ロボアドバイザーとREIT投資

秩父宮の24,000人ってあんなに人が入るのか。。inzaiです、こんにちは。肝心の試合はとても熱くあれでファンが定着しなければもう打つ手はない、それくらいのレベルのものでした。

さて、お任せ運用であるロボアドバイザーの認知度が上昇してきました。

気になるのは老舗であるお金のデザイン、直販投信の雄と米最大手とのタッグであるマネックス・セゾン・バンガード投資顧問あたりです。エイト証券、ウェルスナビはネーム的にやや劣後。エンダウメントを始めたGCIアセットも興味ありますがこれは公表されるタイミングが一緒だっただけでちょっと毛色が違いますかね。

「お任せ」をキーワードとする個人資産の運用は、アクティブ投信、パッシブ投信、ラップ運用と進化してきてETFを主とするロボアドバイザーの時代に入ってきました。期待リターンに対する低コスト化が一層進んでおります。

極端な言い方をすると、コントロールできるコストを最小限に抑え、運用はロボに任せ、自分の人生に集中できる環境を整えるサービスは限界の一歩手前まで進化してます。

株式投資をお任せするアクティブ運用は、選択の難しさ、パフォーマンスのバラつき、高いコストが問題点。
バランス型投信は選択の難しさを一部解消してくれましたが、リバランス頻度の低さ、高いコストが問題点。
ラップ運用はリバランス頻度の低さを一部解消してくれましたが、高いコストが問題点。

ロボアドバイザーはETFとロボを使うことで長年の課題だったコストを低く抑えます。ロボを使うことで、古いコスト体質が残り(そらプロダクトが残っている以上、人も残ってます)無駄に従業員の頭数が揃っている従来の運用会社の商品と決別することができます。

ロバアドバイザーの問題点は2点。

まずパフォーマンスが未知数であること。

これは誰でも思うことですが、そもそもロボアドバイザーに興味ある人は従来のサービスに疑問があるわけでその点では根本的な問題はないでしょう。そしてリスクコントロールは将来予測も加えてクオンツ中心に移ってます。大勝ちすることは難しいでしょうけど負けない運用という面ではそんなに心配してません。

ただ、ロボ運用の最大のアピールポイントは動的アセットアロケーション、要は現金比率を含めたアセットクラスのコントロールとなり、そういったリスクコントロール型の商品が期待ほどのパフォーマンスを残せていないのも事実です。導入当時こそ華々しくデビューしてますが、自分自身がマーケットの1プレーヤーとして参加することでパフォーマンスが悪くなる傾向があります。

特にテールリスクヘッジ型は最初のリスクヘッジは上手く行ってもその後にリスクを取りに行ってリターンを取れなかったりします。モーニングスターでリスクコントロール型の投信を検索すると、1月のパフォーマンスはかなりバラつきがあります。1月にほとんど損してないけど大幅高となった22日もほとんどリターン出てないものがあれば、そこそこ下がっていて22日に2%というそこそこしかリターン取れてないものもあります。

そういう意味では、どのロボアドバイザーがどういった運用を行うのかこればかりはトラックレコードを見計らうしかないものの、投資家によって運用の中身は異なるわけでこれをどう評価したらいいのか悩ましいものです。

しかも、どのプロダクトでも付きものですが、短期的にパフォーマンスが良いプロダクトが中長期でもパフォーマンスが良いとは限りません。逆もまた然り。そして多くの方々の資産は有限でありそして切実に資産運用に迫られている40代、50代の方々には時間もない。リターンの源泉の大半はアセットアロケーションによるものというのが長年の実証された「常識」ですが、自分にとって必要な期間で必要なリターンを出してくれるのか。

生まれた時代を呪うしかありませんが、これが現時点では大きな問題点です。この年齢層が動かないと各社は継続的なビジネスに必要な資産残高が集まらず自分の人生よりもロボアドバイザーの寿命の方が短い可能性もあります。

どうやってこの商品をパフォーマンスを見極めるか、まあ各社ともそんなことは言われなくとも分かっているでしょうから期待したいと思います。

年齢とか資産を入力したらアセットアロケーションが出てくるツールとか笑でしかありません。それで上手くいっていれば、ヘッジファンドなんか閉鎖しませんて。

2点目の問題点は、資産運用を自分の中でどう位置付けるのが再整理する必要があること。

お任せして人生に最適な資産運用を見せてくれればそれに越したことはありません。ただ、ロボアドバイザーに限界はあります。

アメリカでロボアドバイザーが伸びている理由はパフォーマンスやコストではありません。トータルの資産運用の中で独立系フィナンシャルプランナーが薦めてくれるからです。それ単体で人生のお金の問題を解決してくれる魔法の商品ではありません。

余剰資金のみならず、自分の年金、保険、会社、子育て、不動産、そういった要因を考慮して人生のトータルのリターンを最大化する商品の一つとしてロボアドバイザーが伸びてます。

そして今となっては、少なくとも他人と同じリターンは確保したいという人間の欲求がロボアドバイザーを浸透させている最大の要因になっていると言われております。

私が資産運用で最大に意識しているのは、会社、年金、生活のリスクを最小化することです。会社が潰れたときに失う資産は何か、年金が破綻した時にに失う資産は何か、日本が破綻した時に失う資産は何か。

ぶっちゃけ保険商品は某米系生保に投げっぱなしです。私の担当者は幸いアクティブかつ迅速に対応してくれてます。税金はそんなに複雑なことはできないのでたまに相談すれば足ります。必要なのは投資(インフレリスク)と生活費の工面(円安リスク)のヘッジだけです。

そんな私にとってはロボアドバイザリーの恩恵は何か、価値は何か。

金融の世界にフリーランチはありません。努力しただけリターンの機会は増えます。そういう意味で自分が良く知る世界であるREIT投資をロボアドバイザーに委ねる気はさらさらありません。ロボアドバイザーが浸透しパッシブ化が進めば進むほど、投資機会は絶対増えると考えております。REITの収益予想はデータの積み上げすが、過去のトラックレコードから分かるものではありませんので、そこでのアクティブリスクは自分で取り続ける必要があります。

その一方で、ハイベータやショートモメンタムは苦手です。そもそもそんなにマーケットに張り付けないし。仕事で疲弊してるのに更にそんなことしたら死んでしまいます。逆にクオンツ的なプロダクトはそういうのが得意です。いわゆるダイナミックヘッジとかそういう商品があれば投資する必要があります。今は自分で全部アロケーション決めてますが、そういうベータリスクをロボがカバーしてくれないものか。

ロボアドバイザリーというのは趣味としての資産運用が教養としての資産運用に変わるのか、もうちょっと極論すると従来の証券会社が消えて、独立系FPが中心となる世界が来るのかどうかという分かれ目なのかもしれません。金融の大動脈である証券会社が消えるとは思ってませんが、大手証券がロボアドバイザリーを始めるとフロントランニングとか色々面倒なことが起こりそうですね。