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スターアジアがさくら総合へのTOBを制す!

夏の暑さも一巡したのでしょうか。inzaiです、おはようございます。今年は夏らしいこと何もしなかったかな。。。

さて、5月10日のスターアジアがさくら総合リートに敵対的買収を発表!さくら総合リートからのレスポンスはなし、産業ファンドがPOを発表!から始まったスターアジアリートによるさくら総合リートへの買収は、ホワイトナイト投資法人みらいの参入により委任状合戦に発展し、昨日10時から始まった第一投資主総会を経て、第二投資主総会に引き継がれ夜19時に無事決着。スターアジアの完全勝利と相成りました!

9時間に渡る総会の流れはこんな感じです。Twitterで追えるなんて素晴らしい世界になりました。志賀先生、なんちゃらソルジャーさん、その他の皆さん、そしてスターアジアグループの皆さん、お疲れさまでした。あと他のREITの方もちらほら潜り込んでたようですね。

16時から第2総会へ。

本音言うとスターアジアが勝ったのは意外でした。なんだかんだで個人中心の美人投票になりますしみらいのメインスポンサーである三井物産がネームを活かして勝つのかなと思ってましたが、さくら総合の経営陣が上場以来なにもしてこなかったどころが投資主に損失すら与えた事実、みらいと合併したところで三井物産というネームを活かしきれない現状が酷評されたというところでしょうか。スターアジアはすごく頑張って頭使ってますし、メザニン投資とかすごき評価してますし、不動産のプロだけあって勝負に行っても大事なところはぎりぎり外さない感じは個人的にも好きですしサイズが小さい間はこっちのが上手く運用できるでしょうけど、ある程度大きくなれば金利コスト含めて物産パワーが炸裂したと思うんですがね。いや、物産のネットワークは立派過ぎて、さくらの物件クオリティでは「物産さんのお願いでもそんなところにテナントで入るのは無理ですわ」ときっちり断るテナントも多そうか。

と言うことで、議決権行使助言会社のISSがスターアジアの提案全てに反対を表明したように、手続き面含めて雑なところがあり、実際の決着も投資口数ベースでは全投資口数の45%程度の参加者しかおらず、これが投資主の総意とは思えないところもあるのですが、決着は決着。スターアジアの方が合併条件良かったのはホワイトナイトに対抗したからで、そういう意味ではTOB手続きを経て、さくら総合の投資主がしっかり報われたのは資本市場が機能した何よりの証拠。さくら総合の投資口価格もほぼP/NAV1倍まで上昇してますしね。。。あれ?なんでスターアジアがTOB仕掛けたんだっけ?

ちなみに5月10日から昨日までの投資口価格推移は東証REIT指数が+10.52%、さくら総合が+11.44%、そしてスターアジアが+4.70%。次はスターアジアがこの買収に対して評価される番ですね。

 

さくら総合リートからのレスポンスはなし、産業ファンドがPOを発表!

セルインメイは終わったのかこれからなのか。inzaiです、こんばんわ。J-REIT以外は利益が伸びない相場が続いてますがこれはちょっとアレな感じですね。手仕舞いが始まるとしたら、みんなの体力が減っているこういう時。最初は喜んで押し目拾ってたのに余力がなくなってアレ?というあの嫌な感じ。

さてJ-REIT初の敵対的買収提案となったスターアジアからさくら総合リートへの宣戦布告。さくら総合から何もリリースが出ません。敵前逃亡なのか、投資主総会すらやらないのか、準備しているけど時間を要しているのか。スターアジアと直接話をしている可能性もありますね。

投資口価格の動きはこんな感じ。発表翌日は大きく上昇したものの、翌日はマチマチ。上にも下にも大きく動いてます。合併すればプラスなんでしょと思いつつ、そこまで辿り着けなければ決して少なくない投資主総会費用を負担することになるわけで、思惑交錯状態。普通に考えればスターアジアはTOB規制に該当するアクションではないのでさくら総合リートを買い増す以外の選択肢はないはずなんだけどどうなんでしょう。

さくら総合リート
5/10 86,500
5/13 89,900(+3.9%)
5/14 90,300(+0.4%)

スターアジア
5/10 108,500
5/13 110,800(+2.1%)
5/14 109,500(-1.2%)

あと産業ファンドが公募増資を発表しました。7月決算銘柄がこのタイミングで、というのは本来は収益的に厳しいのですが、元々計上予定だった売却益と利益超過分配でカバー。それにしても2020年1月期も含め公募増資前に締結している譲渡契約に基づく売却益をこのタイミングで希薄化させるってどうなんでしょうね。内部留保しているものならともかく、全部利益として分配予定だったものを目減りってのはなー。

取得物件は、増築ポテンシャルのある新川崎のR&Dセンターをかなりお手頃な価格で取得している一方、またしても物流施設を償却後4%フラットで取得。信じられないかもしれませんが、2016年7月時点で産業ファンドの分配金利回りは3.25%まで低下しており絶好調だったのに、なぜか2017年に入ってから物流施設を高値で取得しまくり分配成長は鈍化。投資口価格は大きく調整してしまいました。少しは反省している感もありますが、それでも物流施設をそこそこな安くはない価格で取得し、巡航分配金成長率は4%。ぎりぎり及第点というのは今の産業ファンドの限界なのでしょうか。

スターアジアがさくら総合リートに敵対的買収を発表!

最近は10時就寝、6時起床の超健康生活。着々とおじいちゃんへの道を歩んでいるinzaiです、おはようございます。

J-REITで初めてのTOBが発表されました。スターアジアによるさくら総合リートの買収。ほんとにさくら総合リートと合併したいか?という疑問はさておき、これまでの10ほどあるJ-REITの合併事例では運用会社、レンダー含めて関係者が合意の上で進めた案件しかなったのに対し、本件はそこそこガチの敵対買収に見えます。

とは言え、運用会社であるさくら不動産投資顧問の投資運用部長は2018年8月に着任しており、実はそれまではスターアジアの投資運用部長だった方です。何だか怪しいですね。不正競争防止法は大丈夫なんだろうか?

そんな色眼鏡はさておき、本件は、可能であるけど誰もやらんやろと思ってたスキーム。スターアジアがさくら総合リートの投資口の3%以上を保有し、その場合に認められる投資主総会招集権、1%の保有で認められる投資主提案権を行使し、資産運用委託契約を解約を請求するものです。仮にさくら総合リートが投資主総会の開催に応じない場合、内閣総理大臣の許可を得て招集することが出来ます。全て投信法に明記されております。

ただ、ここから先は良く分かりません。投資主総会にはみなし賛成という、投票しないなら賛成ねという制度があるのですが、これがどこまで適用されるのか。矛盾する議案がある場合はみなし賛成は適用されないのですが、さくら総合リートは解約不承認(現行契約の継続)の議案をカウンターでぶつけるのか、あるいは解約された場合に、スターアジア不動産投資顧問との新規契約にカウンターをぶつけるのか(この場合、さくら総合リートも資産運用契約を改善したものを提案できる)。まあそのあたりは弁護士さんが調整するのでしょう。最終結論としては、さくら総合リートは投資主の50%以上が個人投資家なので票読みは難しいです。

スターアジアの主張は彼らの資料に詳細が記載されてますが、①札幌の物件売却益と運用会社の判断によるPO失敗コストを相殺させたことが投資主の利益の反している(運用会社が余計なことしなければ400円以上の分配金増加だった)、②しかも相殺させたのに売却に関する資産運用報酬が費用計上されている。上場時は上場のために決算数値を作る必要があり自主的に資産運用報酬を削減してたのに、投資主に迷惑をかけた場合は資産運用報酬を削減しないのはおかしい、③さくら総合リートは上場してもうすぐ3年なのにファイナンスの物件取得もしてないのでスポンサーは無能、あたりがスターアジアの主な主張でしょうか。

あと、資産運用報酬(さくらはスターアジアより25%高い)、セイムボート出資(ガリレオ2.1%、スターアジア17.9%)、資産規模目標(さくらは上場時は3年から5年で1000億円→その後、毎期の決算発表の度に現在から5年以内に1500億円(視点が定まらない)→最新の資料からは削除された)など、数値面でも突っ込まれどころが多いさくらに不利。

実際、スターアジアの投資主価格は上場時10万円から10.9万円まで上昇。さくら総合リートは9.1万円から8.7万円に低下しているし、さくら総合リートの分配金はコンフォモールを無駄に売却したせいで1年で9%ほど減少する見込み。

でも、スターアジアの分配金も2020年1月期の予想分配金は2,770円と、2017年7月期の4,340円から36%低下しているので、なんだかなあという気もします。さくらはダメかもしれませんが、スターアジアとの合併が最適なのかと言われると悩ましい。BSやローンスターあたりもちょっかいだして来そうですが、もし競合がいないとするとそれほどにもアレなポートフォリオであることが明示されたことになってしまいますね。

個人的には、日本管財がガリレオを追い出すために仕掛けたとしたら面白いなあと思ってます。

 

 

最近のIPO銘柄まとめ

NBFがファイナンスしなくてああ残念と思ったらオリックス不動産リートの公募増資が飛び込んできたり、産業ファンドが決算期変えてきたり色々あります。inzaiです、こんばんわ。

改めてどのREITもあれやこれやと考えているようで産業ファンドは決算期を6月12月から1月7月にすることで、2月にPOしてたのを3月POにずらして、売主の決算期末に合わせることができるとかそういう話なんでしょうか。それだったら日本リテールファンドもずらせば良いのに。そうすれば両REIT連続で決算説明会できるし、社長の海外IRも一回で済みます。ってか、産業ファンドとMCUBSと被ってるから産業ファンドをずらしたんですかね?本家ずらすの?あと何気に日本ユニシスが退去した東雲を継続保有するために内規も変えてきてますね。三菱商事と言えどさすがにどうにも出来ませんでした。何にせよ埋まりさえすれば配当金に繋がるから良いのですが、大きな空ビルがあって分配金横ばいってちょっと歪。そしてヘッジ損失の計上で利益超過分配金。ヒューリックから買った圏央道の外の物流施設のCR。盛りだくさんです!

オリックス不動産リートの方は何とも素敵な物件取得。外苑前8分の何とも言えない外観の商業施設でダイアログインザダークという良く分からないテナント(たぶん)が入ってるのと天神の外れのチェーン店メインの商業ビル。共にスポンサーからの取得でなかなかよろしいお値段です。後者はともかく前者はもうちょっと鑑定データ開示しても良いと思います。事情あってのことなんでしょうけども。これなら北朝鮮ネタで書かれまくってるくるるの方が良いのではないでしょうか。

さて本題。最近のIPOの感想。

スターアジア
外資系ファンドのIPOはまたも不調に。壊滅的とは思わないけど中長期的な目線で考えるとデベとガチで勝負ってのは辛いです。財閥系デベですら動けないときにポート作って目指すのが理想なんだろうけどその場合はそんな面倒なことやらずリートに物件売却してEXITした方が手っ取り早いです。一応説明しておきますと私はSIAもインベスコもそんなに嫌いではありません。むしろNBFと準大手オフィス銘柄のスプレッド格差より準大手オフィスとこの辺の銘柄のスプレッド格差の方が小さくて良いかと思ってます。ただ、既に一人前になったREITとこれから資産倍増させないと収支合わないREITでは世間の見方は厳しい。

ラサール
上手く行きそうで株価が上がりきらない。短期的に大きなリスクがあるとは思いませんがいずれテナント退去のニュースが出る前に(ポートが小さいとちょっとした退去でもリリース出さなきゃならんので)一回くらいファナンスしたいところです。さすがにもはや物流施設を高値買いしてくれる人もいないだろうし今ならスポンサーからそこそこの価格で引っ張ってこれそうだけどそれでも優先交渉権持ってない以上はスポンサーは売ってくれないのでしょうか。
いちごホテル
可もなく不可もなく。ファイナンスでの追加取得物件はほぼ想定通りのクオリティで株価も悪くない推移。ホテルの需要と供給のミスマッチのピークは過ぎたけどそれだけに諦めたオーナーによるいちごリノベーションのニーズはまだまだ強いはず。インヴィンシブルの決算で連想されて大きく動いたりするかもしれませんが、ホテルリートの中では一番利回りが低いのも事実。ただ、個人的にはいくらリノベ可でも限度があると思ってます。

マリモ
焦って上場する必要あったのか。スターツやトーセイと同じでしっかりとした不動産会社であることは疑い無いものの、上場のステータスがそんなに欲しかったのか。とても惜しいです。何がダメかというとそもそも何から手を付けていいのかまるで分かりません。あの多様なアセットの面倒を見るのは大変ではないか。アセットが違えばやり方も違うし出張費も必要だし、どんなREITを目指すのか難しいところ。総合型ってどうしても「これじゃなくても良いんじゃね?」となってしまいます。

さくら総合
ガリレオって懐かしい響きです。日本管財も良い会社だと思いますし、あの規模で昔からオーストラリアでビジネスやってるということはそれなりにちゃんとした組織であることは疑いがありません。ただしコア不動産である新宿三丁目とか岸和田も高いけどポテンシャル的には良いとしてその他の落差が大きいです。そもそも大手REITなら売却候補物件になるようなノンコア物件が主力という時点で厳しい。

三井不動産ロジ
特に突っ込むところもなく。

大江戸温泉
利回りがちょっとアレな感じですが一万以下という目の付け所が好きです。地元の温泉関係者のブログでは総スカンですが逆に言うと痛いところを突いているわけで、エリア全体が沈んだらどうしようもないものの、ビジネスモデルは評価します。周りの温泉も大江戸温泉と連泊プラン出したりすれば良いのにね。私はよく高級旅館とビジネスホテルを梯子します。あーでも地元に大江戸なんちゃらって旅館は出来てほしくないかも。

タカラレーベンインフラ
何かと渦中の太陽光発電ですが、国が大きくビジネスモデル、というか甘い蜜を吸うのは許さんという方向に舵切っているのでこういうちゃんとした会社の太陽光ファンドはそれなりに上手くいくのではないかと思ってます。派手さはありませんし、しょせんソーラーパークには見劣りする、言ってみればNBFに対するスターツやいちごオフィスくらいの存在感ですけど、日本賃貸住宅くらいにはなれるんじゃないか。REITと違ってバリュエーションが少々面倒でした。それは大江戸温泉も似たり寄ったりですけど。

ラサールロジポート、ずぶずぶなのか。。

タカラレーベン・インフラ投資法人の仮条件は96,000円-100,000円。絶対に失敗はできないというプレッシャーなのか少額の割に控え目。ベンチマークがないのでインデックスイベントもないだろうし、ラサールロジやスターアジアを見るに配当利回りだけで上がる環境じゃないという判断なのでしょうか。2.5億円買ったら5%ルールに引っかかりますし手間も多いですかね。投資主上位がスターツプロシードみたいになるのかもしれません。

そんな中で絶不調なのがラサールロジポート。インデックスイベントが終わった後は上場初値105,000円を下回ってIPO価格100,000円すら下回ってきた状況です。物流と言えばこれから大量供給というフェーズに突入するとはいえ何もしてないのにここまでアンダーパフォームするというのも珍しい。ってか、HP見ると、あれですね。飾りっ気ないにもほどがあります。稼働率とか月次で更新しててしかも上昇しているのに最新情報にアップしてないし、IPO銘柄と言えばラジオとかで頑張って宣伝するのにそれすらもしてない。そら物流REITの中では一番知名度低いとはいえ諦めが良すぎます。SIAとかインベスコを彷彿とさせる動きになってるのが気掛かり。なんでファンド系って泥臭いことやらないんでしょうか。まあそういう印象の人たちですけどなんだかなあと。もうすぐ3月中間決算出るでしょうしそこらあたりで雰囲気が変わるのでしょうか。