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さくら総合リートの紹介

平成最後の更新がさくら総合で良いのか。inzaiです、こんにちわ。年号の切り替えに思い入れはないけど、決定までのストーリーを知ると日本語ってほんと面白いよなと思います。先祖代々が積み上げてきたものを調べるだけで知的好奇心が満たされるってほんと楽しい国だし、歩けば歴史的遺産に当たる東京ってほんと恵まれている。

さて、4月26日付のJ-REIT分析ではサラッと流した3473さくら総合リートをもう少し掘り下げます。

まず、リート名からだとスポンサーが誰なのかさっぱり分かりませんが、ここのスポンサーはオーストラリアのファンド運用会社であるGalileoと東証一部上場の日本管財が50%ずつ(議決権は100%Galileoが保有)。

元々は両社が2006年にオーストラリアに上場させた日本特化型ファンドであるJapan Property Trustが母体で、Galileoが運用する他のファンド(米国商業リート)が上手く行かず売却するなどバタバタしている間に、リーマンショックが来て何もできないまま時間だけが経過し、2016年にオーストラリアでの非上場化とJ-REITとしての再出発を決定。2008年から2016年の間、物件売買はゼロという無作為ぶり。そういう意味ではJapan Property Trustが「母体」というかそのままオーストラリアから日本にスライドしてきたことになります。非上場化の過程でも、当初は株価が安すぎて色々難航してた気がしますが(株価を引き上げた皺寄せは全部さくら総合の投資口価格に反映されました)、もう資料が残ってないので正確なところは忘れてしまいました。

なお、上述のGalileoが運用していた米国商業リートはCentro Properties(今のVicinity)に売却された後、リーマンショックのクレジットクランチでブラックストーンに売却。リーマンショック前のオーストラリア勢の海外展開ぶりは凄かったですが、すっかり成りを潜めてしまっており、Vicinity含めて全員がNZ以外は海外展開しないって言うのでほんとトラウマなんでしょうね。最近はアジア勢の海外展開が激しいですが今後どうなることやら。

そんなこんなで今のGalileoはオーストラリアで住宅開発を手掛けるのみで日本事業はおろかファンドマネジメント事業さえやってない会社です。

一方、日本管財はそれほど有名ではないかもしれませんが、東証一部時価総額800億円強でビルメン、PM業を中心に不動産の全分野に進出しているプレーヤー。地味なイメージとは異なりオーストラリアのマンション管理事業は業界No.1でマーケットシェアを持ってます。かなり昔からオーストラリアに進出しておりその縁でGalileoと日本特化型ファンドを手掛けることになったとか。なお、日本管財のアセットマネジメントビジネスは東京キャピタルマネジメント(TCM)名義でリートの運用会社に出資しているのもTCMです。

なので、このリートは、金主はファンド事業もやってないGalileo、その他雑務は日本管財というフォーメーション。この時点でかなりアレな感じです。

ポートフォリオは18物件。総じて立地も築年も厳しいです。オフィスはオフィスエリアにはありますがエリアの端の物件が多く平均築年数は30年弱。稼働率ほぼ100%とアップサイドも限定的。商業はローカルの大型が占めており、人口動態は元より、ロードサイドの競合出店で状況が変わるような危うさ。例えば、岸和田のラパークは周辺一帯が一戸建てメインで人口密集度が低い上、大阪人の心の故郷とも言える岸和田競輪場に面しており、そこの展開次第。最近の大阪は、主要駅の駅前開発が進んでおり、都心に近い人気エリアの駅前マンションに人が集まる傾向があり、そんな中で一戸建て中心の岸和田が人気エリアになる日は遠そう。そもそも岸和田と言えばだんじり祭りのイメージをお持ちの方が多いでしょうけど、そのまんまの雰囲気です。住みたい街になる日は遠い。学生時代からラパークの餃子の王将に通ってた私が言うのですから間違いありません。他の商業も似た感じだと思われ。住宅はトーセイ並み。J-REIT初の工場は良く分かりません。テナント代替性は低そうですがなんとなく大丈夫そう。要はアップサイドが期待できないポートフォリオですよ、と。

そんな将来性が低く物件取得のトラックレコードも皆無な彼らが注目を浴びたのが2018年6月。複数の大規模物件から成るポートフォリオを取得するぜ!札幌の商業施設の売却代金もそれに充当するぜ!とびっくりコミットメント。そんなこと言ってる暇あれば取得のリリースを出せば良いのに、という投資家もいたとかいないとか噂がありますが、8月にさらにびっくりニュースで、やっぱり物件取得できないわ、札幌の売却益は分配するね、めんごとプレスリリースを発表。前代未聞。なにこれ、こんな自由なプレスリリースありなの?物件取得できそうって言ったけど物件名も業績のインパクト開示してないからセーフなの?フォワードコミットメントしてなかったのはある意味で幸い(フォワコミしてないから買えなかったのかもしれませんが)ですが、流れてしまった物件はあのリートが買ったらしい、とか、やはりLTVを無茶しようとしたんじゃないかとか(それ以外で流れる理由ないし)、そういうことを総合的に勘案すると、あの程度の物件を買う段取りもできないリートってのはちょっとしんどいなと。

あと自分のポートフォリオに運用会社が入居しているリートは基本的に信頼してません。

そんなさくら総合ですが、日本管財はまじめな人々なんでガリレオがいなくなれば化けるかもしれないし、ちゃんとバリュエーションさえ見ればそこまで怖くもないので私は嫌いではありません。

 

J-REIT分析 2019年4月26日

待望の10連休!皆様、如何お過ごしでしょうか?inzaiです、こんにちわ。読みたい本、映画がたくさんありますがとりあえず久々に「ちゃんと」J-REIT分析を更新します。初めましての方もずっとJ-REIT投資を続けてきた方にも意味のある内容を目指そうかなと。

8951 日本ビルファンド投資法人/分配金利回り2.94%
不動産業界の王者・三井不動産をスポンサーとするオフィス特化型REIT。通称NBF。2001年9月にJ-REIT第1号として上場し、現在では時価総額1兆円超えの日本最大のREITです。ちなみにJ-REIT第2号は三菱地所をスポンサーとする銘柄コード8952のジャパンリアルエステイト(JRE)で上場日は同じ9月10日。すなわち三井不動産と三菱地所の間で激しいJ-REIT第1号争いがあったのですが、両者の銘柄コードを見ても分かるように(三井不動産8801で三菱地所が8802)、証券業界の序列で言えば不動産の王者と言えば三井不動産です。業界の人にどっちで働きたいかと言えば100人が100人とも三菱地所と答えると思いますが、これは丸の内の地主で仕事がすこぶる楽だというだけで、日本の不動産業を牽引しているのは間違いなく三井不動産。三菱地所は丸の外のお仕事を見れば分かるように、あの人達、そんなに不動産に興味ないんじゃないかなあ。外壁だけはなんだかお洒落なものを作りますが、それ以外はつまらないことが多いです。

NBFのポートフォリオの資産規模は71物件/1兆1,289億円。50物件以上保有していて1物件あたりのサイズが100億円超えているREITはNBF、JREのみ。不動産は様々な業務を外注するため、規模のメリットが重要であり、この時点で王者・三井不動産が運用するREITであるNBFはREIT業界でも王者。そもそもNBFの業務をサポートするためだけの子会社もあるくらいですからね。三井不動産の全面バックアップを受けたNBFが王者じゃないわけがない。

投資する際に重要な分配金利回りは2.94%台。J-REITの平均が4%割れくらいなので結構低い。J-REIT指数を3年保有すれば12%のインカムゲインが得られますが、NBFで12%のインカムゲインもらうためには4年保有しなければなりません。大きな差がありますね。そもそも資産規模1.1兆円で時価総額1兆円てなんだよ。有利子負債3800億円弱、LTV40.8%なのにどういうことだよという話。それだけNBFが高く評価されているというわけですが、新規に投資するかは悩ましいところ。

さて、最近の状況ですが、投資口価格は絶好調。都心オフィス空室率が歴史的な低水準になる中で、NBFには海外勢から大きな資金が流れ込んでいます。そら実質的な空きがないわけですから賃料ガンガン上がっていくと思われても仕方がない。そんな期待に応えるがごとくオフィスREITの中でもダントツの分配金成長を見せた2019年6月期&12月期予想分配金の発表で、3月は他社を引き離し、行きつくところまで行ったなと思わせる投資口価格の上昇を見せました。実態は印象ほど好調ではないというか色々なロジックがあるのですが、大きくアウトパフォームしたのは事実です。素晴らしい動きでした。

このエクイティコストを活用してスポンサーから割高な物件をはめ込まれるとNBFであってもゴミ箱かと思われても仕方がないのですが、2008年のNBF南青山の反省があるのか(取得価格310億円で、現在の鑑定価格200億円ですからね!これだけ不動産価格が割高と言われる市況でですよ!)、控えめで説明のつく資産入替を少ししているだけで目立った動きなし。リーマンショック後の不況期にソニー本社ビルや三菱重工品川ビルを外部から取得しているので、今後も王者として堂々と逆張りしてほしいところ。本当の意味でNBFがどうなっていくのかは、NBF日比谷ビルが再開発後にこちらに戻ってくるかに注目してます。大手町のJFEビルはNBFが三井不動産に売却した後、三井住友銀行本店になってしまい戻ってこなかったので、美味しいところだけ持っていかれたなあという印象。

8952 ジャパンリアルエステイト投資法人/分配金利回り3.12%
丸の内の地主、三菱地所をスポンサーとするオフィス特化型REITです。直系REITだけにさぞかしピカピカの物件を保有していると思わせといて全然そんなことありません。丸の内の三菱信託本店ビル、築浅の大手町フィナンシャルシティ ノースタワー、築古の有楽町電気ビルヂングもあるっちゃありますが、部分的な保有に留まっており、主要物件は汐留、新宿、赤坂、九段下などの丸の外。しかも微妙な立地のところも多いです。あと、NBFに比べると10億円~40億円のビルも多く、しかも、丸の外では三菱の神通力も効かないので、稼働率も賃料水準も不安定。

NBFがあまりに動かない間、2010年あたりにSクラスビルである汐留ビルディングを積極的に買い始め、JREのポートフォリオはいずれピカピカになるんじゃない?という期待感からNBFの投資口価格を上回って推移していた時期もありました。しかし、その後は安定の三菱地所に戻り、築古の赤坂パークビルや仙台のAERを高値で買い始めたあたりか期待感が剥がれ始め、今ではNBFの投資口価格を10万ほど下回って推移する有様。

JREの投資行動からは三菱地所グループのREITとしてこうしたいという強い意志は感じられず、何だか評価されてないから少し大手町のビルを売ってみるか、とか、他のプレイヤーがこんな動きしているから何かやるか、というフワッとしたものに終始してるイメージ。そもそも三菱グループの4男坊とか言われていても、2番手グループの扱いなんでまあそんなもの。最大手の一角なのに不動産業として何かを突き詰めたいとか、利益伸ばしたいから頑張るとかそういうの一切感じたことないです。それは三菱地所の株価にも表れていて、毎年のように株主還元が問題と言われつつも何もしない。そんなスポンサーから投資家フレンドリーのREITが生まれるはずもなく。

2019年1月に取得したビルなんて17億円の新潟のオフィスビルですからね。物件入替で売却益を計上したりすれば良いのに、やる気なんてかけらも感じられない。それでも稼働率は高いですし、安定しているし、良いところだけ見れば素晴らしいREITなんでそれなりに評価されているけど、あくまでNBFの評価がありきで、NBFが上がったらJREもついでに買うかというケースが大半なのではないか。

8953 日本リテールファンド投資法人 /分配金利回り4.16%
三菱商事系の商業施設特化型REITです。色々とややこしい話があり、まず、三菱商事系のREITは他に、物流・産業特化型REITの産業ファンドとオフィス特化型REITのMCUBS MidCity、あとDREAMが運用する私募REITがあります。日本リテールファンドと産業ファンドは運用会社が同じ、他2本はそれぞれ別の運用会社がおります。そして日本リテールファンドの運用会社の名前はMCUBS、三菱コーポレーションのMCと金融大手であるスイスのUBSの2つの名称をくっつけたものですが、UBSはほとんど絡んでません。5年くらい前に転職の打診を受けたことがありますが、その時は数人がリサーチ部門に出向している程度でした。UBSはグローバルに不動産ビジネスを展開しているのですが、J-REITにはまったく関わってないと思ってて問題ないです。

従って、日本リテールファンドは三菱商事のDNAを強く引き継いでおり、その結果、すごく雑に不動産を取得します。そりゃ商事は世界中を回ってジャパンマネーで案件発掘してたんだろうけど、そのノリでそこまでやる?

最近は大型リノベーション→売上アップで賃料アップを狙ってますが、うまくいったのは最初の数回で苦戦中。人も辞めてるしどうなることやら。

 

とここまで書いたところですいません、この分量で最後まで行くのは厳しいです。1銘柄1時間だと60時間超、1日12時間使ってもGW半分終わってしまいます。。。メリハリを付けていきます。

8954 オリックス不動産投資法人/分配金利回り 3.65%
上手く地方物件を捌きつつコア事業の強化を進めてます。まあ買った当時からケチョンケチョンに言われたいた地方物件なのでマイナスがゼロになった程度なんですけどね。と悪口から入りましたけど、社内の体制はトップダウンとボトムアップの統制がしっかりしてます。亀本社長はほんとすごいわ。

ポートフォリオは全方位の物件取得してる割りにはリーシングも頑張っており、良いリートだと素直に思う。バリュエーションもたまに割安に売られますがここ数年はしっかり評価されている。肝心のスポンサーが不動産ビジネスと距離を置いているのでこれから先はこの温い市況がどこまで続くかでサポートも切れてしまう(スポンサーはそんなんどうでも良いから早く全部買えと思ってそうだが)。もちろんクラッシュ来たら逆張りするんでしょうけど余力ある人多いからそうは上手くいかないと思われ。

8955 日本プライムリアルティ投資法人 /分配金利回り3.32%
東京建物系のオフィスと商業のリート。クオリティは(良い意味で)永遠の2番手。それだけにここでの賃料上昇には期待されていたものの、思ったより伸びないのが苦しいところ。リーマン後の推移見ると案外リーシング頑張ってましたね。これから東京建物の悲願である八重洲の再開発が本格化するので、スポンサーとの協働も積極的なものになるはず。10年前は不動産業の収入ランキング1位だったその底力を見せてほしいものです。

8956 プレミア投資法人 /分配金利回り4.06%
社長が出向する度に投資口価格が上がり、数年すると社長から生気が消え、投資口価格も下落するリート。とてもNTTらしい。オフィスと住宅のミックスからしてこのマーケット環境ならブイブイ言わせてくれそうですがこれがどうにも波に乗り切れない。それでも、ここ1年のパフォーマンスは目を見張るものがあります。ってか、そこそこの物件持ってれば誰でも上手くいくマーケットという評価ですからね。そこは勘違いしないようにしたい(自戒)。長い目線についてはとりあえずNTT都市開発の中計待ちで、それが出るまでは何も言えないらしいです。

8957 東急リアル・エステート投資法人 /分配金利回り3.33%
スポンサーは東急不動産、ではなく東急電鉄だけども東急不動産と協働の契約もありなんだかややこしい。商業施設のクオリティは高く、渋谷のスクランブルに面したツタヤも当リートが保有してます。すごい。あとオフィスも悪くない。東急電鉄はこれからお金要るのでリートと協働することが増えそうです。サーフプランはまあアレな感じでしたけど、最近は番町の取得や宮益坂の売却はかなり深いところでちゃんとコミュニケーション取れている気がします。

8958 グローバル・ワン不動産投資法人 /分配金利回り3.63%
昔は山内社長というワンマン経営者の拘りが強く外部成長できなかったのですが、引退された後は明治安田中心にぼちぼちやってます。東急不動産が退去した後のTK南青山も後継テナントが決まり懸念は(誰も心配してなかったけど)払拭。台場を取得は賛否両論ですが、天王洲よりはマシかなと。その他の物件は心配なし。保有物件も少ないので透明性の高いピュアなオフィスリート。投資家の分析力が問われる嫌な存在です。

8960 ユナイテッド・アーバン投資法人 /分配金利回り3.91%
丸紅系の総合型リート。リーマン後にガンガン物件を取得して成長してきましたが、築古物件の高利回りが多かったせいもあり、これから修繕費が嵩む懸念があるのか投資口価格は伸び悩み。さらにここ数年、外部成長の質がいまいちで小倉なんて買ってればそらそうだよなと。難しい物件をしっかりオペレーションできるのか注目されてますが、これは当リートに限らず外部成長で伸びてきたすべてのリートに共通する課題。たぶん2/3のリートは上手く行かずPLヒットさせると思います。

8961 森トラスト総合リート投資法人 /分配金利回り4.35%
森トラストがホテルにご執心であまりこっちに興味ないのが辛いところ。テナントの分散が効いてないので年に一回くらい爆弾が弾けて苦労してます。持ってる物件は良いのにね。

8963 インヴィンシブル投資法人 /分配金利回り5.79%
ソフトバンク系のホテルリート。投資家に優しかったり厳しかったりDV男かよと。グロース重視を標榜して足元で投資口価格が急上昇なので嫌な予感しかしません。

8964 フロンティア不動産投資法人 /分配金利回り4.54%
三井不動産系の商業リート。物流リートの人に「フロンティアの失敗は繰り返さない」と言われるのはどうかと思うけど、良い物件が多いだけに資産入替が難しいというのは悩み。どうしてもアップサイドが限られてしまう。やっとパピヨンも再開発も始まり、これぞ三井不動産と言う施策を続けてほしい。利回りとのバランスでは一番魅力的だと思う。

8966 平和不動産リート投資法人 /分配金利回り3.82%
全然やる気なかったのに中期的な目標を掲げるなど、スポンサー含めて体制が整ってきました。やりようはいくらでもあるポートフォリオ&負ののれんと恵まれているので、今後の成長がとても楽しみ、という投資口価格推移になってます。オフィスのサイクルが下向きになったら抵抗は難しそうだけどポートフォリオの半分以上が住宅なので何気にストレスにも強い。

8967 日本ロジスティクスファンド投資法人 /分配金利回り3.96%
三井物産の物流リート。禁断の自己投資口買いに手を出してしまい、もう止められない模様。
8968 福岡リート投資法人 /分配金利回り4.27%
オール九州がスポンサーに顔を並べた九州特化型リート。安定性は抜群なのでこの未曽有の地方オフィス好況期にどんなパフォーマンスを伸ばせるか。投資方針を変更し、商業↓オフィス↑その他↑、その他はたぶんホテル。内部成長と外部成長のバランス良いけど、今後は福岡でオフィスの開発も進むし(もうちょっと先だけど)、どんな成長ストーリーが綺麗やろか。九州特化型で成長ストーリーを語られる時期が来るなんてなあ。

8972 ケネディクス・オフィス投資法人 /分配金利回り3.57%
ザ・Bクラスオフィス。と言っても他のBクラスよりもしっかりしてるので、2番手オフィスの中ではトップ銘柄なのは間違いありません。4月決算でどこまで伸ばしてくるか注目されてます。

8975 いちごオフィスリート投資法人 /分配金利回り4.19%
いちご系のオフィスリート(そのまんま)。何気に17期連続の増配!ポートフォリオのクオリティは低いけどこの2年はそれが幸いして一気に投資口価格が上昇してきました。いちごオフィスがこんな利回りになるなんてとても感慨深い…こんなに評価されたところで良い物件を買えるはずもないので本人たちが一番戸惑ってると思います。富山のオフィスを売却したりできることはやってます。ただマーケットのオフィス空室率が上昇し始めると彼らにはどうにもできないでしょうね…

8976 大和証券オフィス投資法人 /分配金利回り3.29%
毎回同じこと書いてますがダヴィンチ買収からここまでの立て直しはお見事。そして、マインズタワーの売却もお見事。もちろんグラスシティ晴海はすごい値段ですごいもん買ったなと思いますが、何とかしてくれるのでしょう。オフィス賃料を一番素直に取り込めそうなオフィスリート。

8977 阪急リート投資法人/分配金利回り4.22%
阪急がスポンサーなので関西特化と思いきやそうでもなく、思い出したように青山、天王洲、名古屋、神保町の物件を取得して投資家を困惑させるリート。関西の物件はグランフロントを始めさすがの取得を見せてくれるのですが、なぜわざわざ東京で痛い目に会おうとするのか。長い目で見ると東京に足場を築かねばならないので必要なのは分かるし、とりあえず立地重視で買えば天王洲みたいな失敗なないだろうし、取得機会も増えるという判断は理解できるだけに、方向の迷いが歯がゆい。

8979 スターツプロシード投資法人 /分配金利回り5.15%
地味ではあるけど地域密着、技術もしっかり持ってるなスターツがスポンサーの住宅リート。やる気次第ではどうにでも成長できたと思うのですが、頑なに自分のやり方を変えませんでした。自己投資口買いを発表して大きく上昇したものの、あっという間に予算を使い切ってしまったので、投資口もほぼ元通り。まあ、自己投資口買いをダラダラしても行動を制約されるだけなので、こういう判断も悪くないという考えもあるのでしょうけど、マーケットに関係なく買い切って終わりというのはある意味で資本市場に興味がないことの表れでありどうなのかなーと思います。

8984 大和ハウスリート投資法人 /分配金利回り4.14%
大和ハウス系の住宅&物流リート。スポンサーがビジネスを大きく広げたので今後はオフィスを含めて総合型を目指すとのこと。

4月まで、スポンサーが多額の先行投資&不祥事続きで苦戦しているせいか、リートに落ちてくる物件も何だかなあと言うのが増えてきたのと、長期契約なのは分かるけどIRがやや手抜き気味になってきたので投資口価格が低迷してました。最近はやっと持ち直してきたけど、この評価はとても不本意でしょうね。物件第一と言えども投資家にも感情があるわけでなんとも言えません。のリートはこんなことばっかり繰り返している気がします。

8985 ジャパン・ホテル・リート投資法人 /分配金利回り4.07%
独立系のホテルリート。宿泊特化と言うよりは、もうちょっと高級なシティホテルがメインなので、昨今の宿泊特化型ホテルの大量供給とは一線を画している、と思いたいけど、そこに明確な一線があるわけではないので、高級ビジネスホテルが引きずられるとこちらもダメージを受けます。ここまでは上手く運営できているけど長期化したらどうやろか。

あと、このタイミングでお台場のホテルに大金を突っ込んだのは、「お金出して買えるもんじゃないので買えるときに買っとけ」を是とする私でも、買わなくていいのではないかあと、ちょっと心配。

8986 日本賃貸住宅投資法人 /分配金利回り4.54%
2015年にスポンサーである米系ファンドのオークツリーが大和証券に持分を売却した後も、渋いポートフォリオながら独立系の住宅リートとして確固たる地位を築いてるように見えたのですが、昨年に社長も代わりすっかり大和証券一色になってしまいました。ちょっと残念です。とは言え、今後、サムティレジや日本ヘルスケアとどのように協働するのか楽しみですし、最近もしっかり資産入替やってくれているので何の心配もいらないと思ってます。
8987 ジャパンエクセレント投資法人 /分配金利回り3.54%
社名変更した直後に社員が8億円のキックバック受領で逮捕されたあの日鉄興和がスポンサーのオフィスリート。元々は興和不動産→新日鉄興和不動産→日鉄興和なので数あるみずほ系の1社です。かつては、みずほ系運用会社のIT部長が何故かジャパンエクセレントのIR担当になってた時期もあり、そんな扱いなのか―と愕然とした記憶があります。マイナースポンサーの第一生命もちょくちょく顔出しているので、ピュアみずほではないですが、そこそこうまく立ち回っているのでしょう。最近は不動産に詳しい人が経営に携わっているようで少しずつマシになってきます。

元々、全体的に立地は良いものの、そこそこの築古の物件と割高な築浅物件で何とも言えないポートフォリオだったのですが、資産入替で築古の物件も減ってきました。2018年は広島と横浜の築古ビルを買わされましたが、海老名の物件との入替なので悪くない。大型テナントとの賃料更改で所々凸凹があってヒヤッとすることも多く、分配金の伸びが鈍いのも気になりますが、その分、低位安定成長を見せてくれると期待してます。

3226 日本アコモデーションファンド投資法人 /分配金利回り3.43%
三井不動産系の住宅リート。最近は物件取得も控えめで特にコメントないです。社員は楽そう。

3227 MCUBS MidCity投資法人 /分配金利回り4.49%
スポンサーが三菱商事に代わってから無茶しやがって、、、というディールを繰り返してきたけど何とかここまで来ました。京橋の物件を売却したのはリスク管理の面からは良かった。このタイミングで焦る必要はなかったという声もありますがそれはちょっと無責任すぎる。今しか売れない物件でしょうに。物件ない中で今後どうするかは悩ましいところ。
3234 森ヒルズリート投資法人 /分配金利回り3.83%
ポートフォリオのクオリティはピカピカ、スポンサーとの協働関係もWin-Win。賃料の大半が森ビルのマスターリースなのでアップサイドないのが嫌われてますが、今のオフィス市況だとダウンサイドがほぼゼロなのにアップサイドが大きいという利点が大きいはず。森ビルが非上場なのでどこまで本気か分からないのはディスカウント要因というのは分かるけどそれ言ったらキリがない。

3249 産業ファンド投資法人 /分配金利回り4.64%
三菱商事系のリートなのにあんまりその恩恵が感じられない物流リート。もっとテナントをがっちり掴んだCREを見せられそうなのに、そこまで仲が良いテナントがいないのかやはり俺様なのか。物流がイケイケだったときはそれなりにだったのにあまりに人が辞めていくのでこんな利回りになってしまいました。これでもかなり持ち直した方なんですよ。

3269 アドバンス・レジデンス投資法人 /分配金利回り3.47%
住宅リート最大手。リートはその属性からどうしても受け身がちなんですが、あえて一線を画そうと色々やってるところが一番好き。不動産価格が高すぎるから静かにしているところも好き。負ののれんで分配金が嵩上げさてるのが悩ましいところ。安定性抜群なのでそれくらいは目を瞑りたい。
3278 ケネディクス・レジデンシャル投資法人 /分配金利回り4.37%
住宅&ヘルスケアのリート。この両者にそれほどシナジーあるとは思えないけど世間ではそれが常識になってます。元々は住宅特化型だったのですが、ヘルスケアリート合併してから、投資口価格面では競合に置いて行かれた感が強い。持ってる物件としては、日本賃貸住宅寄りなんでこんなもんと言われるとこんなもんかもしれないですが、ケネディクスらしさがあんまりない印象。もっとがつがつ売ろうぜ!

3279 アクティビア・プロパティーズ投資法人/分配金利回り 4.26%
東急不動産のオフィス&商業リート。一時は我が世の春状態だったもののお台場買った後に、銀座の底地を高値で買うという投資家軽視かつ一貫性のない取得で本格的に見放された感じ。オフィスも保有しているし出遅れ感も本格化してきたのでそろそろ見直されても不思議ではない。

3281 GLP投資法人 /分配金利回り4.44%
懸案だったLTVはやや低下傾向。資産規模も大きいしネガティブ要素減ってるけど、どうにもスポンサーのGLPが落ち着きません。非上場化してから一層暴れん坊になったのではないか。リートの業績は安定しているのでまだ心配はいらないかな。

3282 コンフォリア・レジデンシャル投資法人 /分配金利回り3.45%
いまや押しも押されぬ立派な住宅リート。開発運営のバランス良し。

3283 日本プロロジスリート投資法人 /分配金利回り3.70%
最大手の物流リート。ド安定。それ以外はコメントないです。
3287 星野リゾート・リート投資法人 /分配金利回り4.79%
いつの間にか60物件を超え、星野リゾートらしさはすっかり失われてしまったのではないか。普通のホテルでも「らしさ」あるのかな。後発組らしい豪快なリスクの取り方はさすがとしか言いようがない。

3290 Oneリート投資法人 /分配金利回り5.00%
みずほ系のREITというかみずほ信託系のREITというべきか。リーシング力に不安のあるREITがリーシング力を必要とする物件ポートフォリオを持つというのは怖いものです。バリュエーションのバランスはそれほど悪くないというか、この辺の3流リートのP/NAV倍率は1.1倍超えるのは難しそうですね。

3292 イオンリート投資法人 /分配金利回り4.47%
テナントはイオンだけで構成されてるので、イオンのクレジットリスク100%。それなんて社債?という感じですが、足元でジリジリ買われてます。大型物件ばっかり買ってましたが、これからは投資口価格に留意しつつ都心物件も視野にという投資家フレンドリーな姿勢が評価されてます。素直に信じていいのかは分かりません。ピカールのクロワッサン、カフェオレにすごく合うよね。

3295 ヒューリックリート投資法人 /分配金利回り3.75%
最近は投資家を馬鹿したゴミ箱ディールが続いており投資口価格は軟調。ちょっと心を入れ替えるようなことを言ってますがどうなんでしょう。築古物件があるのは構わないのだけど、そのウェイトが大きいのとテナント属性がいまいちなのよねー。良いところだけを見るとピカピカだったのにずいぶんとくすんでしまった感が強い。

3296 日本リート投資法人 /分配金利回り4.38%
双日系の総合型リート。何もないところからよくここまで成長したなと思います。関係者にフィーを払いまくればこんなことも可能なのね。勉強になりました。時代の流れに乗ったREITとして彼らのことは忘れない。ってかまだ突っ張ってますがもうそろそろ守りに入っても良いんじゃないかな。要らない物件たくさんあるでしょうに。

3298 インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人/分配金利回り 4.76%
ファンド系らしくアクイジに苦しんでるのがひしひしと伝わってきますが、それでも物件入替を活用して投資口価格をジリジリ上げてきました。今は何もしない方が評価される地合なんで当面はこんな感じかと。

3308 日本ヘルスケア投資法人 /分配金利回り4.91%
大和証券系のヘルスケアリート。最近は人事以外は動きないです。
3309 積水ハウス・リート投資法人 /分配金利回り3.89%
積水ハウスが力技で物件をぶち込んでくるREIT。いつかマスターリースは外すと言ってる以上、そのリスクを取らねばならないのだけど、そのリスクが大きすぎる気がしてしょうがない。分配金を下げるようなことはしないと思ってるし、きっちり物件入替もやってくれてるのでたぶん大丈夫なんだろうと信じてる。

3451 トーセイ・リート投資法人/分配金利回り 6.33%
いぶし銀というには地味すぎるけど、小型REITとして完全に我が道を進んでいるREIT。上場REITの中では誰とも被らないところで勝負してるので見てて冷や冷や感がすごい。あと4回くらい公募増資すればスポンサーの時価総額を余裕で追い抜けます。何か変わらないかな。

3453 ケネディクス商業リート投資法人 /分配金利回り4.75%
生活密着型商業施設に注力してる商業REIT。今後は小型の物流施設も取得すると発表したら投資口価格が上昇してきました。個人的には大好きなREITの一つですが、評価されてなかった理由も最近になって評価されてきた理由も良く分かりません。自分の考えとマーケットの認識がズレてるなーと思う。

3455 ヘルスケア&メディカル投資法人/分配金利回り 6.03%
三井住友銀行系列のヘルスケア。頑張ってるとは思うけど頭使ってる感はない。とても金融機関らしいREITです。千里のシップを取得したのは凄いとは思うけど最初からできなかったのかな。インフラファンド買うならこっちのがリスクは低いと思えるようにはなってきた。

3459 サムティ・レジデンシャル投資法人/分配金利回り 6.31%
いまや大和証券グループ入りしたサムティ系列REIT。住宅がメインで安定しているはずなのにこの利回り。大阪銘柄はほんと嫌われやすい。同じ大和証券系の日本賃貸住宅と日本ヘルスケアとの合併は避けられないという見方が大半ですが、大和証券の投資銀行業務はお察しなのでなかなか話が進んでないのかもしれません。

3462 野村不動産マスターファンド投資法人 /分配金利回り3.94%
野村不動産をスポンサーとする総合型REIT。図体は大きくて安定性も高いのだけど、もっと安定成長で魅力的な銘柄があると思われがちでバリュエーションは伸び悩み。最低年間2%の配当成長を目指しつつも何気に4%近くの数字を達成しており投資口価格は上昇傾向。オフィスと住宅のクオリティは褒められたものではないが、要らないものは売却しつつ、スポンサーのパイプラインから築浅物件を継続的に取得する計画。最初からやってよと思わなくはないけど、競合の不動産会社がアベノミクスで国内のブレーキを踏んだのとは対照的なスタンスが功を奏した、と判断して良いかは分からない。ダウンサイドには弱いだろうなあ。

3463 いちごホテルリート投資法人/分配金利回り 4.90%
上場のファンド運用会社いちごグループの宿泊施設特化型REIT。京都のウェイトがお高めだったのでかなり厳しめな投資口価格推移に。ADRはかなり行き着いてしまってるのでこれから稼働率が下がるかもしれないと思うとかなり恐怖。現状維持してくれれば御の字かな。消費税増税後の冷え込みがどこまで大きいか。

3466 ラサールロジポート投資法人 /分配金利回り4.96%
米ラサール系のはずだが、IPO時は彼らのインテリジェントなところが皆無でびっくりしたREIT。そもそも昔にラサールジャパン投資法人というのがあったけど、何もできないまま日本リテールファンドに吸収されてしまったし、私募ファンドもすごく攻めた運用するので、彼らには安定性という概念がないのだと思う。でも最近はやっと「らしさ」も出てきて投資口価格も絶好調。見た目以上にレバレッジ効かせているのは懸念だけど、稼働率低い物件を取得したのは評価してる。こういうリスクはREITならではなのでもっと取っても良いと思う。

3468 スターアジア不動産投資法人/分配金利回り 5.79%
ピュアなファンド系REIT。すなわちスポンサーがファンド運用会社であるため余力というものはなく、常に全力で走り続けるREIT。IPO直後から物件売却始めた時は何で上場してんと思ったけど時代が味方した(よく言えば流れを読み切ったとも言えるけど)。マーケットに逆風が吹き始めたらどうするつもりなんやろか。ちなみにYOUTUBE公式チャンネルもあります。

3470 マリモ地方創生リート投資法人 /分配金利回り5.98%
マリモってあのマリモ?そうです、あの北海道のマリモです。スポンサーは広島のデベロッパーでなんで北海道と関係ないけどじっくり成長させていきたいとのことでマリモ。地方創生で田舎の商業もありますが実質的な住宅REITということもあり安定性〇。投資口価格もジリジリ上昇してます。一般受けしないけどきっちりした目利きで定期的にファイナンスしている姿はすごく立派。小粒な物件を買っても成長ストーリーを描ける経営方針は好み。とは言え、当ブログは、IPO後のマリモの投資口価格の下落にビビった過去があるので、バイアスがかかってるかもしれません。

3471 三井不動産ロジスティクスパーク投資法人 /分配金利回り3.65%
天下の三井不動産がスポンサーの物流特化型REIT。商業も強いのでテナント丸抱えできるところが強み。フロンティアの失敗は繰り返さないと意気込んでいた割にはやや辛めの取得目線が嫌気され投資口価格は一時危うかったけどしっかり戻してきた。やっぱり気まぐれな株式市場の価格なんて当てにならんということですな。中長期的な計画に従ってしっかり成長ストーリー実現させている。さすがの安心感。

3472 大江戸温泉リート投資法人 /分配金利回り5.46%
名前の通り、大江戸温泉のリートです。と言っても、REITに入ってるのはまだ全体の半分くらい。PEのベインが取得・リノベーションしたものを取得していってるのですが、実質的な賃料減額などもあり、今の投資口価格では取得ペースが上がらない。ベインとの消耗戦になってきた感もあり。いっそのこと投げ売り価格でこっちに入ってこないかな。そういうのがない限り、あの賃料更改で投資家の信頼を失ってしまったので回復には数年かかる。

3473 さくら総合リート投資法人/分配金利回り 5.77%
オーストラリアの日本特化型リートが紆余曲折の後にJ-REITとして上場。中身はお察し。金融機関にも見放された感あるけどどうやろ。流れたファイナンスはやらない方が良かったと思うけど、一か八かというのも面白かったのではないかな。この辺りの利回り5%台後半は悩ましい。6.5%なら怖くないけど微妙なところだけどNBFの2倍の利回りと言われると悪くもない。

3476 投資法人みらい/分配金利回り5.83%
三井物産がスポンサーの総合型リート。物流特化型の日本ロジスティクスとスポンサーが同じですが住み分けがちょっと不透明。当初は物産内の所管部門が違うからという理由でしたが、今は統合しつつあるんだっけ?連携しているイデラがアレな感じな割には自力で頑張ってるけど物件がアレでは辛い。タカラレーベンくらい吹っ切れてほしい。

3478 森トラスト・ホテルリート投資法人/分配金利回り4.61%
4物件のポートフォリオでいつまで走るのか。大塚家具の姫さん見ていると森トラの跡継ぎも怖いのよなあ。シクリカルなホテルにガンガン突っ込んでいて良いのだろうか。安定収益物件のマージン見ながらかじ取りしてるなら良いけど、そこら辺は良く分からない。人を話をまったく聞かないという噂は多い。

3481 三菱地所物流リート投資法人 /分配金利回り4.28%
三菱地所を冠にした初のJ-REIT!と鳴り物入りでしたが、そもそも三菱地所のオペレーションなんで誰も評価してないのでぶっちゃけアピールポイントじゃなかった。本人達だけが気付かないという悲劇。社長が完全にサラリーマンだからなあ。投資口価格の乱高下で疲れてる模様。自己投資口買いやるって言うしかない雰囲気だけどLTV27%でやる必要ないよね。利回り目線維持したまま物件買えば評価されると思うんだけど自信はない。

3487 CREロジスティクスファンド投資法人 /分配金利回り5.19%
上場の物流施設運営会社CREをがスポンサーの物流特化型リート。契約はガッチリしているから短期のリスクは皆無。でも成長ストーリーを作るには知名度不足。欲張らずIPOレベルのファイナンスで十分なんだけど、LTVを引き下げたいと言ってる以上、もっと投資口価格が上がらないときついはず。難しいかじ取りを迫られている。

3488 ザイマックス・リート投資法人 /分配金利回り4.92%
地味だけど不動産は安ければ問題ないという基本を忠実に再現したREIT。最初にIPO見た時は衝撃でした。そうだよ!こういうバラエティが欲しいんだよと!からくさホテルがどうなるか(何気にザイマックス色を薄めるアピールが多いのが気になる)。とりあえず上手く運用できている。最近小型銘柄は次のファイナンスをどうするかだけがポイント。ここで滑ると苦しいし、マーケットはみんな滑ってくれと思っている。

3492 タカラレーベン不動産投資法人 /分配金利回り6.49%
久々にゴミ箱としか言えないポートフォリオのリートだったけどこの利回りなら悪くないと思う。PAGからはもうそんなにゴミが流れてこないだろうから後はヤマダ電機の都心型物件を4%で買うとかご乱心にならなければハイリスクハイリターン(高利回り)の定番銘柄になるのではないか。

3493 伊藤忠アドバンス・ロジスティクス投資法人/分配金利回り 4.57%
素っ高値でIPOしてダダ滑り。なんで欲張ってしまったのか。しかし、その後に伊藤忠グループとの一体感と自己投資口買いのアピールに成功して何とか持ち直し。ひどい1年だったけど物流REITに追い風が吹き始めているので、今後はそこそこ大丈夫ではないか。ファイナンスするとやばいかもしれないので注意ではある。

2971 エスコンジャパンリート投資法人/分配金利回り 6.15%
ポートフォリオの過半(物件数ベース)が底地という攻めたREIT。日本エスコンが中部電力グループ入りしたシナジーがどこで実現するか。目立たないところでひっそり上手くやってて嫌いないけど、大阪銘柄はいつも評価低いので、そこは保守的に見ておかないといけない。6%は良い水準と思うけど。

2972 サンケイリアルエステート投資法人 /分配金利回り4.02%
2月に上場してから絶好調。好立地のオフィスにフジサンケイグループの完全バックアップで高い評価を受けております。サンケイビルの生え抜きと大手不動産出身(オリックス不動産と住友不動産)が上手く噛み合っている。このまま、森ヒルズリートみたいに協働関係気付いてくれると嬉しいけど、そこまで甘くない気もする。

現物不動産投資とREIT投資のどちらが良いか(Twitterまとめ)

今年のヤクルトは一味も二味も違いますね、inzaiです。試合前の打撃練習だけでもテンションがだだ上がりです。山田、バレ、エイオキ、そして村上!

何かと議論になる本日のタイトル。Twitterで少し盛り上がっていたのでこれ幸いにまとめてみました。現物不動産投資否定論者=REITの方がマシじゃね、という呟きは多いのですが、REITを否定して現物不動産投資を薦める人が思いの他少なく、なんともバランスの悪いまとめに。もっと公平感を出したかったのですが、良くも悪くも不動産投資推しの垢は、不動産投資がNo.1!迷うことなく不動産!というノリなのでやむかたなしか。

もちろんTwitterで多い意見が正しいとは限りませんし、不動産投資で不労所得を得ている人を何人も知ってる一方、なぜ銀行が(ほぼ個人向けの)債権回収専門の子会社を抱えているかと言うと、それだけ不動産担保融資で息詰まる人が多いからで、どこまでいっても現物不動産投資は事業なんだなあと。

この二つが両立しないわけではなく、REITのファンドマネージャーやアナリストでもレバレッジ効かせて現物不動産やってる人は少なくないです。特に外資系はクビになったら退職金も年金も次の職も確保されてないわけで保険代わり、と言うか、そもそもあの方達そのものが個人事業主みたいなもんなので、事業の分散という観点ですかね。そういう意味で参考になりそうなサラリーマン系の方の借金はせいぜい1億円~2億円で「分散が不十分なので退去されるとダメージが大きいけど売ろうと思えば売れるものをやってるけど、最近は買えない」という方が多い印象。

そういった株式のプロでかつ投資現物不動産投資もやってる方が口を揃えるのが「とにかく最初の1件、2件で失敗しないこと」。「失敗」とは不動産事業が費用持ち出しになり、借金が返せなくなることですね。買った後にテナントが退去して、支払利息と管理費が持ち出しになり、借金を返すために物件を売っても借金額に満たなければ終わりです。

初めてであってもきっちり種銭を用意できれば業者の信用がなくても取得機会は増えますし、最初さえ乗り切ればレバレッジも使いやすくなるとのこと。最初からフルレバだと空室リスクが大きすぎるので業者の固定型MLに限られるし、何よりこの現物不動産素っ高値の時期だと、業者の言い値で買おうものならまず売却損が出ます。そもそもレバレッジかけて倍々ゲームできる世界で、わざわざ初心者に物件回ってきませんからね。初心者は、上流の方々が「要らんわ」と判断したリスクが高いものしか買えないので、「とにかく最初の1件、2件で失敗しないこと」とはそういう意味です。

と言うことは、いま無理して買っとけば、これから不動産市場が軟調になった時に自分も出物が買えるんじゃ?と無駄にポジティブになったりもするのですが、それはみんな考えているし、そこで出物になるのは自分自身である可能性の方が高い。なんせ2009年から10年間、いくらでも不動産投資の機会があったのにやらなかった程度の才覚しかもってないわけですからね!

では、現物不動産が難しい時期なのは分かった。ではREITはいつ始めても良いかと言われると難しいところで、この水準てのは決して美味しい水準ではないけども、それでも素寒貧になる可能性はとても低いので、勉強しながらやる時期としては悪くないかなあと。J-REITの利回り10%台がゴロゴロしてたリーマンショックの時期と比べても意味はないですけど、2012年ですら、大和ハウスリートのIPOでさえ分配金利回りは6%超えていたし、ジャパンホテルリートだってインバウンドの兆候出ていたけど投資口価格2万円(現在は8.8万円で利回りは4.15%)。J-REITは有り金全額突っ込んで借金を背負うことはないですけど、4%の利回りのためにそこまで行くかと言われると悩ましい。

ちなみに公平感のために説明しておくと、前述の外資系の方は2011年あたりから初めて、借金10億円、グロス8%とのことなので、少なくとも年3500万円くらいはインカムあると思います。方やREIT投資(ジャパンホテルリート)でボーナスを追加投資していくだけだと、2012年500万円(現在利回り18%)、2013年100万円(利回り9.5%)、2014年100万円(6.5%)、2015年以降は100万円(4.2%)で、分配金はすべて再投資したとしても、インカムは年160万円に留まります。比較衡量のためには、ここから税金、将来の修繕費、空室リスク、流動性などなど多くのファクターを考慮する必要がありますが、トラブルの心労等をどう考えるかは人それぞれ。Twitterでの現物不動産やめとけREITにしとけと言ってる方も、結局は現物不動産投資を続けているわけですからね。

なお、間違いなく言えるのは、個人がJ-REITの公募投信を買う必要はまったくないと言うこと。最大手のJ-REIT投信のJ-REITリサーチオープンのコスト(8ページ目)は、購入時2.7%、解約時0.3%、信託報酬1.08%です。これで分配金利回り2.9%の日本ビルファンド(NBF)とか買ってるんですよ!仮に購入手数料かからなくても、2.9%のNBFを買うために1.08%の投信買って(部分的にしても)利ザヤ1.8%とか正気の沙汰とは思えない。タカラレーベンリートを9.3万円で買えば利回り7%弱なので4倍近くのリターンが出ます。利回り商品の投資ってのはどこまで行ってもインカムリターンによる元本回収の蓋然性の高さを競うゲームなので、投信を買う選択はないよなあと。

もちろんNBFにはなくてタカラレーベンリートにあるリスク要因も沢山ありますので、両者が同じリスクでリターンが違うというつもりはありません。

GW前に難しい局面に

ここで消費税延期とかすごいな。inzaiです、こんばんわ。まあ、前2回の消費税導入時の混乱を受けて、小売も多様なシナリオを想定しているようですし、そんなに混乱はなさそうだけど、さすがに延期は想定外ではないか。外部環境を考えると日本経済は今後3年ほど常に下方圧力に晒され続けそうなだけに気持ちは分かりますけどね。

J-REITは何とも言えない動きです。3月20日に東証REIT指数が8連騰して1900ptまで上げた時「自分は天才じゃないので市場の高値で売れるなんて思ってないのでダラダラポジションを落としてダラダラ買い戻すことしかできないし」と書いて、その4日後に高値1932ptを付けて、下落してくれましたけど、ちょっと自分のイメージと違いました。

もうちょっとジリジリ高値で揉み合った後、2000ptを意識する瞬間もあるかと思ってましたが、現実はもう1900pt超えたところで買いの勢いは尽きていて、ショートを少し踏み踏みした後は力なく調整。上の圧力が不十分だった分、下げもそれほどではありませんでした。

さすがに1900ptを超えたところではETFも投信も売りでしたが、4月初旬に入ってからはあっさり書い転で、こじっかり。オフィス銘柄がジリジリを上値を切り下げ、ホテル商業はまちまち、住宅はそこそこしっかり、物流は強めで、多少色は出ているけども資金が抜けているといよりはアロケーション変更の印象。稼働率ほぼ100%で利回り3%のオフィス銘柄は買いたくないねえという声が聞こえてくる一方、利回り3%前半の住宅REITもたいがいじゃない?と言う気もする。てか、このファンダメンタルズは余裕がない上に、このP/NAVで外部成長できないなら上場してる意味もあまりないのではないか。

みたいなことを考えてますが、世界中のREITがこんな感じなので暇です。だれか遊んでください。