J-REIT分析 2014年のまとめ

さて今年の最後はなんの酒で〆めますか。やはり秘蔵の余市20年の原酒か。inzaiです。こんばんわ。

更新頻度すらバラバラなこんなサイトに1年間お付き合いいただきありがとうございました。
2014年はJ-REITの良心と傲慢さを垣間見ることができた年だったと自分の中では整理しております。

仕事している上で常に意識していることの1つに真実と事実の見極めというのがありまして、ラノベ風に言えば真実がいつも正しいは限らないっていうアレなんですが、今年は頭の中で何回反復したか分かりません。

2011年~2013年と違って2014年はJ-REITの行動の一つ一つが本当に正しいのか、株価の動きは合理的なのかとても悩ましい時間帯が続きました。もちろんREITにとっては株価だけが絶対的な評価でしてREITの運用会社がどう説明しようとも下がってしまえばそれは間違った行動です。上場している以上、それはしょうがない。

では投資家にとってどうかというと悩ましい問題でして、そもそも色んな投資家がいて時間軸が違えば、J-REITに投資している理由も違うわけです。リスクを取った結果として短期的に大きなリターンが得られればもちろん嬉しいのですが、将来大きく下落するリスクが増えていれば手放しで褒めていいのか難しい。景気が悪化したときでも安定した分配金が欲しいですが、折角のイケイケ相場なんだからそれに乗らない手はないだろうという矛盾。

全てのREITが同じ行動を取ってるわけではないので都度都度乗り換えればいいやんという話なんですが、自分の中にREITの理想像みたいなものがあってそこから外れるのはやっぱ嬉しくないというか素直に評価できないもんなんです。そしてREITの運用会社も人間なのでディフェンシブな経営していても、アグレッシブな経営が評価される時間帯が長く続くとどうしてもそっち寄りになってしまって軸が振れるという一番良くない状態に陥ってしまいがちで、REITってのは、といいますか会社というか組織というモノの本質ですが、一度でも方向転換してしまうと簡単には元には戻れない大型フェリーのようなもんです。

そういう意味で何が正しいのか何が真実なのか見極めようとするのはとても重要ですが、そもそも自分が正しいのか間違っているかというのが簡単に分かれば苦労しないわけで。

特に今年のようにNBFとJREは年初来リターンがほぼトントンと低迷。野村オフィスやトップリートにすら最後に捲くられ、インヴィシンブルのリターン2.5倍には圧倒的大差を付けられた年だからこそ悩んでしまうわけです。

ちなみにこのブログでは1月5日に大和ハウスリートと産業ファンドあたりいいんじゃないか、そして住宅REITを全力で応援してます、みたいことを書いてます(結局、住宅REITのコンテンツは作ってません汗)。ジャパンホテルリートが上昇しててお父さん嬉しい、インヴィンシブルが分水嶺越えてきたみたいことも書いちゃってます。おかげ様で良い思いしてますが、8月以降はJ-REIT分析書いてないってことは要は割安感ないねってことで、ウジウジ悩んでいるのはそういうことも背景にあります。

来年一発目はJ-REIT分析から始まるのですでに原稿を書きつつある(というか12月にまとめ書こうと思ってたのを流用しただけ)ので頭を整理したいのですが、未だ結論出ず。J-REITの行動を見ていても、恐る恐る踏み出そうとはしてますし、高値買いになってもいいやという投げやりな行動は見られますが、それがREITにとって致命的になりそうな行動は見られません。インヴィシンブル、星野は思い切った行動を取ってますが、それがダメというよりはそれしか行動を取れなかっただけでしょうし、ここまで上昇するなんて当人さえも思ってなかったはず。ただ、これに気を良くしてガンガン行くようと怖い。良心と傲慢さを垣間見たというのはそういう意味です。

現物不動産が高騰してるって言われてますが、不動産ってのは基本的に金持ちのアセットなので不動産価格が上昇しないと良い物件が出てきませんし売買も増えてません。その点、高値買いもありますが、低収益物件をきっちり売却出来てますし、J-REIT全体としては不動産価格上昇の恩恵をきっちり享受できている方なので必ずしも悪いことじゃないというのが最近の状況なのかなと。うまく付かず離れずで行ってくれるといいのになあ。

では最後に今年の通信簿です。株価とは関係なく、自分の評価とREITの行動のすり合わせです。難しいと思ってたことをやり遂げたREITが5、期待を裏切ったREITが1。例えばNBFとJREは行動だけ純粋に評価すると1ですが、元々期待もしてないので3。大和ハウスレジは頑張りましたけどもっと頑張れると思っているので3。その辺はコメントつけないと分からない部分もあるかも。東証REIT指数がまったく上昇してなかったら株価がどうなってたのかという評価と言えるかもしれません。

■評価5: 期待に応えた1年間でした。今後も楽しみにしてます。
森ヒルズ、日本アコモ、ケネディクスレジ、ユナイテッドアーバン、森トラスト、インヴィンシブル、日ロジ、阪急リート、ジャパンホテルリート。

■評価4: 評価高め。来年に繋がる1年でした。
野村レジ、産業ファンド、大和ハウスリート、アドバンスレジデンス、アクティビア・プロパティーズ、プロロジス、星野、オリックス、グローバルワン、ケネディクスオフィス。

■評価3:良くも悪くも期待通りです。
GLP、コンフォリア、プレミア、野村オフィス、平和不動産リート、福岡リート、NBF、JRE、いちご、大和証券オフィス、スターツ、大和ハウスレジ。

■評価2: もうちょっと出来るかと思ってました。
MIDリート、野村不動産マスター、ヒューリック、日本リート、JRF、JPR、東急リート、積水ハウスSI、トップリート、日本賃貸、ジャパンエクセレント。

■評価1:何やってんの?ってか何もやってない?来年もこれだとがっかりです。
SIA、イオン、インベスコ、フロンティア。