明けましておめでとうございます!

皆様、如何お過ごしでしょうか?4連休だと食っちゃ寝でリフレッシュするだけで精一杯です。今年の正月は負債論 貨幣と暴力の5000年を完読するつもりでしたが進まず。本文589ページ、訳者あとがき633ページまで続き、原注が終わるのが770ページ。その後ろに参考文献が65ページ控えている大作です。プロローグで如何にIMFが腐っているか、新興国への融資額がどこに消えているのかに触れたところでかなり引き込まれ、インドや十字軍をお金の流れから分析するあたりは最高に面白いのですが、あまりにも分厚すぎて風呂に持ち込めない、外出先に持ち出せない、布団で読むのもしんどい重さがネックでした。しかも、これ読むとCivilization4をやり直したくなります。マーケットと銀行作りまくって稼ぎたくなって、あわよくば最新版の6に手を出そうとして自重するまでがセット。ゲームの基本的なコンセプトを習得するまでに時間かかるんですよね、あれ。毎回ゲームシステム変わるし。

さて、2016年は本当にしんどい1年間でした。中国ショック、BREXITショック、トランプショックを中心にテロやクーデター未遂が発生しまくりなのに調整が短いし浅い。キャッシュポジションを厚めに持っていたものの、基本的にじっくり買っていくタイプなんで利益率高くても小さいポジションばかりで、「あー、もっと買っとけばよかったなあ」とほぼ1年中思ってました。精神的にほんとしんどかった。1月、2月の米国REIT、1月、2月、6月の自動車株、7月の中国株あたりはそこそこのリターンになりましたが、一番の稼ぎになったのは長期的なポジションの日本株と、1750ptが止まればラッキーなサポートラインと思って打診買いしたJ-REITというのがもう何とも切ないです。損はしないけど稼いだ感じもしない味気ない1年。もちろん自分は神様ではなく、予想が外れたら外れたでリターンが出るような運用スタイルを維持しているからこその果実であり、ある意味では狙い通りなのですが、ちょっと凹む時間が多かったです。

2017年はその反省を活かしてスパイクボトムはがっつり勝負に行くぜ!なんてことはありません。しっかりと価格調整したところにじっくりをポジション作って勝負にいきます。でもバリュエーションとシナリオをどう考えるかとても悩んでおります。

年末年始も世界各地でテロが起こっており相変わらず不安定際回りないですが、もはやこの不安定な世界がニューノーマルなんじゃないか、こんな環境でも経済も企業も問題なく回る、むしろ戦争に比べると人命の被害も人々の心に落とす影も限定的じゃないのか、なんて考え始めております。漠然としたUKのEU離脱やトランプの保護主義がグローバル経済に悪影響を及ぼすを恐れてフルポジションに踏み込めないのですが、日本のような失われた20年だが30年のように国全体が縮小していくのはある意味で奇跡だったのではないか、欧州全体の地雷は大きくなっているけど、米国主導で大国同士が微妙な距離感を保つことで当面は世界全体が大きな困難に直面することはないのではないかと。もう頭からっぽにして、戦争が起きるまで、米国が世界経済を回してくれるまでリスク取り続けても良いんじゃないかと思い始めてます。自分がテロの主導者ならナイトクラブじゃなくグローバル企業の現地法人を狙う方が効果ありそうな気もしますし、実際にそうなるまでは局地的なテロは世界の経済全体には影響を与えないと割り切るべきかなあと。このテロの連鎖が終わるときは各国が入出国の管理を厳しくする時だけですけど、それは各国の最優先事項が明確にシフトしている時。そういう状況が来るかと言えば、極右政党の台頭、保護主義の正当化で、それは既に台頭しつつあるんですが、これが本格化するかどうか。改めて第二次世界大戦の時のメンツを見るとやっぱソレなりに頭のメーターが振り切れた人が出てくるのが条件となりますが、欧州、米国は期待(?)出来なさそう。やっぱ先進国の保護主義にぶち切れた新興国あたりが台風の目になり、資源の少ない先進国をギリギリを追い込み(欧州、日本)、裏で中国が暗躍して、米国が世界の警察的な役割を担って騒ぎを大きくするかどうか。

とは言え、短期的な目線としては、米株、日本株の過熱感は本当にこれでいいの?という恐怖感から、年末年始を挟んで色々とモメンタム的なところは仕切り直しでしょうし、昨年のJ-REITは4日連続のファイナンス発表という悪夢のような始まりで、今年についても11月の米国大統領選挙で自重した分を含めてラッシュが来てもおかしくありません。昨年はその後に日銀のマイナス金利で爆騰という激しい展開でしたが、今年は海外から消去法的に買われるくらいしかプラス材料はありません。円安で現物不動産にどこまでお金が流れるか、日銀のサポートがどこまで信用されるか、オフィスと物流の大量供給で本当に需給が崩れないか、金利は大きく上昇しないか。それだけ見ておけば良いかと。需給だけで上がっていた12月のJ-REIT市場からは一歩引いて見たいところ。

円安は昨年に日銀の警戒が入った125円が目途で、米国の金利プロダクトはほぼフェアバリューと考えるとまだ買えるかなと。ただ、1月20日のトランプで潮目が変わって負けたら立ち直れないので勝負はできないかなあ。いずれにしろ日本株とJ-REITがこのまま上がれば売却を進めてキャッシュポジションは70%で1月20日を迎えることになりそうです。もう分からないときは距離置くしかありません。