月別アーカイブ: 2017年5月

今月の更新は1回だけですか

J-REITマーケットがつまらない。inzaiです、こんばんわ。じりじり上値を切り下げるし、下がったと思ったら今日みたいに最後にするっと戻ってくるし、J-REITの決算は目新しいものないし、ラサールロジは強いし、いちごインフラもいつのまにか95000円超えたし、何と言うか良く分からないマーケットです。

時間軸が今まで以上に間延びしているというか、バリュエーション面で上にも下にも行き過ぎているという意味では3年くらい前のマーケットに戻りつつあるのかな。なんだか微妙に焦点が合いません。じゃあ配当狙うかと思うと、4月に続いて5月も権利落ち銘柄が急落し、ほんと配当なんて取らないほうがマシなマーケット。個人も機関投資家もみんなで配当取りにいってやられてんのかよと。そら一部の銘柄はPOしてくるでしょう警戒したくなる気持も分かりますけど、もう何がどうなってんのやら。7月権利落ちで言えばアドバンスレジデンスの利回りが3.4%でイオンリートが4.8%。アドバンスレジデンスの3年分とイオンリートの2年分が同じくらい。どっちも成長することないだろうし、こんなところでそこまで差をつけるか?という感じ。消去法的には住宅以外買うものないことは認めますよ。特にダウンサイドでがっつりやられたらサラリーマンとしては失格ですし、でもアメリカだって売られ続けたオフィス商業にリバーサルが入りつつあるんだからJ-REITだって戻っても良いのではないか。一頃はNBF、JRE以外の銘柄で作ったETF買いたいなんて話もありましたが、いまは住宅REITも除けば4.5%くらいのETFの完成ですからね。はよ作ってほしいもんです。

なんにせよ、昨日は浮動株イベントがようやく終わり、今日は訳の分からない銘柄入替で大盛り上がり。落ち着く気配がまったくありません。投信からは大量の資金流出が続き、それをカバーするようにETFの大量設定。正直なんでこの中途半端に割高な水準でJ-REITのETFの残高が増えまくっているのかまるで分かりません。投信の解約が一巡すればまたJ-REITに戻ってくると踏んでいるのでしょうか。それで銘柄間格差が縮小すると思いきやまったく正反対。エクセレント、森ヒルズあたりはえぐかった。

個別ニュースではアクティビアの新橋プレイスからヤマダ電機が撤退。インバウンド特化してすぐ止めたり、九十九電気になったり、訳分かんない状況でしたが無事退去。一瞬大井町かと思ってアレどうすんの?と冷や汗かきましたがあれはヒューリックリートでした。あの立地であれば選択肢はあるのですが、マルチにするかシングルにするか、周辺のテナントミックス見ると手間かかりそうだなあとも思う。売っちゃうのもありじゃないですかね。

 

あとそういえば東急リートからNTTデータが退去。大量供給の影響が出るとすると格落ちSクラスとA、Bクラスの優良テナント。いかにもって感じです。とりあえずは総合、オフィスはディフェンス重視を強いられますがNAV倍率0.93倍まで落ちてます。自社株買いしないかな。みんな何を狙っているのやら。

不動産格差 (日経プレミアシリーズ)

ソーラー発電所の現実&直近のJ-REIT市場

ドライバーがどうにも調子悪い。inzaiです、こんにちは。先週まで腕の力みが抜けていたのに、今週はトップの位置が決まらず、柔軟性に欠けるフォームに逆戻り。日課の素振りを怠るとすぐこれです。肩凝るとフォームが崩れます。

週末のネットは土曜日経の1面に出ていた再エネ失効の話で盛り上がり。そもそも昨年の規制変更時から1/3は落ちると言われており、具体的な数字は経産省が4月21日に出しているリリースであり何を今更感ありますし、タカラレーベンインフラのPO目論見書でも認定7600万kwに対し平成42年度の導入見込みは5500万kwとかなり落ちる見通しになっていることから特に新しいニュースではありません。

経産省のリリースからわざわざ3週間遅らせて日経が1面に持ってきたのは、タカラレーベンインフラのPOに合わせて来た、なんてことはないと思うのですがどうなんでしょう。こんな嫌がらせしても意味ないように見えますが、経産省、財務省、東証の足の引っ張り合いはJ-REITでも同じ。それがインフラファンドでも行われているのではないかとついつい勘繰ってしまいます。

それよりも太陽光と言えばこっちの方が面白い。結構やばそうなソーラー発電所が見つかる。かなり雑な工事も多いのではなんて言われてましたが、山肌削ってこんな急傾斜に立てるとかマジですか。

たけのことか可愛いもんです。

で、認定失効が影響あるかどうかで言えば、特に問題ないです。上記事例は極端ですけども、短期開発売り切り型の案件も多く、コンサルによっては誰も手を挙げず何回も回ってくる、不動産では良く見る光景が繰り広げられていました。そういうよろしくない案件だけは関係者全員が懸念しており、無事に失効を迎えたことはむしろ喜ばしい。急激な開発案件増加で家計負担も馬鹿馬鹿しいくらい増えており、ここでブレーキ踏んだのは英断です。失効してでも(要は新しいFIT価格)時間をかけてじっくり取り組んだ方が総合的に収益性が改善する案件もありますし、これで再エネ移行が失敗したとかそういうのはまったくありません。

悩ましいのは2点。

既稼動案件の希少性が高まってインフラファンドの取得価格が上昇するかもしれません。今回のタカラレーベンインフラは3月取得予定をわざわざ5月に仕切り直した(スポンサーが下方修正出しました)のはそういうロジックもあるのではないかと。ラサールロジポートはLTV38.7%から45%に引き上げれば巡航DPUは10%成長すると言っているのに、タカラレーベンインフラは資産倍増ファイナンス&LTVを45.4%から51.4%に引き上げてそれでもDPUの成長は+16.7%。しかも固都税含むと伸びは鈍化。ほほうという感じですね。なおタカラレーベンはこの売却のマージンが40%超。それなのに株価ほとんど反応してません。

あとは今回の失効で太陽光の周辺ビジネスがどうなるか。しょっちゅう倒産の話が出ている太陽光ビジネスですが、そもそも作ったらしばらくメンテ不要なのでそらそうよという話。今回の件で見通しが狂う会社なんてないと思ってますが、それでもゼロとは言えない。パネルはいずれ定期的な交換需要が発生するので10年くらい我慢すれば良いだけの話(きついけど)だけど開発業者は縮小するだけなんで畳んだもの勝ち。事業者潰れても全然株価に影響ないので問題ないでしょうけどいずれ人手不足の話がボディーブローのようにインフラファンドに効いてこなければ良いけども心配です。

J-REITは戻り一巡感。毎月分配型投信は公募投信上位15本のうち11本を占めており(残りはETF3本と3ヶ月型1本)、金融庁長官のコメントによる売り止めの影響を4月にもろに受けましたが何とか戻ってきました。これからの月中の分配期間にどんな影響があるのか。少なくともプラスの影響はない一方で、J-REITの純粋パッシブにお金が入ってきてくれればそれが根付いてくれれば、J-REITとしては最高の展開です。そうすれば、投信だと3.5%の分配金しか出ないけど、個別で買えば4%、5%台の優良銘柄もゴロゴロしてることに気付いてくれる人も多いでしょうし、押し目買いには大きな期待が持てます。J-REITには順張りなんて要らないんですよ。投信に比べて利回りが高い分、とにかく逆張りして資金コントロールしておけば同じくらいのパフォーマンスは問題なく出ます。余ったお金で海外REITでも買っておけば良いんです。

J-REITはこういうプレスリリースを集めてくれるTwitterもあるので情報収集も簡単です(宣伝)

なお某Mコンサルからはこの本を薦めてもらいました。概念的に把握でき分かりやすい。
太陽光発電システムの設計と施工