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J-REIT分析 2013年7月29日①

大荒れの相場ですが、気持ち悪い相場だったんでサイドラインに出てたことが幸いして、明日から前向きに戦えそうです。当面は年末までのポジション作りに四苦八苦でしょうか。

で出色々と頭を整理したいのですが、先ほどアメブロの仕様が、、と書いたようにトラブル中。Kernel-Power 41問題でChorme止めてIEに変えた影響だったようでChormeを再インストールで使ってみるな難なく旧環境に戻れました。が、Chormeだとブルースクリーン多発でシミュレーションもできないのでビクビクしながら書いてます(Chromeだけが理由とは限らないのですがChromeでクラッシュ多発だったので)。

とりあえず3000番台コメントです。

日本アコモデーションファンド投資法人 662000 4.20%
三井不動産系の住宅REIT。大川端の含み損がちょっとあれですが、それ以外は物件もオペレーションもスポンサーからの物件取得も文句なし。公募増資でLTV低下、希薄化して、徐々に配当金を押し上げるスタイルなんで分かりにくい点もありますが着々と巡航ベースでは成長してます。と思っていたのですが、春日とか亀戸とか最近のお値段はちょっとやり過ぎな感じもあります。やっぱり昨年から三井不動産系のREITは1歩も2歩も踏み込んでいるような。他のREITがこれやったら、あうあうなんですが。。

MIDリート投資法人 226500 5.55%
大幅下方減配もキャッシュフローへの影響を考えれば「どこまで売るの?」「ゼロでしょ!」にはなりません。この御時世、REITってのはボトムサイドを固めるのはそんなに難しくはないですが、むしろ各社長さんの頭の中ではどうやってアップサイドを投資家に織り込ませるか。その点、阪急とMIDでは選択肢が全然異なります。この2つの序列は見やすいと思ってて良いかと。

森ヒルズリート投資法人 596000 3.26%
持ってる物件のクオリティだけならピカイチ。でも投資家への還元となると色々と問題が多かったREIT。テコ入れ一巡ですが、可能性は全て織り込まれたと言っても過言ではない水準。森ヒルズが安値で物件売ってくれることはない、それだけは前回のPOではっきりしました。今後、過熱する一方のマーケットで、傘下REITとそうじゃない買主でどうやって扱いの違いをはっきりさせるか。REIT以外には売らないとはっきりさせるのも手の一つですが、そこまでスポンサーの財務状況は楽ではないのかなあと。アーク、愛宕はまだ残ってますしね。

野村不動産レジデンシャル投資法人 496000 4.88%
野村オフィス、野村マスターと野村不動産グループの投資家軽視を見せられて「ここだけは大丈夫」と言える投資家がどれだけいるのか。分譲マンション好調なんで種地の確保は問題ないでしょうけど、REITに気遣いできるほど人的、資金的余裕があるのかどうか。ポートフォリオのグレードとしては並なんでキャッシュフローがどうのこうのとはならないと思いますが、グループ外からひたすら買ってるのは分譲種地のバーター取引じゃあるまいなとか、プラウドフラットを手放してしまってるのは野村レジが低利回り物件を買えないから、だけなんだろうかとか。もう邪推の塊です。こういうときの逆張りってうまく行くときが多いのですが。

産業ファンド投資法人 932000 3.44%足元、ちょっと弱い動きになってるのは何なのか。増資ならむしろポジティブですがどっかの物件でついに大型退去の話とか湧き上がっているのでしょうか。あと2、3回POしないとちょっと分散効果がいまいちかなと。今後は完全に産業施設特化型になりそうだがそれが良い。代替性とかテナントリスクは二の次。アメリカ型です。一発来たときが怖いけど三菱商事の力でなんとかするんでしょうきっと。物件取得はそこまでスポンサーに頼ってる感じでもないんですが。

大和ハウスリート投資法人 704000 4.38%
上場時には賛否両論あったものの、BTS型への信頼感は株価が示すとおりで良いんじゃないかと。
次のファイナンスがどういう形になるかですがある程度物件は見えているので心配もいらないだろうと思います。とはいえ、大和ハウスは今後もそれなりにサポートしてくれるようですが、IPO時に比べると物流特化への投資家の期待を裏切るような雰囲気もなきにしもあらず。大和ハウスも大きくPOしちゃったしね。あれは主幹事の皆さんお疲れ様と言いたくなるような内容でございました。”

アドバンス・レジデンス投資法人 213900 4.25%
配当前落ち前に随分と売られた感じ。で今日も今日とて売り込まれました。いつも以上に極端に動いたというよりは戻ってこなかったなあと。ボラが出るとやりやすい銘柄なんで特に心配はしてませんが、20万円でウロウロされるとそこが過度に意識されそうで嫌な感じ。NBFの100万円みたいな。

ケネディクス・レジデンシャル投資法人 230400 4.82%
すでにIPO時のシナリオは大きく崩れた感じです、と前回書いちゃいましたが、スポンサーが腹切ったことでこのREITの運命が大きく変わった…などと言うと褒めすぎですが、でもこれで普通のREITになることが出来ました。LTV、含み損益だけ見ると上位にカウントしても良いような。ある程度は織り込みかけてますが、まだもうちょっとあってもいいかなと。

アクティビア・プロパティーズ投資法人 747000 4.06%
人気があるのかないのか。1流の商業施設と2流のオフィス、どっちを見るかでこのREITの評価は大きく変わってきますが、このくらいなら偏りのない評価というところでしょうか。プロロジ、ケネレジと続けばそろそろ公募増資という意識もあるのかないのか。選択肢が多いとかえってスポンサーも悩んでいるのかもしれません。

GLP投資法人 99300 4.35%
こちらも公募増資でどんな絵を見せることができるのか。ピンキリ両方の物件を取得できるという意味ではプロロジスより柔軟性があるのかもしれませんが、GLPが今後開発する物件を高値で買ってもらうには利回りばっかり言ってられないのも事実。
コンフォリア・レジデンシャル投資法人 684000 4.51% 46075 サイズはケネディクスに抜かれちゃうのかな。スポンサーは着々と物件仕込んでいるので自分のペースで動く人々なんだろうなと。こちらも今日はえげつなく売り込まれました。毎度のこととは言え、なんだかなあと。

日本プロロジスリート投資法人 855000 4.21%
物件は業界トップクラスで良いタイミングでファイナンスできたので一安心。決算も無難ではありますが、思ってたよりマルチテナントの物流ってバタバタする印象があります。いつもバタバタしてた方が急なリスクにも対応できるので会社としては安心感はあるのですが。

野村不動産マスターファンド投資法人 100600 4.18%
IPO価格で行ったりきたり。野村不動産投資顧問が投資家に評価される時代は来るのでしょうか。

星野リゾート・リート投資法人 574000 2.58%さて、このREITはどうしたもんかなあと。需給を動かす投資家もいないでしょうし、一定の固定ファンを考えるとボラも出ないのかなと。かと言って経済性だけでみると買う必要性は全然感じられない。ジャパン・ホテル・リートで問題ないでしょう。開示データ見て上ブレありそうなら飛びついてみたいけども。

なお、ランキング及びコメントは現時点の好みを表現したものであり、本ブログの情報を用いて行う判断の一切について責任は負いません。どうしても自分の責任で投資したくない方は証券会社や有料の情報をご参考いただくしかないと思います。

星野リゾート・リートを買う前にこれ読んでおくように(提案)

原文ママ。なんJ民の先輩を持つinzaiです。こんばんわー。ぶっちゃけリアルに「inzai君!もう次の仕事が待ってるからな!(超笑顔)」とか言われると周りの目がきついです。なんだあの2人テンション高いな、みたいな。ちなみに先輩は特定の球団ファンではないようです。それでなんJ民なのかよと。

そんな素敵な先輩が星野リゾート上場後に私に勧めてきたのが、これ。

星野リゾートの教科書 サービスと利益 両立の法則

星野リゾートに限らずMBAの基本として今でも参考してる本だから是非読んでほしいと。お世話になっててあれですが、遅い。遅すぎるよ。かわいい後輩が横でずっと星野リゾートのバリュエーションしてたやないですか。

ともあれ、私自身はセミナーで何回か星野社長の話を聞いてますが、主に業界全体の話が多く、実は星野リゾートの経営哲学とかほとんど知らなかったので、これ幸いに借りてみました。著者は星野社長ではなく新聞記者から日経BPに転じた人なんで中身は日経ビジネスの星野リゾート特集みたいな感じ。インタビュー多め。

一言で表すと、米の名門コーネル大学ホテル経営大学院の出身であり、色んな旅館、リゾートを再生してきた星野社長がそれぞれのケースでどんなことを考えて、どんな理論を当てはめて成功してきたのか、それを参考にした専門書とともに紹介している本。

事例を紹介していると言っても狭く深くではなく広く浅くで数字とかほとんど出てこないのですが、この中ではまず最初に星野リゾート・リートが保有している界 出雲と界 松本が事例として紹介されている時点でテンション上がります。

当たり前ですがIPO目論見書の記載内容は現状だけであって、各旅館のこれまでの経緯なんて触れられていません。どういって背景で経営が苦しくなって星野リゾートの支援を仰いだのか、そして星野リゾートが何をテコ入れして黒字旅館となったのか。

そこって不動産の本質的な価値であり、現在の業績が見せかけなのか本物なのか、好調ならいつまで続くのか、不調なら業績の回復は可能なのか、どうやってそれを見極めるのか。それくらいのシナリオは自分で作らないと話にならないと思いますが、星野リゾートって数多ある不動産とは全く別物なので何に着目すべきか良く分からない点も多いのです。

この本ではそういう痒いところが紹介されてます。経営方針が迷走していた出雲はハード面でのテコ入れ、経営方針は定まっていたものの従業員の下の方までブレイクダウンできてなかった松本はソフト面で星野リゾートの流儀を導入。前者はともかく後者は業界標準とは全然違う手法なので星野リゾートじゃなかったら上手くいかなかったのかなと。

事例と言っても想定外のトラブルなんて起きてないのですが、先入観を持たず当り前のことを当たり前に対処する。事業再生ってそういうもんであり、人間関係やエゴが入るからややこしくなる。そういうところをトップダウンで「整える」ことができるのが星野リゾートの強みなのかなと。

他の事例として、REIT以外の物件では北海道のトマム、福島のアルツ磐梯。ビジネスでは星野リゾートが経営している地ビール(たぶん)最大手のよなよなエールが紹介されてますが、各事業体について存続に関わるような本質的なことを書いているのは旅館2つだけで、他の事例は各論的に紹介されているだけです。

2/3は事例紹介、1/3は本の紹介で、名著マイケル・ポーターの競争の戦略、ピーター・ドラッガーのイノベーターの条件、グロービスの教科書なんかも入ってます。大半がブランディング、マーケティング分野の書籍で私がほとんど触れてない部分なので、その辺は有名どころが紹介されているのか分りませんが、一つ二つは読んでみようかなと。星野リゾート2代目社長の本もありました。

私もそうですが普通はMBAとか持っててもそこで学んだロジックを使うことってほとんどありませんし、専門用語を使おうものなら机上の理論として同意もされません、とみんな言います。もちろんまったく使ってないわけでなく、あたかもボトムアップで考えましたみたいな顔で実は机上の理論そのままだったりするのがフル活用できるかどうかの分かれ目なんですが、星野リゾートの場合はワンマン経営であること、そして前例のない世界で挑戦していることから理論武装のみならず精神的な支柱としてもこれらの本を参考にしているようです。

そういう社長が経営する星野リゾートを盲目的に信用してもいいか、海外展開とか本当に大丈夫か、星野リゾートがつぶれることがあったら星野リゾートブランドに頼っている星野リゾート・リートも一発でアウトだと思います。そのリスクをどこまで織り込むか。

とりあえずこの本を立ち読みしてから星野リゾート・リートを買っても遅くありません。あの時価総額じゃやっぱり株価動かないですし。

なお、大事なことですが、この本は立ち読みで十分です。1500円の価値はありません。読書習慣ある方なら30分で読み終わることができます。図書館で借りて書籍一覧だけ写メ取れば十分かと。私、内容の薄い本(あの薄い本じゃないですよ!もう祭りまで1カ月切りましたね!)が乱発される事態が今の読書しない日本人を生み出したと思ってる人間なんでそこら辺はとても厳しいつもりでございます。

アマゾンで買っていただけるなら大半有りがたいことですが、別の本を買った方がタメになると思います。

J-REIT分析 2013年7月21日(超省略Var)

 

J-REIT分析ももろとも消えてので記憶に残っている雑感だけ。銘柄とランキングは関係ありません。

・ケネディクス・レジデンシャル
時価総額2倍の規模の公募増資を断行。ソフトバンクがボーダフォン買った時を思い出してしまいました。J-REITは希薄化せずきっちり配当金を作れる物件取得さえ伴えば、ファイナンスの規模は関係ありません。需給がタイトなこのタイミングなら特段ネガティブな要素は何もありません。資産規模はコンフォリアに追いつくので利回りもタイトになると思います(もう7分は織り込まれた感じ)。ただ、ケネディクスがこれから築浅のレジを供給することはできないので、その辺がちょっとデベ系住宅REITに劣る感じ。SMBCがどれだけ上流にお金流してがっちり掴み取るかがポイントですが、いまはどうなんでしょうかね。

・NBF、JRE
そこそこ価格調整は進んできましたが、利回り3.0%より上はやはり押し目買いが入るようです。でも彼らがそこまで配当金の伸びを志向しているように思えないのがちょっと違和感。住宅や商業のキャップレートを見るとオフィスのCRも下がるんでしょうけど、ひょっとしたらCRのギャップがタイトになる(イールドが寝るとでも言いましょうか)という形で健全な調整になるのかも。それなら自然な姿なんで良いのですが、期待しにくいほどにはデベの皆さんは強欲なんじゃないかなあと。

・JPR、オリックスR、森トラR
利回り4%の中堅オフィス組。際どいラインを彷徨っているのが現実とは言え、NBF、JREとのギャップと住宅REITとのギャップが3月とちょっと違う印象。まあグロース期待が奇麗に剥がれただけなんでしょうけどそもそも3月の時点でグロースを織り込めるちゃんとした背景全然なかったと思うんですが。

・住宅
銘柄間のギャップがほとんどない状態。J-REIT分析で度々書いてたと思うのですが、住宅REITってある一定の規模を超えるとそんなに銘柄間格差ないというのが個人的な考えです。みんなLTV高いし、デベロッパーがいても開発利益がしっかり抜かれてREITに入ってくるし。ケネレジもそこまでもうちょっとと言う感じ。利上げ局面ではクレジットコストは顕著に変わってきますがそこまではまだ切羽詰ってないかなと。

・物流
まあ、POのタイミングでじわじわ差がついてくると思いますが、今のところどれも大して変わらんという認識でいいかと。

要は全体的に銘柄格差のないバリュエーションになってきたのであんまりできることないなあと。いや、丁寧にやれば色々あるんですが、重要なのは世界経済の方向。J-REITのバリュエーションがここから切り上がるのか切り下がるのか。どう見てもバーナンキさんも迷ってるようですし、エマージングも戻り一巡でここから仕切り直し、日本も時限爆弾を無事回収できるか微妙なところ。昨年来でかなりリターン出てるし無理にリスクを取らなくてもいいなじゃないかなあと。ボラは出ると思うので失っても痛くないレベルのポジションで走りたい。こういう相場は一番つかれます。

しんどーい一週間でした

四半期毎に利益を作らなければならないので、この時期くらいまでは死ぬほど忙しい。inzaiです。こんばんわ。流動性がなくてまじで死ぬかと思いました。

バーナンキが何言うかは特に材料にはならんと思ってたので別に問題ないんですが日本株が金曜まで調整らしい調整がなかったのはちょいと誤算。EMが何だかんだ言ってフラフラしてるので消去法とはいえ、みんな引っ張りすぎでしょうと。やっと今日になって下がってくれましたが、逆に焦点が合ってるのか合ってないのかよくわかんないことに。

損してるわけじゃないのですが、なぜ儲かっているのか分からない。ぐぬぬ、この流れはまずい気もする。

野村不動産オフィスの投資主総会がもうすぐです…

日銀決定会合もバーナンキも新しい材料が出るとは思わないけど様子見の材料に使えるから使う。inzaiです。こんばんわ。日中眠くて仕方ありません。

さて、新興市場銘柄も真っ青希薄化ファイナンスを強行した野村不動産オフィスファンドの投資主総会が7月26日に東証ホールで開催されます。

7月9日付なので株主の皆さんには昨日、今日あたり届いているでしょう。

みなし賛成制度もあり基本的にしゃんしゃん総会なJ-REITですが、これはどうなんでしょうか。ちょっとわくわくしてます。

何故かというと、総会の議題はこの通り、REITのために各種請負義務をきっちり果たすはずの運用会社が暴走しないかチェックする執行役員と監督役員の選任が含まれてますから!

執行役員は丸子祐一氏から交代して、このREITのスポンサーである野村不動産の子会社、野村不動産アーバンネットで常勤監査役を務める伊藤慶幸氏が選任予定です。あの惨憺たるエクイティファイナンスを進めた野村不動産から降ってくるということです。

そして監督役員の一條寶昭氏と宮直仁氏はなんと続投。なんだか高貴な感じの御二方ですが、あのファイナンスをスルーしている時点で監督役員の仕事を果たしたと言えるかどうか。

私はDIAMと東京海上投資顧問のJ-REIT投信を保有しているので彼らがきっちり仕事を果たしてくれるか大変注目したいと思います。