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ケネディクス・レジデンシャル投資法人(コード:3278)がIPOを正式発表!上場日は4月26日に

幻のIPOに終わった大和ハウスリート以来、4年ぶりのJ-REITのIPOがついに正式発表となりました。

スポンサーのケネディクスが同日付のリリースで「2012年12月期の決算予想にIPOは織り込み済み」とコメントしているように周知の事実で、新聞やブルームバーグでも既報。

どのタイミングで、どの規模でIPOするのか、そして何故ケネディクス不動産投資法人と分けるのか、2012年のIPOは複数あると噂されてまして、色んな意味で試金石でしたがやっとベールを脱ぎました。

REITのホームページはまだオープンしてませんが(資産運用会社のHPはこちら)、EDINETで目論見書の概要を確認したところポートフォリオの資産総額は20物件300億円。株式の調達予定額は150億円なのでLTVは55%前後といったところでしょうか。

住宅18物件に、底地が2の資産規模300億円。スターツ・プロシードより小さい。すなわちJ-REIT最小です。随分とこぢんまり出たな・・・

申し訳ないけど、ケネディクス・レジデンシャルが問題なくIPOできれば、あとに控えるもっとネームの良いREITは何の心配もないどころか、どれだけ高値でIPOできるかという贅沢な悩みを抱えることになるので、是非ケネディクスには頑張ってもらいたいと思います(実際に頑張るのは主要な販売会社の日興SMBCだけど)。

特徴としてはエリアが首都圏200億円、その他100億円とやや地方に偏っており、減価償却が発生しない底地も2物件/28億円含まれている点。大きなアドバンテージと言いほどではないですが、他の住宅REITとの差別化と思います。

住宅なんて日本全国安定しているのだから、利回り追求するなら地方のシェアを増やして、底地持てば良い。口で言ってても出来る人は少ないので、そこは褒め所。

ただ、ポートフォリオの1/6をKDX代官山レジデンスが占めており、かつ稼働率が85.9%と低いことは気になります。前向きに考えると改善余地なのですが、数字を見せてなんぼのこの時期に80%台半ばのままというのはちょっと懸念。

あと、築年数はそれなりにバランス取れてますが、10億円未満の物件が目立ちます。大和ハウスリートが「効率悪いから」とドンドン小型物件を売ってる最中にIPO時から20物件中4物件もそういった物件を保有するのはどうかと。

利回りはまだ分かりませんが、ADRや大和ハウスレジデンシャルを基準にすると2012年7月期で6.5%、固都税が発生する2013年7月期は6%ほしいところです。1口20万円を基準にするようなので、調整考慮すると金額ベースで5800円/期くらい。

ケネディクスのリリースで紹介されていた物件は以下の通り。
SMBC日興証券のログインパスワードを紛失してしまったので、見つけ次第、詳細なデータを評価したいと思います。

KDX 堺筋本町レジデンス
大阪府大阪市中央区瓦町一丁目 7-15
2,910 百万円

KDX 清水レジデンス
福岡県福岡市南区清水一丁目 21-27
1,680 百万円

KDX 宝塚レジデンス
兵庫県宝塚市栄町三丁目 2-43
1,510 百万円

KDX 千葉中央レジデンス
千葉県千葉市中央区新田町 2-17
1,480 百万円

KDX 泉レジデンス
愛知県名古屋市東区泉二丁目 24-28
1,120 百万円

KDX 千早レジデンス
愛知県名古屋市中区新栄一丁目 49-6
1,080 百万円

KDX 新町レジデンス
大阪府大阪市西区新町四丁目 9-23
1,015 百万円

KDX 定禅寺通レジデンス
宮城県仙台市青葉区春日町 3-25
1,015 百万円

ニチイホームたまプラーザ(底地)
神奈川県川崎市宮前区犬蔵二丁目 23-36
960 百万円
介護付
有料老人ホーム

KDX 吾妻橋レジデンス
東京都墨田区吾妻橋一丁目 9-8
650 百万円

KDX 豊平三条レジデンス
北海道札幌市豊平区豊平三条二丁目 3-1
582 百万円

「Jリート市場拡大策と東京市場のアジア拠点化に関する研究会」報告書には魂はいってます!

このAAを使うべき時がやってきました!!

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昨日、ちょっと宣伝した報告書は、不動産証券化協会が魂込めて作り上げた、「J-REITと日本の不動産の今」。こんなものを無料で出していいのかARES、と言いたくなるようなクオリティです。

業界関係者の方は必読です。社内報告書にそのまま転載できるような内容が盛り沢山です。

ただ、率直なところ、よくこれだけ盛り込んだなという以上の感想は持てません。研究会のメンツが一家言どころか一晩中でも話し続けるような人々ばかりなので、気を遣いすぎたのでしょうか?あらゆる項目が並列されているだけで、どれが重要で政策的に取り組むべきなのか、肝心要のところが示されてない、2013年度の制度変更に向けて不安の残る内容だというのが第一印象です。

内部留保の問題にしろ、利益相反の問題にしろ、US-REITが昔から直面してきた問題を先送りして、とりあえず立ち上げたのがJ-REITです。なので、他国REITが対策をとっている問題も意図的に放置されてきた面があり、世界でもっともイールドギャップ(利回りと国債利回りの差)が高いREITという最もありがたくない称号をいただいているのが現状。

にも関わらず、そういった制度面の違いには目を瞑り、この業界には「J-REITのイールドギャップが世界で一番大きいのは、認知度が低いからだ。宣伝せい!」という精神論が蔓延っております。そして、制度の変更の際には、国交省、金融庁、国税、業界(主に総合デベ)の足並みが揃わず、負ののれんのように「もうにっちもさっちもいかない状況」に追い込まれるまでは、何もできない、しない。

US-REITやA-REITが抱える問題をも解消する世界でもっとも優れたREIT制度を日本から!なんて気持ちはみじんもないでしょう。生活が安定している方々は気楽で良いですねえ(制度変更には関与しない気楽な投資家からの皮肉)。

いずれにしろ私は2013年の制度変更には何も期待しないことにしました。報告書は、アメリカのREITが本国で大きなプレゼンスを持っている理由すら深堀してないので、そんなものに願いを託せる訳がない。

私だったら、個人向け401kの拠出額を拡充して、確定給付年金制度しかない社員にも401kに参加できるようにして、そのうちの何割かは強制的に不動産関連商品に割り当てさせるけど。

マーケットリスク取る人はJ-REIT、分配金だけが欲しい人は私募REITとか。

それが嫌な人は、拠出額を増やせないということでいいじゃないですか。オーストラリアで同じようなことが出来ているのだから、日本で出来ないわけがありません。

どうせパチンコで失うお金だったら、もっと税金を払わないで資産運用できるシステムを拡充させるべきだと思います(昨日、パチスロのBlack Lagoonで2千円勝ちました)。

ケネディクス・レジデンシャル投資法人が大人気!

興味深いのは、割合で示した場合、「ケネディクスレジデンシャル投資法人」で検索する人が3に対し、正式名称である「ケネディクス・レジデンシャル投資法人」は2に留まること。合同会社ですら名称決めるときって苦労するので、ケネディクスレジ関係の方々はさぞかし大変だったと思うのですが、世間の認識はそんなもんのようで。「一般の 常識わが社の 非常識」ってやつですか。

しかし、個人的にもっとも危機感を覚えたのは、今日はたまたま当ブログがGoogleトップなのに、ケネディクスレジ関連で当ブログにアクセスいただいた件数は100程度ということ。

J-REITフェアの来場者数が延べ4000人ということを考えると妥当なとこですが、やっぱ少ないなという印象があります。

奇遇にも、本日はJ-REIT10周年記念レポートとも呼べる「Jリート市場拡大策と東京市場のアジア拠点化に関する研究会」報告書がリリースされてますが(こちらの所感は次の記事のネタなのでここでは省略します)、個人投資家に浸透するまでの道のりは長いのでしょうね。

よし、ここはいっちょ目論見書を読み込んでケネディクスレジを掘り下げるか!

と思いましたが、SMBC日興のログインパスワードがまだ見つかりません。大人しくパスワード再設定した方が早いような気もします。

もしくは日興の支店に行けばもらえるのでしょうか。うちからだと市ヶ谷が近いけど、新宿の方が交通の便が良いな。何にせよ、11日の仮条件決定日までにちゃんと記事書きます。

今日はこの写真で許してください。ネットの拾いものですがネコかわええ。

速報:ケネディクスレジデンシャルの利回りは5.7%~6.2%くらい?

見つかりました。ログインパスワード。

何の銘柄持ってたかなあと思ったらしょーもない金融株数銘柄が100万円ほど眠ってました。結果論ですが配当取れてるし、含み益30%くらいあるのでさっさと売り払ってしまおうと思います。

で、目論見書を見てみました。ケネディクスレジの利回りはざっくり初年度6.0%~6.3%、翌年度5.5%~5.8%くらいでしょうか。

1口20万円でIPOしたという前提ですが、調達エクイティ150億円、取得金額が20物件/30,474百万円、鑑定31,463百万円で、地方が35%、底地が2物件。きっとケネディクス同様にSMBCがメインバンクになるので、LTVは55%超えていても金利はそこそこ低いはず。

あとは、ポートフォリオ全体の稼働率が他のREIT同様に95%くらいまで改善すると考えると、上の数字くらいじゃないかと。全物件の直近の賃料実績を開示しているわけではないので、多少のブレは目を瞑ってください。なお、IPOで組成するREITにつき初年度は固都税が不要なので、利回りは高目になります。

ほんとはこの時点でREIT側が利回り予想を開示してほしいところですが、IPO金額が固まらないと、負債調達額も決まらないので予想出せないんですね。不思議ですね。発行予定投資口数と予定調達額を定めているのだから、その前提で予想出した方が親切なのに。

気になったというかネタになりそうなのは、KDX代官山レジデンス。この物件はラサール投資法人を吸収した日本リテールファンドが、ポートフォリオ整理のためにCMBSに売却したもので(商業リートなので住宅は不要だった)、その時の名前はミルーム代官山。

その2010年10月時の売却価格はざっくり36億円(鑑定37.2億円)なのに、ケネレジは47億円で買うという。いや、まあ、それが駄目というわけではなく、ラサールが保有している時は中央鑑定が54億円(CR5.1%)で評価していて、買収時にCBREが35.3憶円(5.9%)まで下げて、今度は天下の不動研が48億円(5.0%)を付けたというそれだけの話です。

この間、3年間も経ってません。大人の世界って怖いねって話でした。

なお、ケネディクス・レジデンシャルの評価は、足元ではちょっと割高だけどJ-REIT市場の動向と稼働率改善でまあ妥当なところに持っていける余地はあるかなと言う感じです。

安全にいくなら19万円台にするのでしょうか。そこは証券会社の腕かと。

日本商業開発が底地に特化した「JINUSHI ファンド」の第一号投資案件をローンチ

6投資家より約 24 億円の出資を受け、ライフ毛馬店の底地を対象としたファンドを立ち上げたとのリリースが出ました。

昨年12月に資産総額300億円、フルエクイティ(借入金ゼロ)の私募ファンド運用を目指す旨のリリースを行い、それが具体化したもの。

3月16日に組成記念という名目で増配を発表しており(それもどうかと思うが)、特にサプライズはありません。

平成20年に営業開始したライフなので売上も確認できているし、周辺もマンションばかりなので特に問題なさそう。

ただ、日本商業開発が物件を集めてきてファンドを組成し、東急リバブルがアセット・マネージャー、HCアセットマネジメントがこのファンドに投資するためのファンドを運用するスキームは、ちょっと無駄が多いような気がします。

いくら減価償却が不要な底地とはいえ、私募ファンドでやるなら徹底的にローコストでやらないと誰かの収支が厳しくなるんじゃないかと。まあ、不動産マーケットが広いとはいえ、お金使わないと誰も寄ってこないシビアな世界ではありますし仕方ないのかなと。

いや、投資家の事情も分かるんですけどね。こっちのが楽だし。

300億円を目指して、24億円からスタートというのは物件がなかったのか、利回りが低すぎて投資家が集まらなかったのか、投資家の中身が分からないと何とも言えませんが、これだったら非上場REITの方がよっぽど安心できるような気もするんですがどうなんだろう。

上場したばかりのサンセイランディックも底地特化型ですし、マーケット拡大を当て込んでプレーヤー急増中のこのセクター、ちょっと(悪い意味で)注目です。