースで行っちゃう?みたいなことを書いてたら真ん中の4900円でした。inzaiです。こんばんわ。でもこれって決算ベースだと5000円行くよね?物件少ないし予備費積んでるだろうし。でも決算予想は4900円、これに異論唱えても仕方がない。

さて、こういうの見ながら運用業界の就職戦線も本格化してきたな、とニヤニヤしています。なんて書くと性格悪そうですが、運用業界ってのはここ数年が大きな分水嶺なのかなと思ってて、こういう環境の中で今の学生たちはどういう考えでどういう会社を選ぶのか、もちろん掲示板は掲示板でしかありませんが、生の声と言うのは面白いもんなんです。

2000年前後の金融ビッグバンによりアセットマネジメント会社という形態が認められて、その当時は銀行も証券会社も沢山あって(メガバンクもなかったし)その分だけ系列のアセットマネジメント会社が乱立して、そして集約されていって今の業界の形になったのが2005年くらいでしょうか。

で、2005年から戦国時代が始まってたものの系列金融機関の販売力という絶対的な力がそのまま運用会社の残高という非常に分かりやすい構図であり、運用会社の主要ファンドマネージャーはその当時の働き盛りがそのまま系列金融機関から転籍してきて居座ってました(らしい)。

今はそういった重鎮がそろそろお役御免になる時期であり(らしい)、また、ネットの浸透によりパフォーマンスが冴えない投信の押し売りが中長期的な顧客基盤を揺るがす(要は若手顧客を取れない)懸念から系列金融機関を優遇しないでニュートラルに販売商品を選択する動きが広まりつつあります。ろくに資産運用の知識もなく人の好き嫌いで意思決定が左右される風潮が一向に改善しない年金基金よりも投信の方がこれからより厳しいパフォーマンス競争に晒されます。個人は年金と違ってパフォーマンスが悪い理由なんて聞いてくれないし接待もできないしね(らしい)。

要は、10年後の運用業界を見通した場合にどういう会社を作っていくのか、それを改めて考える時期に来ていますが、正直、人を育てるノウハウもろくにないままやってきて、即戦力は社外から採用して若手のやる気を削いで(らしい)、でも重鎮はまだまだ一杯いて運用させるために仕事を与えるふりをしなければならず(らしい)、でもその重鎮がずば抜けたパフォーマンスを示せないことはこれまでの実績で分かってるのだからどこかで大きく舵を切らなければならないのがまさに今なんだろうなと。

2008年まで春を謳歌してリーマンショックで吐血してその時にストックビジネスとして安定したフィーを受領し続けるはずが思ったよりもごっそり減る経験をしたので覚悟はできてるはず(らしい)なんですが、でもキャピタルが長年培ってきたことを真似するだけの有形、無形のリソースはないし、そもそも優秀な人を囲い込んで育てるってのは実は外資系のアセットマネジメント会社がやってて、国内運用会社は逆に組織ではなく人の能力に頼りっきりで、でもその人と心中するために組織を作る勇気はなくて、その結果、実力があってもボスは手柄を取るようなミーティングが当たり前のように開催されてて、優秀でも若ければ雑用させられて(要は優秀かそうじゃないかをパフォーマンスで判断しない、来年は駄目かもしれないし)、優秀な人間は外資系に行ってしまう(らしい)。

そういう悪循環を止めて胸を張って長期的に日本国民のお金を預かる、安心感をもって預けられる運用会社になれるかどうか、このままジリ貧に甘んじるかどうかの瀬戸際ではないかと。インサイダー規制が厳しくなってパフォーマンスが悪化したベテランファンドマネージャーがごっそりいるってもの聞きますし、独立系の運用会社がそういう長期的な運用体制を評価されつつある(リテールビジネスはやってないとこね)ので国内の系列金融会社もそろそろ形だけの、ファンドマネージャーがまるで当てにしてないインハウスアナリスト陣のアピールや使ってないなんちゃってクォンツ運用、そしてコンプライアンス上の問題を起こした人間を送り込むまさに形だけのコンプライアンス体制を真面目に考えないとズルズル持っていかれるんじゃないかなあと懸念してます。J-REITなんてどんどん投資口分割されていって、投信で保有する意味なんてほとんどなくなってますもんね。毎月分配するために1%信託報酬取られることに何の意味があるんだろうか。

これから社会人になる方々に決して運用業界に入ることを止めているんではなくて、むしろ広い視野を持つには最適な仕事だと思いますし(仕事を掘り下げる能力がある極めて優れた人にのみ勧めます。普通の人にとっては、何か一つを究めればあとは応用なんで若いうちに何か究める系の仕事をしてから転職した方が良い)、野村アセット以外に入る価値のある会社があるのかと言われるとノーコメントで、冒頭の掲示板でけちょんけちょんに書かれている会社の若手は世代によってはほぼ全員退職済み、良くて3割残ってるだけというの状況(らしい)ですが、何かあれば外資系に行ってみれば良いんだし楽しい仕事ですよ。そもそも国内系運用会社できっちり教育してもらえるか怪しいし、外資系で使えないと判断された人は噂も耳に入ってこないから何してるのか知りませんけど。

ただ、半沢直樹じゃないですが、国内系列は基本的に親会社から流されるところです。同期の間で馴染めなかったり(金融機関で部署を超えたチームプレイできないベテランはいらない)、社長がセクハラ問題で降格した人だったり、チーム運用してて若手をこき使ってるのに対外的には「俺以外分析できる人間いなくてさー。決定権は全部おれなんだよねー」とか言い放ったり、「部下が成長しない方がおれの地位が安泰だから放置プレイしてる」と(略、CSRを掲げているにも関わらず男女差別を平然とコメントする部長がいたり、イカれた人間性とそれを受容する会社など含めていろいろありますが(らしい)ですが、書いてみて思ったけど、これって運用会社に限らず金融機関ならどこでもある話ですね。あとこういう奴らが国民年金を運用しているかと思ったら腹が立ってきた。

個人的には国内運用会社がしっかり頑張って内外のお金集めてくれないとJ-REITが盛り上がらないんで困るんですが、どう考えてもボトムアップなんかの尖った運用は独立系運用会社か外資系に持っていかれて、サラリーマン的なパッシブファンドだけが国内運用会社に残りそうですが、それはそれで良いのか。うん。

ちなみに外国人がストイックに運用しているかと言われるとそうでない、というかそもそもサラリーマンとして相当緩い、でも彼らは給料高いもんなあ、うまくやってるよ。

追伸 (らしい)を多用している通り、あくまで噂話です!ネタですよ、ネタ。