月別アーカイブ: 2016年6月

さすがに嵐の音が&BREIXTを読み解く本

この嵐は一過性の台風だったらいいなあー。inzaiです、こんばんわ。今回は米国ハイイールドや産油国株式のETFが一気に沈んできましたね。数日前からこれまでと明らかに違う動きをしてました。日本株はあまりに乱高下が続いていたのであれで兆候探せというのはちょっと難しい。やっぱり米国のリスキーなプロダクトがこういうときは一番役に立ちます。

私は3月下旬の下落局面でフルポジになって、4月から米国のリスクだけ見てて、それでもそれなりにやられました。日本人からすると日本株が中心で海外プロダクトでリスク分散しようと思っても、グローバルで動くときは円高+リスクオフであんまりヘッジになりません。現金かショートかVIX以外は意味がない。分かっちゃいるんですけど、それでもついつい分散効果というか長期的に大きなキャピタルゲインを期待して、逆張りの海外ポジションを沢山持ってしまいます。エマージングはこの辺から仕込み始めればそこそこ期待値は大きいと思ってるんですけどね。あくまで、平常時の投資は余剰資金の50%までで、というルールですけど。

さて、BREXIT目前にして何回も読み返しているのが資本の世界史 資本主義はなぜ危機に陥ってばかりいるのか。アメリカ人の本はもうお腹一杯な人におすすめです。欧州を中心としたグローバルな経済史&金融史で、内容の中核は米国との比較対比です。アメリカが急成長した裏で欧州各国は何をしていたのか。アメリカ人が常識として世界に広めつつある資本主義は何がおかしいか。人類の歴史と比べて、現時点では何が疎かになって何が忘れられているのか。一つの概念を理解するために対の概念を意識するというのはよくある話ですが、まさにそれ。BREXITが実現しない場合、世界はどう膠着していくのか、BREXITが実現した場合、欧州はどう変わっていくのか。歴史を紡ぐ上でのファクターが頭の中で整理できます。BREXITで経済が崩壊するほど欧州の人間の愚かとは思えないんですけどね。あと1週間、目一杯考えたいです。

J-REITはいつも通り、海外が大きく買い越しで一定期間後に売り越してきて、国内の買いでは吸収できない、ということになりつつあります。ほんといつも通り。J-REITを買わなきゃいけない人なんていないので、売りが増えてきたらそらみんな様子見になります。期待のJRE、ケネディクスオフィスは思ったよりも分配金伸びないし、NBFやADRが必死で長期資金集めているのはそこしか成長余地がないからなんでしょう。なんとなく不動産価格が上がるという期待も剥落してこれからしばらくは正念場。ブログを書く量も増えそうです。

J-REITの合併カップリングを考えてみた

久々にビッグイベントが続きそうでワクワクしているinzaiです。こんにちわ。BREXITがこんなことになるとは誰が想像できたでしょうか?日本の沖縄のように一定数の離脱派がいるのは当然としても、この数十年間の燻り、今後も続くであろう大陸側の混乱、増えていく加盟国、あるのかないのか分からないメリットとデメリット、何よりも既存の体制に対する飽和感が一斉に表に出てきた感じがあります。ここで離脱派が負けたとしても、首相は何らかの形で責任取る羽目になりそうですし、今の与党体制は長持ちしないでしょうから、次の選挙で大きく存在感を伸ばしたい政治家は反対派サイドでガンガンアピールしてます。焦点がどうにも分かりにくいという点でも離脱派には追い風でそういうところも上手く利用できてます。極東の日本からすると何で離脱するのか分からないのですが、ここ数年はEUのデメリットばかりが際立っていただけに感情論に傾くともうどうにも止まりません。ただ、最近のアンケートでは離脱派が大きく伸びて国民の不安を煽っていることから、最後の最後では無難な着地になるんじゃないかなあと。与党一党体制のシンガポールの前回の選挙もそんな感じで、後輩が何年かぶりに電話してきたらと思ったら「やべーっすよ。まじで与党が大きく議席を失うかも」みたいな電話してきたのに、彼の周りでは最後にびびって野党に投票できなかったとか。BREXITもそんなシナリオになりそうな気がしているのですけどどうなんでしょう。日本時間24日8時半から開票とのことですよ。スコットランドでもわくわくしたのにBREXITなんて堪りません!

さてさてJ-REIT。大和ハウスリート×大和ハウスレジの興奮冷めやらぬままに野村マスター×トップリートが発表されました。実質的な救済合併である意味ではタブーはなくなった感じです。ここからどんな候補が出てくるかというと引き続き、中堅同士か救済合併がメインになるのでしょうか。もちろん攻め受けも考慮して記載しております。ただ、今の価格水準では合併も起きにくいでしょうね。ファンダメンタルズが悪化しそうな雰囲気が強いので、NAV倍率が1倍切ってから本格的に活発しそうな雰囲気。小さいREITが乱立して合併して消えていく。そして準備中のREITの保有物件がばら売りされる。歴史は繰り返すってやつですな。

◆スポンサー関係であり得なくはない
ケネディクスオフィス×プレミア:
スポンサー同士が謎の提携。ただ、やるなら合併よりもプレミアのオフィスと住宅をケネディクスのそれぞれのREITに売却する方がしっくりきます。でもプレミアもNTT都市開発系のREITとして上手く仕切り直しできていて非常に好調な投資口価格です。あまり必要性あまりなさそうな。あとケネディクスは大きくなりたいけど、NTT都市開発はそういうのなさそう。ケネディクスの株価はいちごに大きく差を付けられましたから、そろそろ何かやってくれそうとは思ってます。やるなら全部合併とかかもしれません。4社合併。

森ヒルズ×グローバルワン:
森ビルがグローバルワンに物件売却するときに資本関係を持ちました。最近はめっきりご無沙汰ですし、何かやってるようにも見えません。そもそも森ヒルズはグロワンの物件欲しくないだろうし。。森ビルは案外節操なく持分売却するのであんまり深入りしない大人の関係かも。

ヒューリックリート×ジャパンエクセレント:
いわゆるみずほ系不動産会社の合併。JPR、SIAも含めて3社だと夢も膨らみますが、この2社すら合併あるかどうか。ほんとみずほ系は内部抗争が激しい印象ですわ。One Mizuhoってそんなこと言わなくてもある程度は一つにまとまってるのが普通だと思うんですけどね。ただ、東京建物は単独で大きい案件もやってきているのに対し、ヒューリックはちょっと息切れ感、興和不動産は相変わらず我が道を行ってますが、さすがに離されすぎると、半分に分けたときに下位REITに分類されかねない。みずほ系と言えばSIAもいましたが、ヒューリック美味しいところだけ奪って切り離したようなものなので社長が元気なうちはないのでしょうな。

JRE×平和不動産リート:
三菱地所が平和不動産にちょっかい出してますが、JREからすると負ののれん以外欲しいものないので、平和不動産リートが安くなったときに初めて救済合併の可能性があるかどうかというところ。でも総合型に変えることはないだろうからあっという間にバルクで売るのかもしれません。むしろ地所が主導して平和不動産リートがどこかのREIT買収する方が可能性ありそう。

大和証券オフィス×日本賃貸住宅:
外部成長力と言えば大和証券オフィス。最近はさすがに外部成長も難しくなってきたし、せっかく手に入れたけど私募REITにも住宅特化型持ってるので持て増している日本賃貸住宅とくっつけるか的な。特に日本賃貸住宅はうまく運営しているのに小粒な住宅が多いせいで評価がいまいち。ここまで来たら名称変えるか合併するかしか手段がありません。

日本賃貸住宅×日本ヘルスケア:
大和証券系であるならこっちか。

積水ハウスリート×積水ハウスレジ:
わざわざIPOしてきた積水ハウスリートをレジとくっつける可能性はないかな。レジの本音としてはどこかと合併したいところでしょうけど、住宅メインにやってる不動産会社が身売りするわけには行かないので、是が非でもどこかとくっつけたい。

日本リテールファンド×産業ファンド:
ないなあ。MCUBSをどっかとくっつけるのは急務なんでしょうけど、デベロッパー系で身売りしてくれるとこはまずないかな。

アクティビア×コンフォリア
これもないなあ。わざわざ安定型と成長型に分けてるメリットを失うとは思えない。アクティビアは癖が強すぎてどこかと合併するイメージが湧きません。

以上を踏まえて、スポンサー系以外の合併を考えます。

◆合併が必要そうなメンツ
ジャパンシニアリビング×ヘルスケア&メディカル:
損保ジャパンが軸だとは思うのですが、新生銀行とSMBCかー。どっちもレンダービジネスあるし譲らなそう。かと言って単独ではどうにもならないからなあ。

MCUBS×平和不動産リート
案外しっくりくるのではないか。謎のリーシング力を発揮する平和不動産とMCUBSのオフィスREIT。まあオフィスREIT内の序列は何も変わらないのだけど、その分、誰も邪魔しないと思います。

日本リート×SIA
誰も幸せにならない合併かもしれませんが、もう合併以外は手はないREIT同士仲良くしてほしいところ。
J-REITオフィスセクターの爆弾と言えば東のトリトン、西のJタワー。まともなオフィスREITはJタワーにびびるでしょうから、そこは規模を最優先したいREITが合併するところ。インベスコも捨てがたいですが、まさかトリトンとJタワーの両方を保有するなんてことはないでしょう。ないと信じたい。

トーセイ×サムティ:
スターツ×サムティもあるような気もしますが、スターツが関西に手を出すことはないかと。しかしトーセイなら案外上手く話をまとめてしまってしかも上手く運用しそう。ってかサムティの物件なら住宅系も総合系もみんな欲しがりそうなので、ちょっかい出すのはすごい早そう。アドバンスとか積水ハウスSIとかね。

◆合併がありそうなメンツ
オリックスリート×インヴィンシブル:
来年再来年の台風の目はインヴィンシブル。フォートレスがいつまでもスポンサーやるわけなくて日本賃貸のオークツリーのようにどこかで抜けるはずなんですが、最後のEXITなんで相当高値で売りたいはず。ホテル系と言えばジャパンホテルリート、星野リゾートがまず挙がりますが、規模拡大を目指すところの方が高値で買ってくれそうな。ユナイテッドアーバンあたりも参戦してきそう。

アクティビア×グローバルワン:
あのTK南青山から漂う「おう、分かってんな」感。

阪急リート×サムティ:
阪急リートは単独でも上手くやっていけると思います。機会があれば合併したいけど、関西以外ではうまく出来ないかもしれない。そういうバランス感を考えた場合、関西地盤のサムティなら住宅でも手を出しやすいのではないかなあと。ただ、そこまで阪急が肉食とは思えない。

日本ロジ×ラサール:
GLPも参戦しそうなこのメンツ。ただ、ラサールはせっかくコアファンド運用にこぎつけた以上、名前が消えるような売り方はしない。その点、商社系なら上手くバランス取れるのではないか。物産もAMのグローバル展開にはもってこいの協働相手です。

◆個人的に合併して欲しい
森トラスト×東急リート:
高級貴族同士の合併。エリアの相互補完的も社内文化的にもちょうど良い相手方のお似合いカップル。何気に安定して評価され続けないREIT同士でもあります。ぐっと評価されてジリジリ賞味期限が切れるの繰り返し。

◆絶対にあり得ない
日本プロロジス×NBF:
セクター最大手同士の合併。意味が分かりません。プロロジス本社が絶対にGOサイン出さないでしょうね。三井不動産はあんまりNBFを大事にしているように見えないので、すごい値段でプロロジスが買ってくれるなら売るかもしれません。レスター優勝の可能性くらいのオッズですが。

いちごオフィスはどことも合併しそうだしメリットもデメリットもなさそうなので言及なし。日本アコモデーションファンド、フロンティアと言った三井不動産系も各々がきっちり仕事しているのでずっと独立なんだろうなあ。スターアジアは究極のオーナー系なので、名前消える売り方はしないので買えもしないような。以上、独断と偏見と思いつきのカップリング。