月別アーカイブ: 2015年12月

日銀の追加緩和(補完)、サプライズないっちゃないですけども。。

来たで日銀3倍マーン!と叫んでからもう1年が過ぎましたか。inzaiです、こんばんわ。南アフリカリートは3%下落してます。

上のドキュメンタリーコンテンツからアマゾンで本を買っていただいた方、とてもありがとうございます!一緒にスミダ式国際経営―グローバル・マネジメントの先進事例も買ってらしたようなんですが、アマゾンの内容が「あらゆる電子機器の必須部品となるコイルのリーディングカンパニーで、日本初の「委員会設置会社」としても知られ、世界15か国に事業展開。自動車用のABSコイル、キーレス・エントリー用コイル分野で世界No.1シェアを獲得している。その軌跡と経営戦略を八幡滋行CEOに聞く」となっててクソ面白そうです。スミダと言われるとピンときませんがスミダコーポと言われると、ああという感じです。上場一部の会社で本社が晴海トリトンXタワーというのは知ってます。トリトンと言えばトップリートの決算が18日にリリースされてますが何とも言えない内容。食堂をコンバージョンしたフロアも無事に埋まったようですし、悪い話はありませんけどもなかなか波に乗り切れないもんだなと。みずほ信託に抜かれるわけにはいけない住友信託がそろそろ本気出してくるのではないか。まだか、まだなのか。

ちなみにアマゾンでスミダ式で検索すると何故か2番目が日本軍歩兵の戦闘技術―1941‐1945。これまた面白そうですが、レビューでは「日本軍の専門書は多数出ているのでその中では普通」といったニュアンスで書かれてました。深い世界があるようです。J-REITなんかまだまだですね。

さて、日銀の追加補完。久々に日銀のホームページつながらねーよ状態で、緩和なのかどうか分からないまま一旦上がっていって、やべー小粒だよって往復ビンタにドロップキックお見舞いされたような株式市場でした。J-REITはしっかりと上昇。買入総額が年間900億円というのは従前と同じペースながら一銘柄あたりの保有上限を5%から10%に引き上げることが好感された市場のアクションとなりました。

J-REIT市場の時価総額10兆円なので900億円ということは1%弱、NBFで言うと70億円強を日銀が更に買ってくれるわけで悪い話ではありません。国が自社株買いやってくれるのですから大変ありがたい話です。ただ、個人的には5%の保有上限を変えずに大手未満の銘柄をインパクト付けて買っていって欲しかったです。J-REIT取得の目的がリスクプレミアムの縮小と言うならそこだろうと

NBFとかJREを買ってもそんなに不動産市況は活発にならないと思いますよ?ひょっとしたら、そういうのを期待してこの半年間やってみたけどあんまり効果なさそうだし、なんか青森とか山形の物件まで買い始めちゃったから、インデックスに近い買い方に戻そうかって話なのかもしれません。このままだとどう計算しても年間900億円買うのは来年一杯なのは事実。AA格のREIT ETFの方が良かったんじゃないかなあと思わなくはないですけど10%まで枠を広げるのは思い切った行動でそこはとても評価したいところです。

結局のところ2016年前半でけりを付けるつもりが間に合わなかったので取得枠を拡大したという意味では、日銀の目論見は外れているもののその点は既にコミットしているので問題ない、それを踏まえてあとは技術的なところを修正したと日銀は言ってますが本音でそう考えてそうですね。緩和の延長もなにも緩和政策そのものの期限は明示したこともないし何も矛盾してないだろうと。FRBだって利上げするけどQEの方は絞り込んでないでしょ?CPI2%に到達させると言ったけど、それだって到達してもJ-REIT売るなんて言ってないよね?と言われるとそうだなあと不思議な説得力があります。

株式市場の反応は、ど う み て も 緩 和 足 り て な い だ ろ !? ですけどね。

年末に向けてNISAの余った枠がREITに流れ込む可能性もあるかと思うとわくわくします!でも準大手以下の銘柄にとっては残念な話です。ロングショートのカバーの後の展開次第ですか。米国REITは1.2%下落してますがどうなることやら。

ドキュメンタリー(金融)に追加:海外大型M&A 大失敗の内幕

ドキュメンタリー海外大型M&A 大失敗の内幕を追加しました。

ちょっと噂になってた本で、タイトルの通り日本の大手企業9社のM&A事例を取り上げてるんですが事業戦略的な話はほとんどありません。内紛とか心理とか人間関係がメイン。212ページで9つの話なのでダイジェストと言えばダイジェスト。それでも視点が日本側、アメリカ側と切り替わってて面白いです。主に日本側が利用されているだけなんですがね!

三菱地所のロックフェラーの話はさすがに良く知ってますが、それでも社内にどんな葛藤があって誰がどう責任を取らされたのか生々しく語られてますし、これだけ読むとソニーとパナソニックの凋落の原因はここにあったのかと今更ながら新しい発見があります。1990年前後からあんまり変わってないなという話が半分、90年前後って今の感覚からすると石器時代だなというのが半分。

最近はASEANの仕事が多く財閥系企業の話を調べていると結構、日本の企業はM&Aで負けてる歴史があります。第三者かつ日本側の感覚だとアジアだしやっぱウェットな世界だよねーってそれっきりだったりするのですが、それがASEAN側からすると大きく伸びるきっかけだったりしてます。近いところだとキリンとタイビバレッジの争いなんかもその一つではないでしょうか。そういうのを見ていると焦る日本企業の気持ちも分かるなと。今となっては適度に古い話ではあるものの結果がはっきり出ている分、なんというか肉感的に来るものがあります。

金融系のネタが全然ないのでSMBCと大和証券とシティ、野村證券とリーマン、三菱UFJとモルスタ、あおぞら銀行とソフトバンク・オリックス・サーベラスあたりなんかも書いてくれないものでしょうか。あとはどうしようもない今のIPO市場でデビューして散っていったIT企業の内幕とかセガサミー、アトラス、スクエニあたりのゲーム系とか。こうやってみると電鉄系って全然合併ありません。意外。

J-REIT分析 2015年12月13日&南アREITがえぐい

1日で13%下落するとかマジえぐい。引けにかけて戻りましたがそれでも2日で20%。日経平均が1日2000円ずつ下がるとさすがに恐怖。inzaiです、こんばんわ。

J-REITは一週間で1.4%下落しました。
セクターで見ると、こんな感じ(騰落率、配当利回り)。
差があるようなないような。
オフィス -0.5% 3.75%
住宅 -1.4% 3.92%
商業/ホテル -0.9% 3.66%
物流 -1.0% 3.57%

一方、サイズで見ると、大型株が売られているのが顕著。
投信かETFの解約っぽい売りでよく下げてますもんね。
小型 0.0% 4.11%
中型 -1.0% 3.62%
大型 -1.9% 3.36%

来週はCOP関連銘柄が中心になるんでしょうな。
J-REITは厳しい環境が続くんですかね。

というわけでJ-REIT分析です。

8951 日本ビルファンド投資法人 566000 -0.9% 0.5% 2.77% 7,992億円
12月決算ということもありしぶとい価格推移。JRE見ると期待せざるを得ないということなんでしょうか。そろそろ本気出して欲しいけど、、サプライズは無理かなあ。

8952 ジャパンリアルエステイト投資法人 566000 -0.7% 0.7% 2.83% 7,411億円
ぼちぼち。長い目で見ると出遅れ感も大きいですしね。

8953 日本リテールファンド投資法人 221300 -4.8% -3.4% 3.72% 5,648億円
何故か上がって何故か落ちてきました。時価総額がこれで配当がこれってのは野村マスター同様、図体だけが大きくてもって評価なのか。私募を本格化させるというのもポジティブではないんでしょうな。

8954 オリックス不動産投資法人 154300 -3.1% -1.7% 3.56% 3,581億円
こういう2番手優良銘柄に厳しい1週間でした。

8955 日本プライムリアルティ投資法人 415500 -0.7% 0.7% 3.13% 3,627億円
下がりそうで下がらない。配当落ちが怖い銘柄になってきました。

8956 プレミア投資法人 117200 -0.2% 1.2% 3.78% 1,544億円
決算発表前に何とも言えない動き。増益幅が大きかったので期待も膨らんでます。

8957 東急リアル・エステート投資法人 147600 -0.9% 0.5% 3.31% 1,443億円
JPRと並んで他のREITより突出した感じが残ってます。渋谷の開発は素直にプラスということでいいんだろうか。

8958 グローバル・ワン不動産投資法人 435000 -1.1% 0.3% 2.56% 843億円
ロケット上昇後は一段落。来年は大きく利益伸ばしますがそれでも利回りは3%くらい。さすがに上値を追う雰囲気はまだ出てません。

8960 ユナイテッド・アーバン投資法人 156600 -2.9% -1.5% 3.68% 4,309億円
あの物件取得では如何とも期待は膨らみません。

8961 森トラスト総合リート投資法人 205100 -0.9% 0.5% 3.35% 2,707億円
20万円はなんとか維持できそうな雰囲気です。期待剥落も一巡した感じあります。

8963 インヴィンシブル投資法人 66600 -6.6% -5.2% 3.03% 2,127億円
インバウンドはとりあえず売っとけ的な流れですので。

8964 フロンティア不動産投資法人 477000 -5.5% -4.1% 3.81% 2,366億円
日本リテールファンドともども売り込まれてます。あれか。これもインバウンドなのですか。全然上がってなかったのに。今更ツタヤの話でもないでしょうし。

8966 平和不動産リート投資法人 83400 -1.3% 0.1% 4.16% 793億円
POを何とか乗り切ったようなまだ危ういような。横浜は評価難しいなあ。

8967 日本ロジスティクスファンド投資法人 228600 -1.8% -0.3% 3.47% 2,012億円
いまはこんなもんだと思います。

8968 福岡リート投資法人 204100 0.7% 2.2% 3.44% 1,525億円
流れに歯向かってるけど強いです。インバウンド銘柄の中では過熱感もないし、オフィスも良いし安定してます。

8972 ケネディクス・オフィス投資法人 554000 -0.7% 0.7% 3.69% 2,243億円
一足に先に調整してました。プレミアと並んで決算が待ち遠しい10月決算。

8973 積水ハウス・SIレジデンシャル投資法人 108900 -0.5% 1.0% 3.88% 1,109億円
商業を売ってからが心配ということなのか。いまいち物足りない動き。この銘柄は何回もダイナミックに動いておりますからね。

8975 いちごオフィスリート投資法人 88200 2.1% 3.5% 3.99% 1,249億円
我らがいちご。しっかりした動きです。

8976 大和証券オフィス投資法人 608000 -0.5% 0.9% 3.17% 2,943億円
特に違和感ない動き。

8977 阪急リート投資法人 124800 -3.2% -1.8% 4.03% 746億円
権利落ちしてから一瞬しっかりした動きで「おお?」と思いましたがいつも通り。やっとホテルが買い時になって動けるのかどうか。

8979 スターツプロシード投資法人 170400 -0.3% 1.1% 4.72% 296億円
スポンサーは好調です。リートも色々できると思うんだけどなあ。

8982 トップリート投資法人 461500 0.9% 2.3% 4.23% 812億円
なんだかんだで安定した動きになってくれません。みずほ信託のREIT参入でちょっとはやる気みせてくれないものか。

8984 大和ハウス・レジデンシャル投資法人 249900 1.0% 2.4% 3.62% 1,869億円
出遅れ感があると戻る。でも強くはならない。一時はセクターの先頭を走っていただけに残念です。

8985 ジャパン・ホテル・リート投資法人 89200 -1.8% -0.3% 3.05% 2,805億円
あれだけ短期間に走ったのだから休憩はしょうがない。インヴィンシブルと違うところを見せられるのか。てか年1回の12月銘柄をここで売るのは難しい。

8986 日本賃貸住宅投資法人 79600 -2.1% -0.7% 4.22% 1,305億円
大和証券がいよいよ乗り出してきました。私募REITとの利益相反などは如何に。まずは負債コストを削減ですな。

8987 ジャパンエクセレント投資法人 133700 -0.4% 1.0% 3.71% 1,691億円
これだけ全然動かないのも珍しい。

3226 日本アコモデーションファンド投資法人 411500 -4.2% -2.8% 3.71% 1,994億円
ここで売られるか?誰かまとめて売りたかった人がいるんだろうか。

3227 MCUBS MidCity投資法人 369000 -0.4% 1.0% 3.71% 982億円
なかなか40万円は遠い。数字が出ればってとこでしょうか。市場は冷静です。

3234 森ヒルズリート投資法人 152300 -0.8% 0.6% 3.24% 2,391億円
こちらも上がりそうで上がらない。この辺の銘柄はさすがに3%見えてくるとストッパーあるんですかね。

3249 産業ファンド投資法人 563000 0.4% 1.8% 3.29% 1,985億円
12月だと買われます。いつも年前半に豪快なPO見せてくれますしとりあえず配当との二重取り狙いなのか。

3263 大和ハウスリート投資法人 489500 -0.2% 1.2% 3.66% 1,717億円
スポンサーが好調過ぎると出番がありません。動かないのでバリュエーションは楽でいいです。

3269 アドバンス・レジデンス投資法人 259100 -1.9% -0.5% 3.47% 3,368億円
小動き。

3278 ケネディクス・レジデンシャル投資法人 301500 -1.5% -0.1% 4.03% 1,053億円
ケネディクスだし慎重に構えてて損はない、のか。配当利回りはまだ4%。

3279 アクティビア・プロパティーズ投資法人 506000 2.2% 3.6% 3.42% 2,805億円
あのPOじゃ上がるのはしょうがない。銀座で期待感も高まっているのでしょうか。

3281 GLP投資法人 118900 -2.9% -1.5% 3.83% 3,084億円
2016年に積極的に買われる気がしない。供給過剰は息の長いテーマです。

3282 コンフォリア・レジデンシャル投資法人 234200 -1.7% -0.3% 3.61% 1,110億円
まあこんなもんかと。

3283 日本プロロジスリート投資法人 216100 -0.4% 1.0% 3.63% 3,740億円
LTV下げていて正解!という動きになりつつあったのですが。

3287 星野リゾート・リート投資法人 1206000 -0.9% 0.5% 3.38% 941億円
インバウンドなのか微妙なライン。ホテルはなあ。

3290 SIA不動産投資法人 465000 -1.2% 0.2% 4.72% 349億円
みずほ信託に何か期待できるのか。でも、あれくらいの規模の方が一生懸命やってくれるんじゃないかなあ。どんだけ証券からゴリゴリ来るのか次第か。

3292 イオンリート投資法人 140200 -1.1% 0.4% 3.73% 1,528億円
14万円を行ったりきたり。

3295 ヒューリックリート投資法人 165700 1.0% 2.4% 3.45% 1,294億円
外国人?このREITは売られる時と買われるときのタイミングがよく分かりません。

3296 日本リート投資法人 297000 0.1% 1.5% 4.75% 1,164億円
最近静かですね。そもそも何月決算なのかよく分かっていない。

3298 インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人 101800 0.4% 1.8% 4.89% 552億円
マーケットはシビアというかもうちょっと優しくてもいいのではないか。

3308 日本ヘルスケア投資法人 181100 -0.4% 1.0% 4.41% 132億円
どこまで下がるんでしょうねヘルスケア関連は。妙案がまったくありません。

3309 積水ハウス・リート投資法人 129500 1.0% 2.4% 3.79% 1,028億円
気が付けば上がっている不思議なリート。

3451 トーセイ・リート投資法人 114300 0.4% 1.8% 5.35% 180億円
POは成功なんでしょう。完全に独自の道を歩んでます。

3453 ケネディクス商業リート投資法人 252500 0.8% 2.3% 4.84% 897億円
アナリストの目標株価で上がったり下がったり。

3455 ヘルスケア&メディカル投資法人 110500 -1.3% 0.2% 4.14% 133億円
ジリジリ上がってます。社長が頑張っているのが一番大きい。やっぱIRですよ。

3459 サムティ・レジデンシャル投資法人 87300 -1.2% 0.2% 4.03% 143億円
とりあえずここは次の一手見ないと分からないです。はい。

3460 ジャパン・シニアリビング投資法人 149900 1.6% 3.0% 3.42% 127億円
4%くらいは欲しい。

3462 野村不動産マスターファンド投資法人 148000 -1.5% -0.1% 3.51% 5,509億円
ブラックロックが買うほど劇的な何かがあるとは思えないんですか流動性とかが大きかったのでしょうかね。ポートフォリオ再構築がマネタイズすれば化けることも可能ではあります。

3463 いちごホテルリート投資法人 124700 7.3% 8.7% 3.19% 165億円
階段状に上がっていきます。他のホテルに比べるとまだ過熱感が足りないような。

 

 



再び、J-REITがいきなり急落しましたな&地銀の不動産融資が監視強化へ

12月2日も急落してたJ-REITがまたも急落しました。inzaiです、こんばんわ。2日に比べると全然迫力のある売りではありませんが、米雇用統計が強くてUS-REITしっかりで安心感が広がりつつあったのに何故か投げ売り。指数にして15ptくらいで最後にはすんなり戻りましたが、なんとなくボラティリティが高くて気持ち悪いです。2日の記事で踏ん張りどころだけど逃げる準備してるってことを書きましたが踏ん張り継続です。とは言え、エマージング関連のアセットは結構ボロボロです。全部が悪いわけではありませんが、原油関連はねえ。売り一巡感のあるところで仕込んだものがジリ貧。利益乗ってもうまく利益確定できないし損切りも下手。ぐぬぬ。

あと、一部で話題になってる金融庁による不動産向け融資の強化。地銀向けにやるとか言ってますが、WSJが11月に報じたものの後追いがなぜこのタイミングで出てくるのか。内容はともかく、アパートローンとか住宅ローンとか含めて結構えげつない状況になっているので注目度は高いです。年収倍率とかそういうのは遠い昔の話になっており不動産は最悪手放せば良いやと、マンション価格が下がらないことを前提とした神話に近い妄信が蔓延ってますので、売ればトントンだけど金利低いからオリンピックまでに我慢しようとかジリ貧まっしぐらな話がこれから増えてくると怖いです。原油も上がるシナリオが何もないことくらい分かってますが、アセットミックスの観点からちょっとくらい持っててもいいやと同じレベルの発想。書いてて苦しい。良く知ってるアセットだと損切りも簡単なんですが。

それはともかく、どういう風に監視強化するのか分かりませんが、今まで意識的にジャブジャブだったのを引き締めるとなると怖いです。正常化するだけのつもりが一気に冷えていくのは良くある話。金利引き上げや担保価値の見直しでもダメージは当然大きい。最悪でも損は出ないが利益も出ないだけで済むというバックストップがあるから投資できるわけでそれが揺らぐとお金の流れは止まります。どこにも恐怖感を与えず引き締められれば良いのですがそんな妙案はありません。現物の不動産は流動性がありませんし、株式市場と違って予兆管理とか出来ないからほんと怖い。

では地銀向けの強化がJ-REITに影響があるのかどうか。率直な感想としては、REITは2008年の反省を活かして備えをしているところが多いので多分大丈夫かなあと言うシナリオは作れますが、でもトラブルには巻き込まれるんだろうなと。総じてLTVは抑え気味で運営されてますし、分配金も今の水準を維持するだけならPOは必要ありません。2008年に比べるとレバレッジが大きくかかっている世界はREITよりももちょっと濁ったところの不動産マーケットではないかと思うので直撃は避けられそう。スポンサーも業績悪化くらいで済むでしょうしクレジットには響かない。しかし残念ながらどこかの金利が上昇すればJ-REITの調達金利もいつか上がります。地銀がJ-REITに貸してる金額はわずかなものですが、貸し手が減れば金利は絶対に上がります。9月決算のREITを見ていると平和不動産リート以外は金利低下の影響はかなり限定的になっておりますが、それでも金利が上昇に向かうと成長要因がマイナス要因になるわけでこれは大きい。民泊が規制されて、マンション投資も難しくなれば住宅REITにとっては悪い話ではありません。でも、不動産価格が下がるって明らかにメリットよりデメリットの方が大きい。実力で減配になったとき、J-REITの魅力的な配当利回りはどこなのか。そして株式市場の配当利回りはどこで安定するのか。選挙の話が出てきたのは、本格的に景気悪くなる前にやっとくかということなんでしょうかね。