もうすっかり「J-REIT ブログ」で検索してもヒットしないサイトになってしまいました。inzaiです、こんばんわ。
ググれなくても大して問題はないのですが、自分のサイトを見たい時に地味に困ります。yieldyieldと打てばいい?いや、yieldyieldって地味に打ちにくいですよね。誰だよ名前考えたやつ(私です)。
さてさて、債券市場や株式市場が良い感じに調整してきました。本日の東証REIT指数は3カ月ぶりの1900pt割れか!?という下落。6月に下落した時は日銀の政策変更期待で、今回は海外の金利上昇が要因でしょうか。日銀のマイナス金利政策は遅くとも来年4月の黒田総裁の退任後には解除、早ければ3月にもなんて話は出てますので、今の下を掘る動きは予行演習みたいなもの。来年のGWはどんな景色が見れるのでしょうね。いずれにせよJ-REITには大して明るい話はありません。
なんで悲観的なのかと言うと、海外市場が異常な状況になっているからです。特に金利。欧州は今夏まで日本と同じくマイナス金利政策を続けており、中核債券たる独10年債は年初までゼロ金利だったのに今や2%超えてきました。UK10年債、米10年債利回りは4%を超え、利回り4パー教の仲間入りです。
もともと、マイナス金利政策は失敗、で決着してはいたのですが、その解除の副作用が急激な巻き戻しによる債券市場、通貨市場の混乱を引き起こしたわけで、人類はあと50年はマイナス金利なんて馬鹿なことはやれないでしょうね。
いや、金利が正常化して上昇していくのは問題ないんですよ。QTも加わればスピードが多少速くなるのは仕方がない(アメリカは18年に利上げとQTをゆっくりやろうとして失敗したから)。しかし、ここまでインフレが暴走し、金融政策がまったく効かないというのはロシアのウクライナ侵攻を考慮しても想定外。はるか過去の話と思われたインフレ懸念は現代でも同じように問題でした。
金利代替プロダクトであったREITはその影響をもろに受けてます。米国REITは年初から30%下落、英国REITに至っては40%下落で、高成長セクターだった物流REITは年初来で半減する有様。金利が動かないJ-REITはほぼ無傷で9月中旬まで耐えてましたが、ここまで世界の金利が上昇すると、対岸の火事ではいられません。少しずつ下落する機会が増えてきました。
そもそも内部成長がまったく期待できないJ-REITより、まだまだ成長余地の大きい海外REITの方が利回りが高いと言うのは、異常な状態です。むしろよくここまで我慢できたのが奇跡に近い。黒田総裁の退任と共にマイナス金利政策解除が既定路線となった今、円安からインフレの影響をもろに受けている日本にとっては金利をどこまで引き上げられるかがテーマ。下がり切った金利を前提としたぬるま湯に浸りきったJ-REITがどんな形で金利上昇を乗り切れるのか、考えれば考えるほど不安しかないです。
利回り4パー教の観点からは、ダウンサイドの大きいよりJ-REITよりクラッシュ気味な海外REIT、そして新たに4%の仲間入りした米債、そして利回り4%を大きく上回る米ハイイールドやEM債の方がリスクリターンは良好に思えます。こういう環境下ではJ-REITは下値を探りそう。ただ、金融緩和の下では、割高に見える時に買われないことはあっても必ずしも売りが出てくるわけじゃないのが難しいところ。下がれば下がるなりの理由はありますが、押し目は相変わらず強いでしょう。長期的にこの流れは不可逆でも、日銀が明確に政策変更するまでは逃げ場も沢山あるのではないかな。