J-REIT 分析 2012年1月29日

BBC聞いてたらスペインの中規模航空会社のSpanairが資金調達難でいきなり営業停止になったとのこと。直前までチケットを売っていたものの、代替チケットの用意もなく搭乗予定者は阿鼻叫喚。スターアライアンスにも加盟してるのにねえ。ちなみに英語ではスチュワーデスって用語OKなんですね。

さて、J-REITのランキング。決算発表のあった11月決算銘柄を中心にいくつか見直し、コメントを補足。各銘柄のコメント後半を修正してます。

決算が良かった平和不動産リートが2位で、ホテル系が価格調整しないので一旦見送り。難しいのは、決算悪かったユナイテッド・アーバンが強烈に売り込まれたので割安になったこと、日本賃貸住宅の株価が上昇していること。表現が難しい。

ちなみに銘柄の横の数字は、株価/利回り/時価総額です。

1位 : 3269 アドバンス・レジデンス投資法人 136,100円 6.61% 133,378百万円
伊藤忠系の住宅REIT。多額の負ののれんで、もはや株というよりも債券と言っても過言じゃない分配金の安定。配当落ち直後を丁寧に。

2位 : 8966 平和不動産リート投資法人 39,100円 7.93% 27,210百万円
平和不動産系のオフィス・住宅の複合REIT。平和不動産に何が出来るのか不安もあるが、うまく合併を乗り切った印象。評価上昇。

3位 : 8984 大和ハウス・レジデンシャル投資法人 485,500円 6.59% 77,940百万円
大和ハウス系の住宅REIT。負ののれんもあるし、今のところスポンサーのやる気も十分。5年くらい年間配当金32,000円は固い。決算月で50万円超えるかどうか注目だが追いかけ過ぎない。

4位 : 8956 プレミア投資法人 252,200円 8.04% 49,607百万円
NTTがメインスポンサーとなったオフィス・住宅の複合REIT。しょっぱいオフィスが重荷でNTTがどうやって挽回するか。住宅は業界No.1のKEN(スポンサーでもある)が担当。

5位 : 8986 日本賃貸住宅投資法人 35,200円 6.53% 46,844百万円
極端な話、そこそこの物件であれば何とかなるのが住宅の良いところ。金利コストの改善も期待。戻りが速すぎる気もするが、ボラ大きいと思われる。

6位 : 3240 野村不動産レジデンシャル投資法人 345,000円 7.01% 52,073百万円
野村不動産系の住宅REIT。公募増資で調整した株価を戻し中。日本アコモデーションファンドには勝てない運命だが、日本賃貸住宅に50bp負けるのはちょっとやられ過ぎ。

7位 : 3234 森ヒルズリート投資法人 249,000円 6.83% 57,648百万円
森ビル系の総合型REIT。やってることは間違いないのだが、王道から外れており、あまり評判よくない。配当落ち直後で25万円の攻防に注目。安ければ買っても良い銘柄。

8位 : 8951 日本ビルファンド投資法人 656,000円 4.60% 399,176百万円
安定感のある三井不動産系オフィスREIT。オペレーション力はピカイチ。公募増資の個人からの売りを消化中。目先70万円(利回り4.3%)からは重いか。

9位 : 8977 阪急リート投資法人 330,000円 7.27% 28,182百万円
競争激しいが、大阪の商業施設は良い物持ってる。決算は悪くなかったし、開示内容は玄人好みでピカイチ。安定。

10位 : 8960 ユナイテッド・アーバン投資法人 80,700円 6.82% 169,743百万円
日コマを吸収した丸紅系の総合型REIT。負ののれんがあるので今後3年は分配金5500円極めて固い。決算伸びなかったが、株価の調整はややToo much。

8952 ジャパンリアルエステイト投資法人 652,000円 4.82% 318,958百万円
建物は立派なんだが…の三菱地所系オフィスREIT。アマゾン、三陽商会の退去に加えて今年3月までに公募増資予定なので要注意だが、何故か株価急回復。見送った?

8953 日本リテールファンド投資法人 110,400円 6.65% 207,574百万円
三菱商事系の商業REIT。GMS(イオンなどの郊外型商業施設)も都心型商業も不安。決算月の2月から株価は動意付きそう。

8954 オリックス不動産投資法人 328,000円 6.95% 93,294百万円
オリックス系のオフィス中心(大規模ではないが中小型でもない)で、商業、物流、住宅も保有する総合型REIT。2月決算だし株価30万円は維持できそう。

8955 日本プライムリアルティ投資法人 181,300円 6.40% 129,630百万円
東京建物系のオフィスREITと一般的に言われるが、商業も結構多い。親会社苦しい時だが、2月の決算発表まで様子見か。

8957 東急リアル・エステート投資法人 375,000円 6.19% 63,518百万円
東急電鉄系のオフィス、商業の複合REIT。良い物件だけに目を奪われるとろくなことにならない。配当落ち直後でまだ調整必要かも。

8958 グローバル・ワン不動産投資法人 501,000円 5.19% 48,547百万円
近・新・大を掲げる(ほぼ)独立系オフィスREIT。最近、森ビルと仲が良いのでくっついても不思議じゃない。

8959 野村不動産オフィスファンド投資法人 405,000円 6.12% 123,575百万円
野村不動産系のオフィスREIT。財閥系デベを追いかける業界2番手だが、1番との差は大きい。オフィス市況回復が見えれば欲しい銘柄。

8961 森トラスト総合リート投資法人 639,000円 5.98% 154,638百万円
(良い意味で)孤高のデベ、森トラストのオフィス中心のREIT。汐留ビルはJ-REITで一番のビル。契約が固すぎて配当金は上昇しない。

8963 インヴィンシブル投資法人 6,380円 6.27% 8,602百万円
住居中心の総合型REIT、オフィス、シニア、商業も。…ちゃんと運用してくれ頼むから。あと変なファイナンスは勘弁で。

8964 フロンティア不動産投資法人 607,000円 6.06% 117,758百万円
三井不動産系の商業REIT。親会社の決算に合わせてもうすぐ公募増資かも。60万円は割れ込むか。

8967 日本ロジスティクスファンド投資法人 612,000円 5.57% 90,576百万円
三井物産系の物流専業REIT。低LTVと高い配当利回り。安心感あり。八千代のテナントは契約延長をゲット。

8968 福岡リート投資法人 505,000円 6.40% 62,140百万円
福岡の大企業(+日本政策投資銀行)のほとんどがスポンサーの総合型REIT。福岡地盤で格付AAの企業って5本もないらしい。郊外商業のリーシングで良いニュース続く。

8972 ケネディクス不動産投資法人 225,200円 8.26% 64,531百万円
スポンサーであるケネディクスよりも信頼されていた時期もあったが、今や両方ともSMBCの言いなりなのか。最近、何かスポンサーがバタバタしてる印象。

8973 積水ハウス・SI 投資法人 294,000円 6.90% 33,831百万円
積水ハウス系の住宅REITだが、商業のシェアも高い(これ以上は増やさないらしい)。プラチナコート錦糸町を取得。お買い得物件とは言い難い。

8975 いちご不動産投資法人 31,000円 7.42% 26,128百万円
良く分からない、いちごグループのオフィス中心の複合REIT。負ののれん+金利コスト低減で期待を持てるREIT。順調に株価回復してたがそろそろ重く?

8976 大和証券オフィス投資法人 169,000円 6.04% 66,890百万円
大和証券に何ができるのか良く分からないオフィス専業REIT。決算はぱっと見た感じ良かったので、株価回復。利回りだけでは売買できない銘柄。

8979 スターツプロシード投資法人 99,700円 7.55% 10,765百万円
スターツって良い企業だと思うが如何せん華がない。個人投資家のシェアが高い異色の住宅専業REIT。住宅REITの序列では一番下なのは当面変わらない。

8981 ジャパン・ホテル・アンド・リゾート投資法人 174,400円 6.89% 18,437百万円
日本ホテルファンドと合併を発表。ホテルも競争激しいが割安だと思う。株価上昇にはもっと時間かかるが長期的な目線で押し目待ち。

8982 トップリート投資法人 346,000円 6.91% 53,630百万円
スポンサーは立派だが、何をやってくれるのか良く分からないオフィス中心のREIT。晴海トリトンは厳しい。

8985 日本ホテルファンド投資法人 198,100円 7.47% 11,496百万円
ジャパン・ホテル・アンド・リゾートと合併予定。トラブル続きだったので、これで一段落か。関田社長は退任するのか?

8987 ジャパンエクセレント投資法人 312,500円 7.68% 58,953百万円
興和不動産系のオフィスREIT。騙し騙しやってきたが、そろそろ限界も見える。2月の決算はちょっと怖い。数字は作ってくると思うけど。

3226 日本アコモデーションファンド投資法人 504,000円 5.60% 98,134百万円
三井不動産系の住宅REIT。月初4営業日ほどで前月末の稼働率をリリースする拘りはかなりすごい。安定感あり。利回り6%欲しい。最近の軟調はひょっとしたら公募も?

3227 MIDリート投資法人 182,600円 8.13% 33,530百万円
関西電力系のオフィス中心のREIT。大阪の京橋のオフィスが大きな不安。動き遅いし、スポンサーは原発対応で一杯一杯か。

3249 産業ファンド投資法人 394,500円 6.23% 36,938百万円
三菱商事系の物流・インフラ系リート。最近はもっぱら物流ばかり取得。前回の公募増資から1年。そろそろかも。