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【新年早々】NBFが公募増資667億円、コンフォリアのIPOも!!

これが6連休の代償なのか。。

13営業日ぶりに下がった野村證券とか大規模な売出を発表した(サーベラスがね)あおぞら銀行とか、新年2日目とは思えぬマーケットの動きでしたが、引け後がまさに地獄絵図。NBFの公募増資とコンフォリア・レジデンシャルのIPOが発表されて、あれ?プロロジスも1月にリリースするって報道されてたよね?ってか、これから来年度のプランをじっくり練ろうと思ってたのになんなのこれ?

NBFの第一印象としては、相変わらず老獪なファイナンスするなあという印象。

表面的にはエクイティだけで物件取得資金(セレスティン芝(合併前の中央三井信託の本店)、ゲートシティ大崎、新橋M-Square、三井住友銀行名古屋ビル)賄うことでLTVをちょっと下げて、希薄化分は日本橋室町センタービルの売却益(半分は内部留保)でカバー。

売却資金の141億円は浮くのだが、配当利回り3.3%での公募増資ということで想定以上(例えば10%)に株価が下がっても新たな借入を行うことなく資金充当できる。株価が下がらなければ来年生じる固定資産税2億円に相当する物件を買えば良いだけ。

解釈が悩ましいのは今後1年間の配当金水準を15000円強のところで据え置いてきたところ。LTVが下がっている上、新たに10億円の内部留保を抱えていることからダウンサイドリスクには滅法強くなったものの、逆にいえば1年間は配当金が上がらないことを明示しているのと同じ。

NBFは自身のコミットを大事にする、いわば有言実行型で、だからこそマーケットからの信任が厚いわけで、配当金を16000円に上げるために物件を買うのはNBFのやり方はこれまでしてない。社長が変わってもそんなにイケイケにはならないだろうし、そこのとこをどう説明するのか非常に興味があります。

マーケットギャップあるので簡単には1.5万円から上には行かないというのか、マーケットが暖まっており来年以降は伸びていくと言うのか。

いずれにしろリート専業ではないプレーヤーからすると降り時かもしれません。グロースのない株はグロースに非ず。1年間も3.3%しかない配当利回り株にしがみつく人は少ないのでは。今後も例年通り他のREITのファイナンスが続くと考えると分水嶺かも。

去年は滅茶苦茶安いところで公募増資したと思いきや、今度はこんなすっ高値。NBFに付き合うのもしんどいっす。

コンフォリアについてはまあこんなもんではないでしょうか。追い風に乗ってすんなりやってきたなと。東急不動産がGoogleに「コンフォリア」ブランド浸透のためガシガシ宣伝費使ってるはずですが、銀行株のアナリストは「賃貸マンションのブランドなんて知るわけないですよwwってか結局は現物見るまで借りるかどうか決めないしwww」みたいな感じでした。まあコモディティって言っても間違いじゃないですからね、賃貸なんてのは。

詳細はいずれ。

地方の不動産投資活性化へ官民ファンド、1000億円規模検討か・・

昨年の半ば頃から某大手デベの方が「早く自民党に変わってくれないかなあ、もう色々と話ついてるのに」と言い回っており、解散=不動産業界にプラスというのが業界のコンセンサスでしたが、地方もしっかり金回すようですね。

「地方の中核都市におけるオフィスビルや商業施設、マンションの建設・改修を幅広く対象とする予定」とのことで、民間だけでは難しい地方活性に取り組む、ぶっちゃけてしまえば地方の小さなパイを民間で取り合って共倒れになるのは勘弁だけど、ちょっとしたビジネスになるのであれば大きなキャピタルゲインは狙えないけどやりまっせといったところでしょうか。

地方都市のコンパクト化により人口密集度が高まれば活気も生まれる、そんなことはみんな分かっているのですが、ハコモノがあれば人が動くわけではありません(リーマンのときにみんなが痛感した)。

特にイオンなどの郊外型商業施設がぶいぶい言わせる地方では何とかして交通インフラが整っている駅前を活発化させようと思っていても実現してない。駅前にイオン作るのが地域にとって一番良かったのですが(あくまで郊外に人を持っていかれるよりはましという意味で)、自分が痛い目あうまでは自分の利益を最優先するのが人間。結局、駅前に閑古鳥が鳴いて再起不能なのが現状です。いまのソニーやパナと円安の関係にも似てます。

なお、今日の日経ではネット物流の隆盛を背景に三井不動産が単独で物流施設に乗り出すと書かれましたが、ある意味これは地方の活性化と真逆の話。地方活性化と大都市圏への集中と相反する事象の両立は可能なのか。地方でもターゲットを明確にすれば(=切り捨てられる都市も明確になる)可能だと思いますが、若人が骨を埋めるのに不安のない環境というのはまず東京がそうならない限りは難しいのだろうな。じゃあどうしようかなと考えたりします。

J-REIT分析 2013年1月5日②

8951 日本ビルファンド投資法人 923,000 3.27%
三井不動産がメインスポンサーのオフィスREIT。資産規模は日本最大のJ-REITで稼働率の安定感は抜群。物件のクオリティも三井不動産が保有するものには敵わないものの、それでもやっぱり三井らしいプライドが感じられる(全部が全部とは言わないが)。足元、配当金の水準は何とか横ばいを維持。サイクルで行けばそろそろPOの時期だが、この価格なのでLTVと配当金の水準にはかなり敏感にならざるを得ない。LTV下がればポジティブではある。

8952 ジャパンリアルエステイト投資法人 877,000 3.47%
良くも悪くも三菱地所らしさを存分に発揮している日本第2位のオフィスREIT。社長は控えめですが、保有物件やリーシングから漂う俺様感にマーケットはしばしば翻弄される。物件のクオリティではNBFには負けてないし、他のREITとはそれこそ段違い。さすがに3期連続でPOすることはないと思うが、地所の電気ビルヂングの動向とか気になるところ。なかなかNBFの価格に追いつけない(逆転してた時期もあったのに)。

8953 日本リテールファンド投資法人 161,100 4.80%
三菱商事の商業特化型REIT。65%が郊外型(ショッピングモールとか大型スーパー)で35%は都市型(繁華街の路面店舗とか商業ビル)。今はイオン上場のインパクトよりもイオンとイトーヨーカドーの動向が気になって仕方がない。積極出店にしろ閉鎖にしろ無風のまま1年が終わるとは思えない。国内消費も消費税、円安問題で不安定だが、株高が維持できればそれなりの数字で落ち着くはず。利回り5%切ってきたか。。

8954 オリックス不動産投資法人 450,000 4.89%
社長変更も元々実質的に仕切ってた方なので何も変わらないオフィス中心の総合型REIT。金融緩和期でオリックス本体からの重圧は少ない点は安心だが、配当金を安定させるためにはポートフォリオの入れ替えはまだ続けないと厳しいかも。底入れ見えてそうな数字の割には力強い言葉に欠ける点が今後どう変化するか。

8955 日本プライムリアルティ投資法人 252,000 4.80%
東京建物系のオフィスREIT(ちょっと商業とかも保有)。みずほFG本店となる大手町の土地を取得してマーケットの評価は「主要オフィスREITの一角」からちょっと抜けた感じ。配当金6000円の死守を標榜しており、そこまで無茶な目標ではないと思ふ。オフィス開発が続く東京建物としては開発が一段落した頃に大型の公募増資したいだろう。

8957 東急リアル・エステート投資法人 483,500 4.67%
東急電鉄がスポンサーのオフィス/商業REIT。マーケットサイクルを考えるとオフィスと商業の相関性が低い(商業が先行して動く)ことが安定配当に繋がるはずだったが、「東急電鉄なら賃料高くても維持できる」という見込みが甘すぎた。マーケットの絶頂期に取得したオフィスを減損懸念で手放すなど、理論派なんだけど色々と惜しいREIT。開示内容(量)はREITダントツ。多すぎてどこ見たらいいのか分かんない。

8959 野村不動産オフィスファンド投資法人 503,000 4.89%
野村不動産をスポンサーとするオフィスREIT(名前のまんま)。物件を見ると財閥系不動産会社との差を痛感する。古い物件が多いものの、スポンサーが中小型のPMOシリーズをガンガン開発しており、上手く物件を入れ替えてくれることを心から所望。こういう1軍半REITは波に乗ればもうちょっと上値追いかけてもいいところではある。

8960 ユナイテッド・アーバン投資法人 102,100 5.39%
丸紅系の総合型REIT。負ののれんもあって、金利コストの削減余地もまだまだあるのに、オフィスセクターが不安でマーケットの評価が定まらない。年末から一気に出遅れを挽回するような株価推移を見せているが、正直なところ何にも変わってないだけにここら辺で一回降りて、決算見てから買い直したいところ。

8963 インヴィンシブル投資法人 6,340 6.31%
紆余曲折を経た独立系のREIT。この前、バルクで物件を取得してましたが、まあ何がしたいのかよく分かりません。

8964 フロンティア不動産投資法人 767,000 4.69%
三井不動産の商業REIT。最近ちょっと神通力が落ちている印象が強い。博多の物件を高値で取得したり、アウトレットの自社競合で売上が伸び悩んだり。数字の帳尻合わせは抜群なので何の心配もしてませんが、昔ほど「ほっといても良いや感」はなく。商業セクター全体の不安はあるものの、安定感から買いが入ってる点をどう評価するべきか。

8966 平和不動産リート投資法人 58,500 5.54%
スポンサーである平和不動産が大口株主であるファンドから投資口取得をリリースしてから上がりっぱなりのオフィス/住宅REIT。プレミアと良く似たREITなんで限界はあると思いますが、負ののれんを考慮してもちょっと安く放置され過ぎた感が強い。合併銘柄の中では一番にリストラ完了したREITでオフィスのグレードはいまいちではあるものの、配当金の水準は安定しているんじゃないかと。公募増資はちょっとしたサプライズでしたが、よくあの利回りで揃えたなという感じ。歴史ある会社ならではの力強さといったところでしょうか。

8967 日本ロジスティクスファンド投資法人 767,000 4.63%
(物流会社とは違う意味で)物を動かすなら商社に任せとけ!の三井物産をスポンサーとする物流REIT。いまをときめく物流施設にマーケット初期から参入していたので物件の取得利回りはかなり高い。もうお宝と言っても良いくらい。これから後続の物流REITが出てくると言われてますが、このLTVでこの配当金はきっと出ない。難しいのはマーケットが「このLTVを50%まで上げればもっと配当金が出る」というのを期待している感があるバリュエーションですが、如何せんボラが低いREITなんで仕込みが難し。新社長の意見表明に期待したいところ。

8968 福岡リート投資法人 670,000 4.84%
福岡に特化した総合型REIT。スポンサーは福岡財界連合と言うしかないメンツ。そのエリアを牛耳れるスポンサーというのはとても心強い。コア物件はキャナルシティで、その他のオフィス、商業、住宅も収益が安定しているのが主要地方都市の強み。中国、韓国の影響が如何にというところ。短期に修復できるとは思えないのでどうやってカバーしていくか。株価だけ見るとエリア内の強さが評価されてきたように見えます。

8972 ケネディクス不動産投資法人 309,000 5.75%
中規模オフィスでは最大手と認識されていたが、最近は中規模の定義が若干厳しくなっているので、中小規模のオフィスの雄とでも言うべきかもしれない。スポンサーであるケネディクスのメインバンクであるSMBCの100%子会社である日興SMBCが兜町からまさかの退去。取得してから半年くらいだったのに。配当金への影響は1000円ちょっととまさにシャレにならんインパクト。慌てて府中、春日などの物件買ったけど、その場しのぎ感あり。会社側としては全体のリーシングに手ごたえを感じているようで、茅場町の空きはむしろ今後のアップサイドとして期待してほしい模様。内田社長は宮島前社長(現ケネディクス社長)よりも前向きな人なんじゃないかと思えてくる。

8973 積水ハウス・SI 投資法人 402,500 5.15%
積水ハウスがスポンサーの住宅REIT。商業もそこそこ保有しているが最大の問題物件の処理はほぼ目途がたった。小型ながら公募増資も成功させてまさにこれからの色々「らしさ」が出てくると思っている。商業ではなんだかんだイベントが発生するかもしれないが、住宅はスポンサーと一体になって開発している感が強く(口には出してないが大和ハウスに負けたくないんじゃないかと)一定のスピードで成長することが予想される。

8975 いちご不動産投資法人 48,500 5.48%
過度な期待はできないものの、いちごグループのバックアップでそれなりのパフォーマンスは期待できるREIT。どこにでもあるオフィスをじっくり運用するので大きな失敗はないと思うけど狙うときは売り込まれた時だけだなあと。紆余曲折あったもののスポンサーのいちごグループも形になってきており会社としての安心感は増している。

8976 大和証券オフィス投資法人 292,000 3.97%
大和証券になにが出来るのか分からないのですが、とりあえずもっと早く物件取得してLTV上げるはずだったのに仕込み時を逃してしまったREIT。利回りが低いのは彼らが仕事をしてないからであって、LTV45%で利回り5.5%くらいが目指すところじゃないかと思ってます。やってることは意図せざる形で日ロジと同じに。

8977 阪急リート投資法人 428,500 5.60%
名門、阪急電鉄をスポンサーとして関西中心に商業、オフィスなどを保有するREIT。福岡REITは完全にエリア特化型ですが、大阪になると東京資本組も多く独占できないせいか東京の物件もいくつか保有してます。田町のホテルグレイスリーなんかは尖ってて好きですけど。なんだかんだ言って大阪の一等地に商業ビルを持っているので強いと思いますが、北ヤードの影響は避けられない。大阪、名古屋が揺れるのはこれから。

8979 スターツプロシード投資法人 131,500 6.10%
地味だけど地元にしっかりのスターツがスポンサーの住宅REIT。資産規模の小ささがネック。免震の賃貸マンションとか技術はしっかりしてます。個人的には好きですが資金調達力とか見劣りするのは事実。一回大きなPOできれば評価はガラッと変わると思うのですがこの上げ相場でついに踏み出せるかどうか。

8982 トップリート投資法人 377,500 5.56%
踏んだり蹴ったりという言葉が良く似合うREIT。新日鉄と住金が合併して、スポンサーの一角だった新日鉄都市開発が離脱(厳密にはジャパンエクセレントのスポンサーだった興和不動産に吸収)。そしてコア物件だったトリトンスクエアから住金本社が退去。三井住友信託に不動産を信念もって運用できるとは思えないので(彼ら自身は不動産のプロして運用業務やってますが本業ではないので)今後どうするのか。ゆっくりリーシングしていくしかないのですが、AクラスビルがBクラスビルに落ちていくリアルタイムみたいな感じ。

8984 大和ハウス・レジデンシャル投資法人 690,000 4.78%
大和ハウスがスポンサーの住宅REIT。オヌヌメランキングでずっとべた褒めしてた銘柄ですが、さすがに上昇しすぎだろうと。良く分かってないクオンツの連中がグロースだけで買ったりしてるんだろうかと思ってしまう。5%割れでこのLTVってのは色々とギリギリ感があると言わざるを得ない。

8986 日本賃貸住宅投資法人 57,700 4.68%
この株価上昇に戸惑っているのは彼ら自身かもしれない。いや、配当金の水準は当面維持できますし、ファンダ面で心配することはないのですがアドバンス・レジデンスや大和ハウスレジデンシャルと同一レベルってのはある意味重圧ではないかと。まあ、ぶっちゃけ住宅REITなんてのはある一定の規模を超えたら分散効果なんてどれも一緒だから今の株価は正しい反応です。スポンサーの力が使えないので、そういう意味では一番真摯に賃貸住宅市場に向き合ってるプレーヤーではないかと。

8987 ジャパンエクセレント投資法人 507,000 4.81%
興和不動産が支えるオフィスREIT。グレードが素晴らしいものと古いけど立地が良いものを沢山保有している。但し値段は高い。そんなREITです。上値さえ追いかけなければ怖くありません。良いところだけ見るとJPRと同じレベルだが、悪いところを見るとトップリート、そういう不思議なREIT。(不動産について)ちょっとプロ意識が低いという印象をしばしば受けます。

3226 日本アコモデーションファンド投資法人 623,000 4.70%
三井不動産系の住宅REIT。ずーっと株価が伸び悩んでましたが、他の住宅REITの利回りが5%前半に突入してきたところで配当金の上方修正もあり、やっと火がついたように上昇。何の心配もいらないけど利回りだけが不満のREIT。なかなか4.5%の壁は破れません。こちらもサイクル的にも、スポンサーの決算的にもPOしても不思議じゃない。

3227 MIDリート投資法人 209,300 6.81%
関電がスポンサーになったものの、関西財界からの要請だったんだろうなあと思いを日々強くしているREIT。京橋OBP(大阪ビジネスパーク)の高層オフィスビルの需給がここ数年のテーマ。メインテナントのパナソニックは業績に余裕ないので丸ごと退去するリスクはかなり減りましたが、彼らのビジネスのサイズがどうなっていくのかが気掛かり。

3234 森ヒルズリート投資法人 470,000 3.87%
6月、7月に散々オヌヌメしていたオフィスREIT。最近の景気良い上がりっぷりは良く分かりませんが、ついにグローバルワンと合併でもするのでしょうか。スポンサーは森ビルで、ビルのグレードはぴか一。そして大半が森ビルの賃料保証付き。こんなに分かりやすいのはなぜ放置されてたのか。とはいえ利回り4%切ってきたのは脅威。

3240 野村不動産レジデンシャル投資法人 489,000 4.95%
野村不動産がスポンサーの住宅REITで昨年のPOで完全に安定モード。からくりはあるのですが配当金は今後も安定してますし、何の面白味もない(最高の褒め言葉)REITです。住宅REITの中では下位に甘んじてるのは怒り心頭なのかもしれませんが、分譲の方がやる気あるもんなあ。今後はどうするつもりなのか。

3249 産業ファンド投資法人 665,000 4.29%
随分と剛腕を駆使して復活を遂げたREIT。保有物件は物流施設とインフラ施設(JALの飛行機修理工場とか)で長期安定がウリ。スポンサーは三菱商事で築古物件が多いのが気がかりですが、重大なトラブルが起きるとしたらまだまだずっと先の話ではないかと。今後はどんな物件を買うのか分かりませんが、これまで通りの水準で買うとすると分配金はまだまだ伸ばせるはず。

3269 アドバンス・レジデンス投資法人 181,100 4.97%
負ののれんという内部留保をじゃぶじゃぶ言わしているREIT。どうにも使い道がなく正直ちょっと持てあましてるんじゃないかと。スポンサーの伊藤忠も不動産ビジネスはちょっと敬遠気味で無茶はしないでしょうし、配当金はずっと安定。あまりコメントがありませんが、TK出資分もありますし、どっかの節目ではPOするんでしょうか(PO狙ってないREITなんてありませんが)。

3278 ケネディクス・レジデンシャル投資法人 191,700 6.36%
ケネディクスがスポンサーの住宅REIT。ある意味、無茶しなければ誰も住宅REITを運営できるんじゃないかと思わせた意味で彼らの貢献度は果てしない。この資産規模ではちょっと心細いし、上場後の物件取得の動きもちょっと鈍い。この指数の水準でこの利回りってのは評価としてとても悩ましいところ。

3281 GLP投資法人 69,400 5.02%
天下のGLP。シンガポール政府のお金である以上、彼らの目的はリターン以外は何物でもありません。運用会社のスキームもちょっと説明不足な感じです。上場時の巡航ベースの利回りは5%フラットくらい。そこから20%弱も株価は上昇。利益超過分配の押し上げはREIT一覧見ているとどこの情報サイトも明記してないような気がします。Bloombergはさすがグローバルと言いますが、きっちり利益のみの利回り出してます。

なお、ランキング及びコメントは現時点の好みを表現したものであり、本ブログの情報を用いて行う判断の一切について責任は負いません。どうしても自分の責任で投資したくない方は証券会社や有料の情報をご参考いただくしかないと思います。

J-REIT分析 2013年1月5日①

今年の目標はブログの英語化(目標は高く)。inzaiです。こんばんわ。

某ブランドの招待セールで10年ぶりに冬コートを新調、生まれて初めて春秋用の薄手のコートを買いました。これで「君、見てるだけで寒そうなんだが」とか「袖口ボロボロだけど気づいている?」とか周りに気遣いされてなくて済みます。ひょっとしたら株高が潜在的に私の財布の紐を緩めているのでしょうか。

本日は昨年10月28日以来、ほぼ2カ月ぶりのオヌヌメランキングです。まずおさらい。

前回時以降のリターンランキング、銘柄コード、銘柄名、リターンを並べたものです(コメントはランキングの後)。

1 8986 日本賃貸住宅投資法人 20.21%
2 3234 森ヒルズリート投資法人 18.09%
3 8987 ジャパンエクセレント投資法人 15.89%
4 8975 いちご不動産投資法人 14.12%
5 8957 東急リアル・エステート投資法人 13.50%
6 8953 日本リテールファンド投資法人 13.21%
7 8976 大和証券オフィス投資法人 12.39%
8 8954 オリックス不動産投資法人 11.94%
9 8968 福岡リート投資法人 11.85%
10 8973 積水ハウス・SI 投資法人 11.50%
11 8952 ジャパンリアルエステイト投資法人 10.31%
12 3249 産業ファンド投資法人 10.10%
13 3279 アクティビア・プロパティーズ投資法人 9.92%
14 3278 ケネディクス・レジデンシャル投資法人 9.67%
15 8951 日本ビルファンド投資法人 9.62%
16 8984 大和ハウス・レジデンシャル投資法人 9.52%
17 8956 プレミア投資法人 9.09%
18 8964 フロンティア不動産投資法人 8.49%
19 3226 日本アコモデーションファンド投資法人 8.35%
20 8958 グローバル・ワン不動産投資法人 7.98%
21 8972 ケネディクス不動産投資法人 7.67%
22 8985 ジャパン・ホテル・リート投資法人 7.04%
23 8979 スターツプロシード投資法人 6.39%
24 8967 日本ロジスティクスファンド投資法人 5.94%
25 8955 日本プライムリアルティ投資法人 5.79%
26 8977 阪急リート投資法人 5.54%
27 8960 ユナイテッド・アーバン投資法人 4.83%
28 3269 アドバンス・レジデンス投資法人 4.56%
29 8966 平和不動産リート投資法人 3.72%
30 3240 野村不動産レジデンシャル投資法人 1.03%
31 8961 森トラスト総合リート投資法人 0.41%
32 3227 MIDリート投資法人 -0.81%
33 8963 インヴィンシブル投資法人 -0.94%
34 8982 トップリート投資法人 -1.18%
35 8959 野村不動産オフィスファンド投資法人 -1.37%

ざっくり言ってしまえば出遅れ銘柄の巻き返し。負ののれんを持っていながらクレジットの懸念で放置され気味だったいちごと日賃住、2番手オフィス銘柄として2番手以下のエクセレント、東急リート、森ヒルズ、大和証券オフィス、オリックスと何とも分かりやすい。特にトップ5は出遅れに加えて、負ののれんやグレードの高いオフィス保有など少し光るものもきっちり評価された結果です。

このブログをご参照いただいている皆様に申し訳ないのは、足元でこそ出遅れを挽回しつつあるもののちょこちょこオヌヌメしてたユナイテッド・アーバンと森トラストの体たらくでございます。不安要素はありつつも、それなりにマーケットは織り込みつつあり、リバーサルも大きいと考えてましたが、今年に限って言えば結果が出せなかった一年と断言できます。

あと、いちごと日本賃貸住宅は安定した業績ながら負ののれんが評価されにくいJ-REITマーケットでは割安に放置される懸念があり、また日本の不動産の閉鎖性、流動性から負ののれんによる財務テコ入れは容易ではないと思ってましたが、不動産マーケットの活況、金利低下、株高による投資家増加により、「普通のJ-REIT」として評価されるようになってしまいました(株価的に)。そこも読み違ったのは正直なところ。

ではオヌヌメランキングです。正直なところメッチャ苦しいですが、J-REITに対するスタンス年初に述べた通り変わっておらず、あくまで配当利回り商品として、「この水準の利回りにお得感あるか」「いつまでこの水準を維持できるのか」という観点から、まあこんなもんかなとランキングされているものです。

森トラストとかグローバルワンなんて逆張り以外なんでもございません。なお、利回りの計算方法は不動産投信情報ポータル様と同じです。全銘柄の平仄を取るため開示ベースの数字を使ってます。

3263 大和ハウスリート投資法人 566,000 3.68%
11月に無事上場を果たした物流メインのリート。商業はちょっと不安要因で、綜合的にも大和ハウスリートに比べると投資家フレンドリーにやや欠ける。長期契約がメインなのでブレは少ないものの、今後の物件組入次第ではバリュエーションが変わるかもしれません。巡航ベース利回りは上場時で5.8%。まだもうちょっと上でも良いかもしれません。

3279 アクティビア・プロパティーズ投資法人 554,000 5.76%
東急不動産がスポンサーのオフィス/商業REIT。東急リートから離脱したと思ったらこんなこと考えていたのか、いや知ってたけど、というのが業界のコンセンサス。正直、不動産ビジネスとして見ると東急電鉄より格が落ちるのだけども、オフィス市況さえ持ち直せばリスクは大きく減少するREIT。なんで11月に50万円のところまで売られたんですかね?あれはバーゲンセールでした。

8985 ジャパン・ホテル・リート投資法人 24,170 7.40%
唯一のホテル専業リート。この1年、ホテル業界は絶好調だっただけにその反動がちらほら見えるところに、韓国中国ショック。JHRへの影響は少ないと思いますが、業界全体が停滞するとちょっと影響も出るかと。利回りが高いのは、ホテルを信じたくないという固定観念をもった連中が多いのがこのマーケットだからです。(外国人の好みの影響で)CMBSはそこそこのホテルを持っているので、どんな形で入れ替えを実現するのか気になるところ。雪月花は予約が取れないのでわざわざGoogleに広告出さなくてもいいじゃないかと思います。

8956 プレミア投資法人 330,000 5.95%
NTT都市開発、KENコーポ(高級住宅の業界最大手の一角)を中心としたオフィス/住宅REIT。マーケットの成長はNTT都市開発のオフィス、安定収益は住宅からという素晴らしいバランス感覚のREITだったはずが、2流オフィスが大きく足を引っ張って評価いま一つ。NTT都市開発も積極的に関わっていく感じに欠けるが利回りはもうちょっと下がってもいいと思います(相対感で)。
8961 森トラスト総合リート投資法人 733,000 5.18% 大手だけど非上場なんで分かりにくい森トラストがスポンサーのオフィス中心のREIT。不動産会社の格としては東京建物や森ビルより上なんだと思ってます。ソフトバンクの本社とコンラッドが入る汐留ビルはREIT随一のオフィスビル。大型の賃料改定が控えており、三田ビルのリーシングも1月頃に大きな方針を固めるということで、株価はやや伸び悩んでましたが何とかここまで持ち直した。

8958 グローバル・ワン不動産投資法人 528,000 5.15%
明治安田、三菱、近鉄、そして最近森ビルがスポンサーの仲間入りしたオフィスREIT。ワンマン社長の下、近・新・大を標榜するREIT。「狭い日本じゃ分散しても効果ないよ」と言ったとか言わないとか。仙石山森タワーの取得で打てる手はあと一つくらいになってしまった。あとは株価回復まで耐えるのみ。淀屋橋フレックスタワーの日本生命も大阪拠点の集約に乗り出しており(今の本社の横で再開発)これまた不安材料。

上記銘柄以外は次の記事に続きます。

あけましておめでとうございます!&今年の抱負

2012年は相場の怖さと面白さを味わい尽くした一年でした。今のホットなマーケットを見ていると欧州の債務危機と民主党って何だったんだ!?という感じすらあります。

本質的には欧州各国のファンダメンタルズは「最悪ではない」というだけですし、自民党が何かやったか?と思い起こすと何もやってません。漏れ聞こえてくるところでは政権奪われる前の自民党と同じ、自分の守備範囲では思い切りに欠けるちまちまとした政策ばかりです。

与党の至上命題は今夏の参院選までチョンボ犯すことなく乗り切ること。景気を刺激して来年以降の消費税増につなげるのは無理難題、美味しい「財政出動の正当化」を最大限に活用させてもらおうかというのが大多数の彼ら(安倍さんの本音はよく分かりません)の短期的なビューでしょう。

ワーストシナリオは景気底割れ、財政悪化、消費税増の先送り、そして悪い円安と輸入コスト悪化による生活苦。インフラ整備と言っても、みんなが不安なく使用している高速道路やトンネルを整備したところでお金は呼び込めません。

無駄な橋が良いとは言いませんが、今の仙台を見ていると復興需要は「使って終わり」、30年後くらいに「都市のコンパクト化など次に繋げるビジョンをもつべきだった」という批判が目に浮かびます。後世に残ってる話って伝統を大切にしたか思い切り良く次に繋げたかという2択だと思うのですが、被災者の心情を考えると「地震を利用して」という行動は難しいのでしょうね。

いまのマーケットは将来への期待という盲信に近い感情が支配しています。

12月中旬までは円安・株高が進む一方、金融緩和継続に加えて非現実的な安倍発言を冷静に分析していた債券マーケットも年末から踏み上げられる流れです。

米国の財政の崖騒動を「茶番だろ」と冷ややかに見ていた日本の投資家からすれば年末の米株の調整は「茶番を織り込んだ上で次の債務上限問題への冷静な反応」としか見えなかったのですが、蓋を開けてみればバカバカしいくらいに素直に上に反応。大統領選直後のベア相場もそうですが、こんなに分かりやすくて良いのか、これでやられてたら俺がバカみたいだと警戒していたらバカで良かったんだという相場。

これが日本の株高を加速させました。

私自身も散々ブログで「パラパラ利食い」と何度も書いてますが、正直なところ「もっと上がったらそれはそれや!しゃあないわい!!」と開き直れるところまで売りきれてません。

このブログはREITが中心ですが、私の中ではREITはあくまで配当利回り商品(もちろんポート負フォリオの中心を担う商品です)。キャピタルゲイン狙うのは不動産株や銀行株で行くべきと思ってます。REITは何年か分の配当が取れればポジション手仕舞って次のベア相場まで待とうというのが大きな方針。

にも関わらず、このペースなら3月末に13000円、6月末に16000円言ってまううう!と頭では考えているにも関わらず、「降りたら負け」という今の勢いにちょこちょことした動きに留めています。個別銘柄は一切売っておりません。配当利回り7%以上の銘柄はさすがに手放すのが惜しい。

最大の脅威はJ-REITの投信です。ニッセイアセットなどいくつかの投信はずっと資金流入だったのですが、2012年末最終週はなに?どっかでバーゲンでもやってるの?と言わんばかりに個人マネーが流入してました。

本日は大発会は大和ハウスレジやオリックスリートが寄りから買い気配で、また誰か悪戯してんのか?とか思ってたらそのままGO!です。ランチバスケットも二桁の買い需要。

足元ではFOMCの議事録が日本株を除くグローバルマーケットを冷やしてましたが、日本株はおかまいなく。前場はちょこっと冷えましたがすかさず押し目が入りました。

こんな相場が長く続くとは思えませんが、逆張りできる程度には冷えてくれるまでは少しずつ利食うのがシナリオです。キャッシュが溜まるとちょっと下がったら買いたくなるのでそこだけは我慢しないと。

というわけで抱負なのか反省なのか分からない記事になってしまいましたが、今年も何卒よろしくお願いします。

今年こそ企画を消化する、はず。。