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そういえば、東急リートのビーコンヒルプラザ売却は重要だった

なんとなーく来週の三井不動産のPOを前にJ-REITは静かな感じです。それまでPOで足を引っ張っちゃいけないと言わんばかりの無音航行。6月銘柄ってどれがPO来ても不思議じゃないと思うのですが、そこはあくまで主従の関係といったところでしょうか。inzaiです。こんばんわ。

昨夜のUS-REITはえらい下げっぷりでどうなることかと思いましたがさほど日本時間には影響ありませんでした、ってかREITだけ下げ過ぎだろ、あれ。もっとも本日のマザーズと東証REIT指数は非常に嫌な感じではあり、素直に下げないで後で来るって一番やばいパターンですが、今夕のイブニングで日経先物はあっさり15000円を割り込んだとか為替ががが、杞憂なのかどうなのかさっぱり分かりません。ポジションとしては全力に程遠いしマザーズは一巡したところなんでどうなろうがお構いなしですが、ECBのマイナス金利、日本のビッグSQとか下に行っても不思議じゃない状態ではあります。この戻り局面、もうちょっとで今年の目標収益達成だったんですが、届きませんでした。ほんと勝負弱い。

それとは別に東急リートがイトーヨーカドー能見台をイトーヨーカドーに売却してます。買い戻しを進めているイオンならともかくイトーヨーカドーもこれってちょっとびっくりです。マンション用地とかできそうですし、理屈はまあ分からなくはないが、昨今の商業系テナントの攻めの姿勢は凄いですね。神楽坂も出店が多く、ビストロの貝殻荘なんて飯田橋グランブルームに新規出店(ひょっとしたら現店舗は閉じちゃうかもですが)に加えてにんにく料理のはじめの一っぽの対面にエビ殻荘オープンしてましたし。茗荷谷でもマクドとサイゼリヤがリニューアル中で何が何やらという話ですよ。景気が良くなってこれならいけるってことで店舗を長期的に運営するためにテコ入れしてるんでしょうか。長い目線で運用できるようになったのはいいことではありますが、J-REITだとそういう修繕、CAPEXはある程度粛々とやるんでアグレッシブさにびっくりします。

話が逸れましたが、東急リートはイトーヨーカドー店舗が築16年を超えてお金がかかるのでテナントに売るようです。もっと古い物件を持ってるREITなんてごろごろしている中、そんなあっさりという感じですが、おやと思ったのが売却益が出ても分配金が増えないこと。さくっと他の物件の修繕費に回しちゃうそうです。

建物なんて築年が経てば経つほどお金を要するもんで市場創設から13年が過ぎたJ-REITはいよいよ本格的にそういうフェーズに入るわけですが、グローバルワンのようにうまく物件入替して10億円の売却益で配当が2倍になることがあるかと思えば、東急リートのように5億円じゃなにもできないよ、というところもあり、どっちが良いのかと言われると難しいのですが、それを見越して保有物件の築年を分散させているREITもありますし、半年間の決算の中で帳尻を合わせないといけないREITにとって、方法としては資産規模を拡大させて資本的支出は分散させるか、物件入替を図るかのどっちかで、でも後者は限界ありますし自然と前者になるのかな。グローバルワンが例外かもしれない。JREのクロスタワーなんかは地味に足を引っ張り続けてましたが、うまく乗り越えられないとPLが山あり谷ありになるREITも出てきそうです。

もうほとんど合併しちゃいましたが、築浅ばっかりだった新興不動産系の住宅REITはみんなそういう指摘を受けてました。まあ住宅はその気になればCAPEXなんてかけなくても何とかなるし、私募ファンドや個人オーナーの物件なんて極限までケチりますし、最悪細かく物件入替することも可能ですが、プロロジスなんかは今は立派な築浅物件ばかりですがいずれまとめてお金が必要になるかもしれないけど大物ばかりなのでそういうマネジメントが大変かもしれません。アメリカはお金かけただけ資産価値が上昇するけど日本はそうもなりませんからねえ。国交省がなんとか中古住宅の価格が著しく経年劣化しないよう政策を打ち出そうかとしてますがそれも正直、センチメントだけに働きかけるようなんで難しいかも。

こっちからすると非常に面白い話なんですが、投資家にとってはマイナスはあってもプラスはないのが経年劣化の話なんでネガティブサプライズでしかないですが気になったのでちらうらということで。

東急リートが超久々の公募増資、色々な意見あり

暑さに慣れてきたのか頻発するゲリラ豪雨の影響か、今年は過ごしやすい日々が多い気がしてます。inzaiですこんばんわ。日中オフィスに閉じこもっているので(ランチも同じビルで終わらしてしまう)週末さえ過ごしやすいなら無問題。このペースで10月まで走ってほしい。

 

ブログ停滞の一要因であるKP41問題は色々と手を尽くして、電気代かかりまくりの設定+HDD交換(前のPCもこれでアウトになってた気がする)+電源交換(このPCに変えてから丸3年で3代目、2代目に変えてから1年弱は好調だった)、そしてついにメモリにマイクロンを投入しました。

 

オリジナルパーツはマザボとグラボしか残ってねえ。もう高負荷のFPSはやらないこと考えると、グラボなしで最新のマザボに変えてしまえばよかったとアキバ帰りに若干後悔しました。これでダメならメーカー製PCに変えるか、MACに変えるか。もう誰かアンドロイドOSのデスクトップ出してくれよという気持ちです。

 

さて、東急リートの公募増資。さすがに野村不動産オフィスより手応えはよかったようですが、POのリリース直後は「がっかりした」という大きな声のプレーヤーが多かったようで、配当落ちと相まって株価は急落していきました。

 

スポンサーが万全にも関わらず物件取得のスピードが遅かったのは物件と価格を厳しく選別しているからで、次のファイナンスでは森ヒルズリートやNBFのようにREITが進歩していることを強烈に感じさせることを期待していたのに、いざ蓋を開けてみれば特筆すべきことが何もない内容だったと。

 

個人的には6/9J-REIT分析が全てでして、「公募増資によるポートフォリオ成長が待たれるところではあるが見境なく物件取得に手を出している感もあるし、東急電鉄のバックアップが見えないのがなあ」と記載している通り。

 

このREITに劇的な成長は期待してないし、既存物件の不安要素が多々ある中で、そもそも今は足元を固める時期。来年までの配当をきっちり見せてくれればそれで十分。

 

今般のファイナンスは「きっちり数字作ってきた。下がってくれれば儲けものだけど難しいかなあ。配当利回り4.5%あれば十二分安い水準」だと考えていたので、あの急落局面はある意味おいしいトレードとなりました。商業中心の野村マスターファンドの東証REIT指数組入と重複したのも東急リートにとっては不幸なタイミングだったのかもしれません。

 

とはいえ、虎ノ門のCR4.1のインパクトが強烈だったのは事実。神宮前のオフィスビルを素っ高値で買ってせいで、短期間で減損リスクが発生してしまい、虎の子のりそなマルハビルを売らざるを得なくなって、とっても恥ずかしい思いをした東急リート。そのREITがスポンサー物件とはいえ再び高値で物件取得に走ったわけですから評判はそら悪いわいという話です。

 

メインテナントのNTTデータが安めの賃料水準で入ってるせいか、築浅でCRは4.1なのに予想NOI利回り4%フラット。FRが残ってるとか、テナントの退去を見込んでるとかあるのかもしれませんが、こんな数字が出てくること自体そら評価も厳しいという話です。

 

ひょっとしたらNTTデータが滅茶苦茶安い賃料水準で、ここがマーケット水準になれば取得価格そのままでもNOI利回りが4.3%にできるのかもしれないが、鑑定会社がどうしても現行水準にこだわったからやむなく4.0%になったというのはよくある話なんでしょうけど、でも大きな底地買った後に利害関係取引でこういうことはやってほしくない。あと別のREITがNTTデータに賃下げをゴリゴリやられて予想外に業績を圧迫されたという話もあり、そもそもの賃料水準知らないのでなんとも言えませんが、天下のNTTも色々見えないところで変わってきてるのかなあと。

 

他の2物件はまあまあ。個人的にはOKだが嫌いな人も多いんだろうなあという感じ。

 

カレイドは上品なビルではないもののエリアでは使い勝手が良い商業系雑居ビル(居酒屋、エンタメ系テナントだったら雑居系という風潮もなんだかなあという感じですが)。化けることはないでしょうがトラブル系さえなければOK。でも既に東急リートが保有してるCOCOTIが同じエリアにあって成績が散々なので不信感の人は多い。

サンケイの方は何とも中途半端な立地のビル。REIT含めて証券化が多いエリアで稼働はそれほど悪くないですが渋谷の中では苦労も絶えない地域。ヒカリエできてあっちの方も底堅いとは言いますし、STワールドが退去して心配させたオリックスRはすぐに埋め戻しに成功して、アマゾンが退去したJREのクロスタワーもOK。何もこれ買わなくてもと思って人は多いかな。

 

何にせよ、森トラと同じく1年間の配当見込みを出したのはポジティブです。森トラほど賃料変動が少ないわけじゃないのでよく思い切ったなあと思いますがそこは評価してもよいんじゃないかなと。