J-REITは利回り4%が近づいてきました

J-REITは10日続落、と言う記事を書いてから(結局11日続落となりました)2カ月ぶりの更新となります。inzaiです、こんにちわ。

その間、強烈なインフレ(米CPIが過去最高の上昇と言うことはもはやハイパーインフレなのでは?)、それに伴うFedの利上げスタンスの強化、追随するようなECBの金融緩和縮小の前倒し、そしてロシア―ウクライナ戦争。年初から下がっていた世界の株価は一段安となりました。

J-REITもあっさり利回り4%を超えと思いきや、意外なことに言うか、これまで通りと言うか、下げ渋りました。特段ポジティブな話はなく、むしろ、来年の黒田日銀総裁の任期満了と、株式市場が大嫌いと言うかそもそも何か勘違いしてしまってる岸田首相からすると何かしらネガティブな人事が実施されることはほぼ間違いないのですが、そんな状況にも関わらずJ-REITはそれなりに底堅い。地銀も個人も売ってこない。意外なことに海外も売ってこない。一人だけ変な奴が暴れてるけど。

それでもこれだけ株式市場が下げてくると、J-REITも少しずつ下げてきて3月9日には1842ptに。これは1月20日のクラッシュの1839ptに面合わせ。その後は何とかリバウンドしてますが、ここを割ると底割れトレンドですし、3/11の米国はリスクオフ気味なので油断は出来ません。

では1820ptを割るとどうなるか?

そうです、ついに利回り4パー教の出番となります。この水準でもホテルやオフィスの収益貢献はかなり保守的なので5年タームで見れば十分に利回り4%とも言えますが、いよいよ予想利回りベースで4%の局面がやってきます。

この水準に来るのは2021年1月以来でしょうか。長かった…J-REITが魅力的ではなくなって1年2か月、ブログを更新する必要もまったく感じず、定例コンテンツですら更新しない状況が続きましたがようやくちょっとやる気が出てきました。ブログを振り返ってみると、奇しくも不動産専門コンテンツである全チンに登場させてもらってから、J-REITが上昇してこっちのブログ更新が止まったのですね。

まず、言いたいこととしては、東証REIT指数は9カ月に渡り2000pt以上で推移していたわけですが、この間に取得して10%近い含み損を抱えている皆さま、大変お疲れ様でした。この間に受け取った分配金はグロスでせいぜい5%でしょうか。株式ほどではないにしてもミドルリスク商品であるJ-REIT投資にも関わらずトータルでは完全に損ですね。そして2000pt以上、いや2100pt以上で売り抜けて待ってた皆さま、素晴らしい投資判断です。機会損失の怖さを我慢してた甲斐がありました。利回り4パー教の教義が少しでもお役に立てていれば幸いです。

ここからのJ-REIT投資のリスクがないかと言われると、金利上昇での不動産価値の減少、インフレ不況での不動産賃貸収入の低迷は無視できないリスクです。特に後者は、現在のJ-REIT物件は、未曽有の好景気のために質の高いビルに入れなかったテナントの移転ニーズを掴まえているのも事実なので、逆に企業が節約モードになると、駅から遠くても少しでも安いところに、となるかもしれません。アベノミクス以降、必要経費をケチるのはジリ貧にしかならないという教訓もありますが、基本的に日本人は節約を美徳と思っているので、あっさりそっちモードになる可能性もあります。

それでも、VCやPEがこれから食らうであろうリスクに比べれば微々たるもの。不動産への投資家需要は強いし、ちゃんとした立地にちゃんとした物件を持ってるJ-REITは運用してよし、不動産売却してよしの展開、しかも上場歴の長いREITは着々と売却益を将来の安定分配のために留保してます。東急リートなんて利益ゼロでも1年間は分配金を維持できるくらい頑張って資産入替してますし、王者NBFでさえ140億円を超える内部留保を持ってます。

利回り4%はリスクあるからもっと保守的に、という気持ちも分からなくはないですが、コロナショックで買えなかった方、東証REIT指数2000ptで売った方はそろそろ検討してもいいのかもしれません。当面、ボラティリティは凄く高いでしょうから欲張っても面白い状況ではあります。