J-REIT 分析 2012年6月3日

ほぼ1ヶ月ぶりのJ-REIT分析です。こんにちは。

オヌヌメ銘柄はいずれ月一回の更新になるんだろうなあーと思ってましたが、週一回からいきなり月一回のペースになるとは自分でも予想外です。2週連続で週末の予定が詰まったのが痛かった。仕事もそうですが、スケジュールに遊びの時間帯がなくなると、時間的にも精神的にも一気に余裕が消え失せます。

それはそうとこの一ヶ月の騰落率ランキングTOP10。5月4日と6月2日との騰落率ですが、大和ハウス、積水ハウス、JHRが上位なのはファンダメンタルズの堅さからさもありなん、フロンティア、産業ファンドと日ロジは安定のデフェンシブ銘柄、あとは基準日に売られてたから買われてたかくらいの違いでしょうか。中堅オフィスが全体的に厳しい1ヶ月でした。でも、森トラはもうちょっと頑張ると思ってたけど。久々に大外しした感じ。ホテルリートでそれ以上にがっつり行ってやったぜという感じではありますが。

1位 : ジャパン・ホテル・リート投資法人 20,030 19,860 -0.85%
2位 : 積水ハウス・SI 投資法人 323,500 319,500 -1.24%
3位 : ケネディクス・レジデンシャル投資法人 180,000 177,000 -1.67%
4位 : 産業ファンド投資法人 490,500 481,000 -1.94%
5位 : ジャパンエクセレント投資法人 417,000 408,000 -2.16%
6位 : 大和ハウス・レジデンシャル投資法人 549,000 532,000 -3.10%
7位 : 日本ロジスティクスファンド投資法人 706,000 683,000 -3.26%
8位 : フロンティア不動産投資法人 672,000 650,000 -3.27%
9位 : 日本賃貸住宅投資法人 37,150 35,900 -3.36%
10位 : トップリート投資法人 449,000 432,500 -3.67%

一方、ワースト5のうち5銘柄が5月配当落ち銘柄、ケネディクスは4月配当落ちに加えてhorrible news。こういう動きされると苦しい投資家は多そうです。私は元々、配当取りに行く奴は馬鹿だと思っているのでむしろ絶好調ですが。

30位 : 野村不動産レジデンシャル投資法人 431,500 381,500 -11.59%
31位 : ケネディクス不動産投資法人 272,300 240,500 -11.68%
32位 : 大和証券オフィス投資法人 217,000 190,300 -12.30%
33位 : ユナイテッド・アーバン投資法人 95,400 83,200 -12.79%
34位 : 平和不動産リート投資法人 48,300 41,600 -13.87%

で、今週の(今月の?)オヌヌメ銘柄ランキング。

一生もの、というには大袈裟だが、そういう水準に来ている安定配当銘柄がある一方で、マクロ環境の大幅悪化でNBFとJREにもお買い得場面が来るのかなあと思っている(ファンダはちょっと弱いけど)。

東証REIT指数1000ptできっちり売った人は打診買いしてみて良い水準だし、売り損ねた人でもキャッシュを溜めこんでいる人は、そろそろマーケットに目を向けても良いかもしれない。950ptとかで買った人は…ごめんなさい。生意気な言い方ですが、もうちょっと勉強した方が良いかもしれません。

私は1000ptでの滞空時間がもうちょっと長いと思ってたので、あまり落とし切れてません。が、7割をキャッシュで残していたので、そろそろ真面目に動こうかなという次第。850ptまで落ちてくれないものかなあ。

1位 : 3269 アドバンス・レジデンス投資法人 157,000 142,900 -8.98% 6.30% 157,190
伊藤忠系の住宅REIT。押し目待ちに押し目なし。そんな2月3月。やっと15万円割れてきたと思ったら、そのままズルズルと下げ止まらず。今拾わないでいつ拾う。

2位 : 8985 ジャパン・ホテル・リート投資法人 20,030 19,860 -0.85% 9.00% 36,925
日本ホテルファンドとジャパン・ホテル・アンド・リゾート(JHR)が合併。負ののれんの額も決まり、BSも見えるようになった。そして上方修正も。買わない理由あるのか?というのは言い過ぎだが、夢見ても良いREIT。決算発表では負ののれんを付くあってどういう数字を作るのかコメントされなかったが、それは物件入替(POもセット)でポートフォリオ変わるからか?

3位 : 3226 日本アコモデーションファンド投資法人 526,000 503,000 -4.37% 5.49% 97,940
三井不動産系の住宅REIT。
月初4営業日ほどで前月末の稼働率をリリースする拘りは業界さすがNo.1。三井不動産の新年度入りでPO候補その一。3月までの上昇局面には付いていけなかったが、50万円近辺ではさすがに買いが入る。このREITで5.5%はお買い得。

4位 : 3240 野村不動産レジデンシャル投資法人 431,500 381,500 -11.59% 6.38% 57,582
野村不動産系の住宅REIT。最近は住宅全般が重かったが、40万円をきっちり超えてきた。今年度はどのREITも配当落ち以降の株価軟調ぶりが極端。NAF以外の住宅REITはやっぱ6%欲しいです。

5位 : 3234 森ヒルズリート投資法人 336,000 310,500 -7.59% 5.60% 71,887
森ビル系の総合型REIT。IPO時からの懸念物件だった六本木ファーストを外して愛宕グリーンヒルズを入れてきた。ポートの80%は森ビルの固定賃料なんで、そもそもREITじゃないんじゃないかとすら思う安心感。30万円フラットからという目線は変わらず。

6位 : 8956 プレミア投資法人 302,000 283,100 -6.26% 7.16% 55,685
NTTがメインスポンサーとなったオフィス・住宅の複合REIT。しょっぱいオフィスが重荷でNTTがどうやって挽回するか。住宅は業界No.1のKEN(スポンサーでもある)が担当。株価はNTTへの期待で底固い時期もあったが、足元ではその他2流REIT扱いに(4月決算REIT全体の傾向もあったが)。レジ半分なので、もっと円やかな動きでも良いと思うのだが。

7位 : 8984 大和ハウス・レジデンシャル投資法人 549,000 532,000 -3.10% 6.05% 85,405
大和ハウス系の住宅REIT。負ののれんもあるし、スポンサーのやる気も十分。賃貸マンションの繁忙期で稼働率は注目。心配していない。まだポートフォリオ改善を続けており、大手のこういう筋の通ったところは安心感あります。ADRがあの事件以来、ずーっと低迷しており、利回りの低さは住宅2位に。もっと一緒に下がってくれないものか。

8位 : 8954 オリックス不動産投資法人 358,500 341,500 -4.74% 6.15% 97,134
オリックス系のオフィス中心(大規模ではないが中小型でもない)で、商業、物流、住宅も保有する総合型REIT。ずっと他のオフィスREITにアンダーパフォームしていたが、決算発表してから随分と落ち着いてきた。本当に予想配当金が保守的なのかどうか、マーケットの注目はそこだけ。

9位 : 8951 日本ビルファンド投資法人 750,000 709,000 -5.47% 4.26% 434,617
安定感のある三井不動産系オフィスREIT。利回り3%台を長くは維持できず。オフィスマーケットの空室率は一進一退だが、上げ一巡からのこの展開は上値を追いかけにくい。70万円割れてからの下げ渋りはさすがNBFと言ったところ。アンダーウェイトしてた人が拾ったのだろうが、そういう意味ではこれからが勝負。

10位 : 8952 ジャパンリアルエステイト投資法人 718,000 681,000 -5.15% 4.53% 373,896
建物は立派なんだが…の三菱地所系オフィスREIT。決算はマーケットの楽観的な期待を裏切る形となってしまい株価は一進一退。利回り4.5%はほぼフェアバリューのイメージ。ここから下の押し目には期待したい。

8953 日本リテールファンド投資法人 127,500 120,000 -5.88% 6.24% 225,624
三菱商事系の商業REIT。GMS(イオンなどの郊外型商業施設)も都心型商業も不安は残るがダウンサイドは分かりやすくなった。相変わらずボラティリティの激しい動きをしている。時価総額が大きい上に商業REITなのでマクロ環境の悪化に弱い。

8955 日本プライムリアルティ投資法人 233,300 222,600 -4.59% 5.75% 159,159 東京建物系のオフィスREITと一般的に言われるが、商業も結構多い。東京建物の「虎の子」の土地を取得。LTV上げた感じ見ると6月POかもしれないが、どの水準でDPSを作ってくるか。6000円以上で株価固めてきただけに、POでLTV下げるからDPSも下がりますってのは、投資家には受け入れられない。マーケットの期待は少なくとも現状維持という感じだろうが、ちょっと楽観的?

8957 東急リアル・エステート投資法人 416,000 382,500 -8.05% 5.75% 64,788
東急電鉄系のオフィス、商業の複合REIT。良い物件だけに目を奪われるとろくなことにならない。決算はイマイチ。11000円/期がボトムと思いきや不安が残る業績予想に。アクティビアの上場で何故か売り込まれる場面も。渋谷COCOTIのリニューアルなどやっているが、いずれにせよもっと大きなテコ入れが必要。

8958 グローバル・ワン不動産投資法人 554,000 497,000 -10.29% 4.83% 48,159 近・新・大を掲げる(ほぼ)独立系オフィスREIT。大手町ファーストスクエア埋まるのか注目。大手町FSは3万円台だろうか。決算発表でぐっと下がってからじりじり戻してきた。合併期待もゼロではないが、IR担当者が辞め、FSも進捗なしと良いことがない。

8959 野村不動産オフィスファンド投資法人 459,500 433,500 -5.66% 5.67% 132,271
野村不動産系のオフィスREIT。財閥系デベを追いかける業界2番手だが、1番との差は大きい。配当落ち後はちょこっと配当金を下方修正したが、本音ではもっと下もあるかもと思っていた。と思いきや、大きなテナント退去が新たにリリース。やっと「らしい」利回り水準になってきたが、これは退去織り込み前の数字。

8960 ユナイテッド・アーバン投資法人 95,400 83,200 -12.79% 6.61% 175,001 日コマを吸収した丸紅系の総合型REIT。負ののれんがあるので今後3年は分配金5500円極めて固いが、アップサイドないのが弱点。株価は95000円で頭打ちになった後、配当落ちと共に急落。ここまで落ちるか?というレベルだが、オフィス稼働率が90%切ったのはマイナス材料。

8961 森トラスト総合リート投資法人 719,000 660,000 -8.21% 5.50% 159,720
(良い意味で)孤高のデベ、森トラストのオフィス中心のREIT。汐留ビルはJ-REITで一番のビル。契約が固すぎて配当金は上昇しない。決算で三田MTビルに何らかの対応をするかと思いきや、何もせず。2013年は契約更新も多くダウンサイドが懸念される。これまでの森トラストのサポート体制としてこのまま自然体ということは考えにくいが…

8963 インヴィンシブル投資法人 6,620 6,350 -4.08% 6.30% 8,562
住居中心の総合型REIT、オフィス、シニア、商業も。…ちゃんと運用してくれ頼むから。あと変なファイナンスは勘弁で。投資主総会の仕切り直し、資産運用会社の減資。投資家なめんなと言いたい。

8964 フロンティア不動産投資法人 672,000 650,000 -3.27% 5.91% 126,100
三井不動産系の商業REIT。最近の取得目線が甘く、社長代わって良くも悪くも「らしさ」が消えつつある。LTV上げてきたし、POは6月なのか。三井不動産の中期経営計画を見るとイケイケだが、どっしり構えてほしい。利回り6%は悪くないが、もう一段の下げを見たい。

8966 平和不動産リート投資法人 48,300 41,600 -13.87% 7.45% 28,949
平和不動産系のオフィス・住宅の複合REIT。うまく合併を乗り切った印象。配当落ちてからの動きがえぐい。まあ利回りが高いので極端に下がるのはやむなしだが、さすがにここまで底なしだとは。4万円割れも期待しちゃう。

8967 日本ロジスティクスファンド投資法人 706,000 683,000 -3.26% 5.04% 101,084
三井物産系の物流専業REIT。低LTVと高い配当利回り。安心感あり。社長交代といっても三井物産のローテーションなので急な動きは期待できない。利回り5%から下には突っ込まないが、ここまでJ-REIT市場が下落するとGLPのIPOは見送りだろうし、JLFの株価も底固く推移。

8968 福岡リート投資法人 587,000 555,000 -5.45% 5.78% 68,293
福岡の大企業(+日本政策投資銀行)のほとんどがスポンサーの総合型REIT。福岡地盤で格付AAの企業って5本もないらしい。博多の天神、博多駅、キャナルの3つどもえの争いはここまで市場にプラスだったが、これからは分からない。キャナルのリニューアルもダウンサイド防止以上の期待はできない。グロースがないなら利回り6%欲しいところだが、デフェンシブな資金移動の恩恵も受けているのかしっかりしている。

8972 ケネディクス不動産投資法人 272,300 240,500 -11.68% 7.82% 68,915
スポンサーであるケネディクスよりも信頼されていた時期もあったが、スポンサー共々苦しい時期。新社長は未知数。メインバンクのSMBC日興証券が、取得から半年で兜町からまさかの退去。信頼(元々ないけども)はガタガタ。まだ材料としては消化し切ってはないか。

8973 積水ハウス・SI 投資法人 323,500 319,500 -1.24% 6.35% 36,765 積水ハウス系の住宅REITだが、浜松プラザを一部売却でマーケットの評価は大きく上昇。さらに大規模なPOすれば一時的には株価下落だが、中期的には間違いなくプラス。個人的(こんなブログで何言ってんだという話ですが)に超注目銘柄。30万円割れ狙いたかったが、ほんとに一瞬だけだった。

8975 いちご不動産投資法人 35,950 34,600 -3.76% 6.94% 29,162
良く分からない、いちごグループのオフィス中心の複合REIT。負ののれん+金利コスト低減で期待を持てるREIT。順調に株価回復。物件売却も進めておりやることはやってる。

8976 大和証券オフィス投資法人 217,000 190,300 -12.30% 5.62% 75,320
大和証券に何ができるのか良く分からないオフィス専業REIT。利回りだけでは売買できない銘柄で潜在能力は高い。底値の感触がつかみにくくて厄介で、今は売り込まれている時期。中途半端に手を出した物件が彼らの苦しさをよく表現しているかと。

8977 阪急リート投資法人 392,000 350,000 -10.71% 6.86% 29,890
競争激しいが、大阪の商業施設は良い物持ってる。決算は悪くなかったし、開示内容は玄人好みでピカイチ。梅田のポテンシャルは新宿に次いで日本2位、らしいです。株価は配当落ち直後で低迷中ですが、いつものこと。7%まで下がってくれると有難いのだけども。

8979 スターツプロシード投資法人 111,700 105,400 -5.64% 7.12% 11,381
スターツって良い企業だと思うが如何せん華がない。個人投資家のシェアが高い異色の住宅専業REIT。住宅REITの序列では一番下と思いきや、ケネディクス・レジデンシャルがもっと小さくIPO!時価総額は負けてますが、要はケネディクス・レジが(略。

8982 トップリート投資法人 449,000 432,500 -3.67% 5.64% 67,038
スポンサーは立派だが、何をやってくれるのか良く分からないオフィス中心のREIT。晴海トリトンは厳しいが、エクセレントとの合併期待もなくはない。下がる時はずーと下がるが、それ以外は不思議なくらい安定している銘柄。

8986 日本賃貸住宅投資法人 37,150 35,900 -3.36% 6.80% 47,776
極端な話、そこそこの物件であれば何とかなるのが住宅の良いところ。金利コストの改善も期待。最近の株価は足踏みだが、じりじりと再び上ブレ。ポートフォリオの入替が順調なのはいいこと。

8987 ジャパンエクセレント投資法人 417,000 408,000 -2.16% 5.98% 76,969
興和不動産系のオフィスREIT。決算が思いのほか良かった。興和不動産と新日鉄都市開発の合併という材料も目先一巡。LTV上げてきているが、スポンサーがざわざわしているのでどのタイミングか良く分かりません。利回り6%割ってもすぐに戻ってくる。そんなに評価するほどでもないと思うのだが…

3227 MIDリート投資法人 222,300 204,000 -8.23% 7.21% 37,460
関西電力系のオフィス中心のREIT。メインテナントのパナソニックは本社の人数半減などの悪いニュース流れるが、その分、賃料安い京橋のビルは安心感が増す(たぶん減チ賃はある)。とりあえず居座ってくれるなら、利回り7%は悪くない。

3249 産業ファンド投資法人 490,500 481,000 -1.94% 5.49% 67,644
三菱商事系の物流・インフラ系リート。配当金の伸びはまったく期待できない上、築20年を超えた物件がゴロゴロ。アップサイドないが、IRが上手く下落相場に強いREIT。個人的には6%欲しい銘柄ではあるのだけども、下がっては来ないだろうなと。

3278 ケネディクス・レジデンシャル投資法人 180,000 177,000 -1.67% 6.94% 13,353
無事に(?)上場達成。株価の推移は大半の投資家が予想したレンジのもので特に問題なし。固都税を考慮したら利回りはグッと下がる。投げ売りが出るまで我慢。焦って買う銘柄では決してない。

なお、ランキング及びコメントは現時点の好みを表現したものであり、本ブログの情報を用いて行う判断の一切について責任は負いません。どうしても自分の責任で投資したくない方は証券会社や有料の情報をご参考いただくしかないと思います。