明けましておめでとうございます&今年の予想

明けましておめでとうございます。皆様、如何お過ごしでしょうか?inzaiです、こんにちわ。

改めて2017年を振り返ると、我ながら更新頻度が落ちていて酷い、の一言に尽きます。J-REITが一方的に下落し続けるだけで、それを上回ってJ-REIT全体に影響を与えるようなネタもなかったので書く気も起きなかった、というのが本音。ただ、自分のTwitterを振り返って仮想通貨関連のコメントをまとめてみると、雑談含めてかなりの量になっていて、単純に労力が少ないそちらに時間食われていてだけかもしれません。

あと、現実問題として、夜21時以降はPCでネットしないようにした、というのもあります。これだけで健康状態が一気に改善しました。30分以上座り続けると寿命が縮むと言う話もありますが、本当の話かも。

それはそうとして、今年の予想をつらつらと。

①J-REITの合併が増える
②銘柄間のイールドギャップが更に縮小
③個人の興味がJ-REIT投信から個別銘柄に移行(ついに!)
④物流のファンダメンタルズがついに反転
⑤住宅の個別分譲案件や再開発が出始める
⑥借入コストは反転しない
⑦PO、IPOの調達資金は2012年以来の低水準に
⑧海外特化型REITが誕生
⑨初めての非上場化

①J-REITの合併が増える
2016年7月、BREXITの時にJ-REITの合併カップリングねたを書いてます。その中にケネディクスレジとジャパンシニアリビングの合併は、、、ありませんでした。ヘルスケアREIT同士の合併が本命かと思ってましたが、ヘルスケアREITはスポンサー数が多いので調整が難しい。あと、ヘルスケア同士がくっついても外部成長の機会は増えないし、分散効果もそれほど期待できない。アメリカでもヘルスケアREITは規模が大きくなっても利回りは高いままですしね。オペレーショナルアセットの中でも特に運営が難しいのでしょうがない。

このタイミングで合併が増えるかも、と思ったのは不動産価格が下がる気配もなくいよいよ外部成長が難しくなってきたこと、セクター特化型REITのままでは他のプレイヤーに物件を取られがちなこと、毎月分配型投信からの流出は当面止まるとは思えないこと(先行した海外REIT投信も止まってないし)、金利コスト低下による配当成長はほぼ限界、日銀のQEも限界に来ており更なる買入枠拡大は見込めないこと、などからいつかはJ-REIT市場の利回りも3.5%くらいまで回復するだろと楽観的だった人々も、時間的にも収益的にも我慢できないかなと。

ただ、野村、大和に続くスポンサー同士の合併はあっても、主導権を手放すことになる異なるスポンサー同士の合併は期待しにくいです。合併するくらいなら物件をばら売りした方が絶対に儲かりますからね。不動産が本業ではないスポンサーがREITやってる場合は売却するかもしれませんが、資金繰り詰まってるわけでもないのに合併するかと言われると微妙。どうしても合併しなければならないとすると、まずスポンサー交代を検討して、それでもダメなら大きなところが引き取る感じ。野村によるトップリートなどの事例。

あと、投資家観点から悩ましいのは、合併してもメリットが限定的な点。特に正ののれんが出ると、純粋に合併して得られるメリットと会計が分かりにくくなるデメリットが相殺されているのが今のJ-REITマーケット。REIT自身も合併のメリットが固定コスト削減以外はアピールできてない。あろうことか資産運用報酬を引き上げたREITすらありましたしね。

リーマンショック後の合併局面では、クレジットの改善、不動産運営力の改善、そして負ののれん、ポートフォリオの分散など色々なメリットがあったものの、その後は情報の対称性が大きく改善してきて、クレジット不安も皆無。ファンダメンタルズはこれからピークアウトするんでしょうけど、ダウンサイクル局面では大手財閥系不動産会社であっても何もできないことは歴史が証明済み。逃げたいテナントを押さえつけることはオーナーにはできないのですよ。なので合併でJ-REIT市場が底入れなんてことはないかなと。

②銘柄間のイールドギャップが更に縮小
ここでのイールドギャップというのは上位銘柄と下位銘柄の格差です。2017年は上位が軒並み崩れる中で下位銘柄はほぼプラスのパフォーマンスという個人にとっては最高、機関投資家にとっては悪夢のような一年。発表されたマリモのPOが上手くいくようなら、今年はまだその傾向が続くでしょう。賃料も稼働率も目一杯な現状では、景気が安定していれば、上位も下位は利回り格差なくてもおかしくない。いや、本質的にはあり得ないんですよ。景気が悪くなれば、下位銘柄は金利コスト上昇するし、ポートフォリオは含み損になるし、立地の悪い物件の稼動率は低下するし、ある程度の格差がないとおかしいんです。ただ、3.0%と7.0%の格差はやり過ぎだった。上前津が4%台なら、REITも3.2%と5.5%くらいまでギャップ潰れてもいいかもしれない。何かがおかしいけど。

③個人の興味がJ-REIT投信から個別銘柄に移行(ついに!)
正直、毎月分配型投信から流出していると言っても、どのくらいの人がJ-REIT投信の利回りが単なる嵩上げであることを認識してるのか分かりません。それでも、日本人の不動産信仰からすると一部はJ-REITに戻ってきてくれるだろうし、投信よりも個別で投資したほうが利回りが良いことを理解する投資家も増えてきているはず。投信買うならこんなポートフォリオの方が良い、というような指針があれば良いのですよね。

④物流のファンダメンタルズがついに反転
2017年は何とか踏ん張ったと思いますが、徐々に新規供給物件が苦しくなっています。REITもそろそろ内部成長はマイナスになってくるかなと。ある程度は織り込み済みなんでしょうけど、GLPやESR含めてプレーヤー増加でマーケットは荒れ気味。リーマン前のオフィスマーケットに似てきてるなと。

⑤住宅の個別分譲案件や再開発が出始める
築古でも潰しが利くオフィスや、底地案件も多い商業/物流に比べると、容積が余っておらず再開発に適する物件が少ないのが住宅REITのネックでしたが、総合型REITあたりで出てくるかもしれまん。もしくはリニューアルして個別分譲するとかね。海外では珍しくもないケースですが日本の法制度では難しいところもある。住宅REITは完全に手詰まりなので何か必要。

⑥借入コストは反転しない
一番心配されるのがここですが、担保ある以上、あまり影響ないんだろうなと。いくつか事例が出てくると芋づる式に増えるかもしれませんが、あまり心配してません。先にアパートローンや住宅ローンが目に見えて上がると思います。

⑦PO、IPOの調達資金は2012年以来の低水準に
ファイナンスは当然のことながら小粒になります。減配、LTV上昇でも構わないからがっつりやったるで、なんて人がいるとは思えない。投資家にとっては良い話。

⑧海外特化型REITが誕生
海外市場では当然になっている海外特化型REIT。日本もやれば良いのにと思いますが、私募REITあたりで先行するのかなあ。

⑨初めての非上場化
合併するくらいなら非上場化した方がマシ、というのが本音。お役所がそれを許すかどうかは分からない。

と並べてみました。どちらかいうとネガティブな話あるけど心配いらないかなー的な話が多い。それでは株価は上がらないので困ったものではあります。日銀も気になるところですが、J-REITだけどうのこうのではなく株式市場全体に対するアクションは覚悟してます。