スターアジア不動産投資法人とタカラレーベンインフラファンド

ちょっと間が空き過ぎてどんなテンションでブログ書いてたか思い出せない。inzaiです、こんばんわ。仕事がどうにも中途半端で、しかも人繰りで嫌なことが起こりそうだったけど色々と気を使ってもらったようで、なんとかギリギリで踏みとどまったものの、このもやもやをどう表現したものか分かりません。もっと思うままに書き殴った方がいいのでしょうか。どこをどうやっても害にしかならない人間がいて本人はどういう気持ちで生きてるんだろうか。普通には意思疎通できないのでいつか自白剤でも飲ませて聞いてみたい。

さて、すっかり春になっていつの間にかスターアジア不動産投資法人(スターアジアリート)が上場、本邦初のインフラファンドであるタカラレーベンインフラファンドも5月上場を目指してロードショー中(恐らく)です。

ざっくり大別するとファンド系REITに分類されるスターアジアリート。スポンサーのスターアジアは公式ホームページすらなく、検索で出てくるのはタイとオランダのベンチャーであるStar Asia Groupとか「私はロボではありません」というところにチェックしろとか謎の要求をしてくるStar Asia Internationalくらいしか見つかりません。もちろん不動産ニュースサイトで検索するとそれなりに不動産売買ニュースが出てきます。でも、ぶっちゃけ業界の人以外にはまったく謎の存在と言っても過言ではありません。一昔前なら、怪しい企業ほど饒舌、情報が少ないならまだ信用できるという固定観念もありましたが、今の時代そんなのが許されるのはファナックくらい。同じファンド系でもラサールやインベスコとは比べ物にならないくらい小さな存在です。

ただ、独立系で米国資金を運用しつつリーマンショックを乗り越えたファンドであることは事実。小回りを生かして色んな不動産証券化投資をやってきてます。そんなこんなでこのスターアジアリートは実はJ-REITで初めてCMBSのメザニン投資を部分的に行うと明言しているREITです。日本でCMBS!?メザニン!?という驚きは正直隠せませんけど、アメリカではCMBSはもちろん(今年に入ってからずいぶんと金利上昇してる)CLOだってガンガン復活しているのだから日本でも同じことが起きても不思議ではありません。デベ系、商社系に正面から立ち向かってももうどうにもなりませんしね。J-REITの存在意義としてどうなの?とは思いますが戦略としては問題ないのではないかと。

運営方針はなんでもありの総合型REIT。野村マスターも大和ハウスも合併を経て総合型になっており(後者はまだ正式決定ではありませんが)、リーマンショック後の勝ち組REITも概ね総合型であることを考えると、一時に比べて総合型であることがネガティブとは言いませんが、少なくとも特定のセクターで得意分野を持つREITではないということなんでしょう。

肝心のIPOポートフォリオは見たことある物件もチラホラ。都内のアーバンパーク3物件はアドバンスレジデンスがバルクで売ったものを名称変更したもの。バルクの一番の獲物は東急不動産がリノベでがっつり儲かっているようで、その他の物件がスターアジアに入ってきました。価格はまあ御察しですが、それでもアドバンスレジデンスが保有していた旧来簿価よりは低い。本当にあの時代はバブルだったんだなと痛感します。

オフィスは何というか日本リートとインベスコを混ぜた感じ。駅から遠いオフィスで立地とオフィス名が違くね?的なものと特定のテナントのシェアが大きい地方のもの。シクリカルが悪くなると一気に悪化してくるやつですが、そうじゃなければまあそこそこの利回りが取れるので、保有期間さえ間違えなければ問題ないどちらかという私募ファンド向けのが多い印象です。

ホテルはR&B梅田東とスマイルホテル難波。ダウトーとまでは言いませんが、立地は東梅田東と汐見橋です。GW間近ではあるものの稼働には余裕あるようで来週も1万円出せば泊まれます。急な出張のときは覚えておくと良いかもしれません。

物流は横浜ロジスティクスとか船橋ロジスティクスとか名称に特徴なさ過ぎてどうしたもんやら。これから大量供給あるのに一声4.5%かーとか何気にテナント付け難しそうな立地ではありますが、今のテナントは当面いるでしょうし問題なさそう。虎ノ門ヒルズがなぜかパイプラインに入ってますけど、このポートフォリオでどうやってバランス取って買うのでしょうか。底地ラッシュ&虎ノ門とか?

良く言えば頑張ってREITとしてギリギリなところを良く集めた、悪く言えば総じてモノに拘りが感じられないポートフォリオで見てて楽しくない。ファンド系そのままのポートフォリオです。ただ、配当利回りは巡航ベースで5%、オフィス稼働率が他のREIT並みに改善できれば瞬間的に5.3%かもうちょいくらい取れるんじゃないかと。

上場してからやや足踏みしているのは素性が良く分からないのと、インベスコとかサムティも利回り5%超えているのでわざわざこの銘柄じゃなくてもねえと言った評価なのでしょうか。こういうREITが5%台で評価されない気持ちは分からなくもないけど、それだったらNBF2.5%とか他のそこそこのREITが3%というのもどうかなあと。7%くらいで下げ止まると割り切るか、景気連動性の高いアセットも多いので慎重になるか。買わなきゃいけない投資家連中により言い訳しやすいREITが無駄に買われている相場だけに難しいところ。

で、タカラレーベンインフラファンド。太陽光発電の想定売電収入をタカラレーベンが賃料保証する保守的なスキームです。資産規模は70億円超と控え目なことも併せて、第1号だからこその石橋か、単に自信のなさの表れか。太陽光ファンドへの売却でタカラレーベンは30億円の売却益が見込まれているので、収入の不安定さはスポンサーが保証しようということなのか。

私、パネルのことは良く分かりませんが、世間がざっくり懸念している売電の制限とか、FITの価格下落の話はこのファンドのIPO時点については要らぬ心配なのかなと思います。その後の外部成長のクオリティのことは良く分かりません。それはJ-REITも同じだからいいけど。

それにしてもつくづく日本の目論見書って薄っぺらくて意味がないですよね。賃貸収入とIRRと減価償却と金利コストとAMフィーだけでなんとかしろというのか。J-REITみたいにコストはほぼマーケット水準に収斂するだろうと信じていいのかなあ。利回りはなんだかんだで5%、6%くらい出るのかしらん。