いやー、目出度いですね。GPIFが新たなベンチマークにMSCI JAPANとS&P GIVI JAPANを採用したので、その結果として初めてJ-REIT投資することになったようです。MSCI JAPANはNBF、JRE、日本リテールファンド、JPR、日本プロロジスが入ってます。S&P GIVI JAPANはインヴィンシブル、星野リゾート(いや、星野チサンリートと呼ぶべきか)、SIA、ヒューリック以外は全部入ってます。ヒューリックは時間の問題でしょうね。Russellはユニバースに入ってないと思うのですが、ちょっと自信ありません。
GPIFのREITの扱いとしてはオルタナティブ投資というよりは、世界標準に近い(というとこれはこれで語弊があるのですが)ということでしょうか。その国の経済リターンを享受するという意味で不動産会社もREITも区別しないインデックスで、法規制があるREITは不動産の開発はせず賃貸業「しかできない事業体」ではなく、「しかしない事業体」として扱う。法規制が変われば開発もできますし、実際、日本ロジスティクスがやってるようにJ-REITが開発してないのは、いまや事業体の問題というよりは会計上の問題という要素の方が強いです。東急リートとかグローバルワンはその点、悔やまれます。経営者がしっかりビューを持ってて含み益も沢山あったのに、制度というか役人がそれに追いついてこなかった。それはともかく、オルタナ投資枠であればJ-REITだけが暴落したときに買ってもらえるというクッションがなくなってベータが上がるのは嬉しいような悲しいような複雑な気分です。
それはそうと、こうなって来ると、従来からオルタナ投資枠でJ-REITに投資している年金基金とか悩ましい判断が迫られそうですね。少ない人数でやってることを考えると、上場プロダクトはまとめて投資してくれるインデックスの方が楽でいいですし、非上場ものをオルタナティブ投資としてやる方が、表面的なリスクリターンのボラティリティは抑えられるし、そこら辺の深く、そして絶対に答えが出ないような問いに答えなければならない。
マーケットの影響としては素直にプラスで良いのかなと。ますますJ-REITは下がりにくくなるんでしょうか。3月末に株式市場がガチャガチャしてたので大きなファンドがベンチマーク変えたかなという噂もあったのですが、昨年の外国株式の業者選定を見ていると8月末契約締結で公開が9月頭だったので、GPIFの新ベンチマークの運用はこれからなのか、J-REITは4月頭に盛り上がったのでひょっとしたらもうある程度はやってるのかもしれませんが、いずれにしろでもきっと追随する基金への期待感は少なくとも残っているのでコバンザメは来週からも出てきてくれるでしょう。今から買ってどれだけ儲かるのかいまいち読めない(基本的にいつでも弱気な人間ですが)けども。GPIFのマネージャーの選定は関与している人も多いだけに、対象ベンチマーク変更の話なんて口に出さないだけで、報道でもあったくらいなんで知ってる人も多いだろうしなあ。
余らせてる資金を全額J-REITに振り分けても良いのですが、むしろ考えるべきは上がった時に今持ってるJ-REITのポジションをどれだけ落とすか、落とした後に買い戻せるのかどうか。他に買いたいプロダクトがあると良いのですが、上述の通りダウンサイドリスクは減ってるので悩ましいところ。以上、第一印象でした。