明日は記事書けないのでダラダラJ-REIT分析してたらYahooニュースにこんな記事を発見しました。
要約すると、こんな感じ。
・不動産の価格はもう上がらない。むしろ下がる(日銀が聞いたら「インフレやるっつてんだろ!」と激怒しそうですね)。
・不動産価格は下がるけど、ローンの額面は変動しない。なのでその差額分は損失。しかも利息の払わないといけない。
・なので政府は賃貸住宅を国民に進めるべきじゃないか。
記事内でコメントしている神戸大学大学院の平山洋介教授が誰なのか分かりませんが(というか学者は国交省の各委員会に参加してるレベルじゃないと知らないのですが)、まあまともなことを仰ってるんじゃないかと。
最初、住宅REITの回し者かよと思いました。良いぞ!もっとやれ!!
冷静になってみれば、三井不動産や野村不動産は分譲マンションでも稼いでいるのでそんなわけないのですけど。
ちなみに個人的にも何がなんでも持ち家という時代じゃないと思ってます。
だからこそアドバンス・レジデンス、大和ハウスレジデンシャル、日本アコモデーションファンドとい
う先行してシェア伸ばしている住宅REITを高く評価してます。
ただ、かと言って絶対に賃貸というつもりはなく、マンションについて言えば、分譲と賃貸どっちが有利かと言われると経済性としては(純粋にお金の話。住み心地など自己満足は別の次元の話)どっちも変わらんというのが、今のところの結論です。世の中うまくできるもんです。
不動産に詳しくない方が本などで仕入れた知識をもって色々と考えて時間を掛ければ、よほどの悪質業者につかまらない限り、経済性に大きな差はないと考えてます。
ちょろっと勉強しただけで掘り出し物件を探せるほど不動産は甘くないですが(競合が沢山いますから)、それなりに優良業者も多いので自分の目で確かめれば大きな失敗はないはずです。
なので賃貸か分譲かいう議論はケースバイケースという結論にしかなりません(おススメは後述)。しかし、認識していただきたいことが3点あります。
・そうは言っても、不動産は一生の買い物です。勉強したくない方には賃貸をお勧めします。今の世の中、見えないところや既に存在しているものについてちょっと甘すぎるのも事実です。ダメと言えない日本人。勉強したくなるまで待った方がいいです。時間と予算に迫られて買うのは愚の骨頂かと。賃貸マンションも多いですし必要ないものは買わないというスタンスは大事です。
・「何が何でもこのエリア、この物件」と思わない限り、新築マンション(財閥系、大手ゼネコン施工以外)は避けた方が良いです。新築が割高というのは目新しい話しではありません。新築マンションの広告費、モデルルーム費用、そして企業の利益が上乗せされるのは企業活動として当然のことです。ただ、その対価として得られることの大半が「雰囲気」であることは問題かと。あと、いわゆる大手以外のマンションは5年後の姿を保証できません。悪い前例はいっぱいあります。そもそも、この時代にこっそりマンション用地を取得するなんてレアケースです。なぜ大手がそこにマンションを作らないか何か理由があるわけです。
・普通の賃貸マンションしか住んだことないと分からないかもしれませんが、分譲マンションと賃貸マンションのグレードは全然違います。一度、分譲マンションに住むと賃貸には戻れないほどです。分譲賃貸といわれるマンションが人気なのも理由があります。ジムや豪華なエントランスはあってもなくてもどうでも良いです。新築マンション作るときにインパクトあるから付けてるだけです。
なお、都心に住むなら、グレードの高い中古マンションをリノベーションすることをお勧めします。70㎡~80㎡くらいなら壁紙、タイル、絨毯の交換、水回り(キッチン、給湯器(メーカー推奨期限は10年)、トイレ)の更新、ドアの建て付け修理なら200万円かからないはず。やったことないですが、フローリングも全て剥がすともうちょっとかかるかも。
本質的に、居住不動産は資産ではなく消費材です。将来の価値はゼロ(何も残らないという意味ではなく、残余財産とコストの合計がゼロ)になること前提にするべきだと思います。
ざっくりですが、住みたいエリアが決まっているのであれば、頭金ゼロで30年ローン借りたときに、ローンの支払い+固定資産税+管理費修繕費(30年平均の管理費修繕費で!10年過ぎたら上がってきます!!)が相場家賃よりも低ければマンションを買ってもいいかもしれないと思います。
※都心(ターミナル駅まで15分)、人気住宅エリア、75㎡前後のファミリー、今の低金利、家賃補助のない普通のサラリーマンが前提です。江戸川区、練馬区であれば25年くらい。
若干、厳し目の水準ですが、仲間内で話をするときに「手放しで褒めるような値段で不動産買ってる人は見たことない」と話をすることも事実です。聞かれれば、「その値段は高すぎる」と止めることもありますが、「買いたいと思いこんでる人には何言ってもしょうがない」経験を何十回もすると、「どうせマスコミのいう年収5倍説を信用するんだろ」という気持ちになるんですね、これが。