ドキュメンタリーに海外大型M&A 大失敗の内幕を追加しました。
ちょっと噂になってた本で、タイトルの通り日本の大手企業9社のM&A事例を取り上げてるんですが事業戦略的な話はほとんどありません。内紛とか心理とか人間関係がメイン。212ページで9つの話なのでダイジェストと言えばダイジェスト。それでも視点が日本側、アメリカ側と切り替わってて面白いです。主に日本側が利用されているだけなんですがね!
三菱地所のロックフェラーの話はさすがに良く知ってますが、それでも社内にどんな葛藤があって誰がどう責任を取らされたのか生々しく語られてますし、これだけ読むとソニーとパナソニックの凋落の原因はここにあったのかと今更ながら新しい発見があります。1990年前後からあんまり変わってないなという話が半分、90年前後って今の感覚からすると石器時代だなというのが半分。
最近はASEANの仕事が多く財閥系企業の話を調べていると結構、日本の企業はM&Aで負けてる歴史があります。第三者かつ日本側の感覚だとアジアだしやっぱウェットな世界だよねーってそれっきりだったりするのですが、それがASEAN側からすると大きく伸びるきっかけだったりしてます。近いところだとキリンとタイビバレッジの争いなんかもその一つではないでしょうか。そういうのを見ていると焦る日本企業の気持ちも分かるなと。今となっては適度に古い話ではあるものの結果がはっきり出ている分、なんというか肉感的に来るものがあります。
金融系のネタが全然ないのでSMBCと大和証券とシティ、野村證券とリーマン、三菱UFJとモルスタ、あおぞら銀行とソフトバンク・オリックス・サーベラスあたりなんかも書いてくれないものでしょうか。あとはどうしようもない今のIPO市場でデビューして散っていったIT企業の内幕とかセガサミー、アトラス、スクエニあたりのゲーム系とか。こうやってみると電鉄系って全然合併ありません。意外。