明けましておめでとうございます。inzaiです。去年3月以降のマーケットの乱高下も乗り切り何とか年明けを迎えることができ大変嬉しく思います。阪神大震災や東日本大震災でも痛感しましたが人間、そして人間社会はほんと強い。頭の良い人が大上段から語る悲観シナリオなんて絶対実現しません。今年も過度に悲観的にならず過度に楽観的にもならず自分の頭で考えていきたいと思います。
さて、3年ぶりの今年のJ-REIT10大予想です。2020年末のオフィス空室率3.25%と予想してたブログの予想なんて興味ないって?まあまあそう言わずお付き合いください。
①2021年の東証REIT指数の高値は2,000pt超えへ
②非デベロッパー系、非商社系のJ-REIT新規上場が増加
③物流REITの利回りが一段高
④オフィスは年末に向かって回復するも冴えず
⑤日本特化型の海外REITが増加
⑥日経平均がJ-REITを組み入れへ
⑦不動産非保有型REITが登場!
⑧ホテル系REITの大合併
⑨不動産会社がREITに転換
⑩金融庁がJ-REITの貸株を規制
詳細を述べていきます。
①2021年の東証REIT指数の高値は2,000pt超えへ
9月までに2020年末比+10%となり2000ptを超えます。政権不安もありファンダメンタルズは引き続き弱いものの株式対比での出遅れ感、REITの資産入替による利益水準の維持、コロナワクチンの期待により、爆騰はしないもののスルスルっと到達します。外部要因の組み合わせによってはもうちょっと上もあります。ただその場合、下も1600pt割れがある。なおぶっちゃけ年末は再来年の要素が大きいので考えるだけ無駄です。
②非デベロッパー系、非商社系のJ-REIT新規上場が増加
JR西系REIT組成の話が出てます。REIT組成はBS整理に持って来いですし、証券会社のECMもネタがないので積極的。おそらく各地のJRも追随し、私鉄も追いかけることになるでしょう。あと、インフラファンドのように誰?というような不動産市場で無名なプレーヤーのREITが投資家を困らせることでしょう。サイクル末期によくある話。
③物流REITの利回りが一段高
ポジショントークその1。今年も物流REITのファイナンスラッシュは止まりません。そしてロジックとか利益成長とかでなくもうマーケットが耐えきれない。昨夏から20%近く下がっているので買い手もいるでしょうが価格の限界目途が見えてしまっただけにこれまでよりも低い利回りは許容されにくい。
④オフィスは年末に向かって回復するも冴えず
さてオフィス。2012年以降の大量供給でセクターの構造的変化が起き、継続的な新陳代謝により当面はバランスの取れた需給環境が続くと思いましたが、インバウンド(による行き過ぎたオフィス解体)やIT系企業の急増で空室率低下、そしてコロナによる空室率上昇でコントロールの効かない旧態依然の状況に逆戻り。賃料下落懸念、供給過剰、築古物件による空室率増加インパクト、そういったものに悩まされる状況が続きます。マーケットのコンセンサスは年上期に4.5%あるいは5%手前でボトムアウトでしょうか。しかしボトムアウトと見せかけて2発目の下げがありオフィスには苦しい1年。
⑤日本特化型の海外REITが増加
海外プレーヤーが日本の不動産を買いまくってます。彼ら(全員とは言いませんが)は昔のような転売プレーヤーじゃないので握った資産を離さない。でもJ-REITはお上が煩いので嫌。となると日本特化型海外REITしかない。リーマンショック前にいくつかあった日本特化型海外REITはすっかり絶滅してしまいましたが、日本は外国人が簡単に所有権を取得できる稀有な国。そろそろ戻って来るのではないか。
⑥日経平均がJ-REITを組み入れへ
MSCI、FTSEがJ-REITを株式インデックスに組み入れました。TOPIXは東証REIT指数と住み分けていてETFの本数を考えればTOPIXに組み入れられることはないしょう。外国人で東証REIT指数使ってる人は皆無だけどJ-REITが株式インデックスに入ったらボラ上がって面倒だしね。と油断してたら日経平均がまさかのJ-REIT組み入れ!
⑦不動産非保有型REITが登場!
証券化市場を活性化するためにモーゲージREITの整備が急速に進みます(たぶん法制度上はできるあず。税制上は知らんけど)。日本には米国MBS市場やCMBS市場みたいなものはないけどどうなるのかなと思いきやまさかのアパートローンの証券化をぶち込まれて白目。個人的にはマスターリース債権を上場させてほしい。絶対買わないけど。
⑧ホテル系REITの大合併
息も絶え絶えもホテルREIT。資産を投げ売りするか、ファイナンスで資金繰りなんとかするか、合併するか、非上場化するか。スポンサーチェンジ&合併合戦。正直見たくないです。
⑨不動産会社がREITに転換
J-REIT関係者の悲願、アップリート。完全に諦めてましたが、ホテル事業で大赤字を出した不動産会社が「これならREIT作って売却しても税金取られないんじゃ?」と思い付きガンガンREITに物件を売って清算。実質的なJ-REITへの転換を果たします。
⑩金融庁がJ-REITの貸株を規制
世界の市場関係者が爆笑したGPIFの貸株禁止。議事録見た限りそれを強硬に推し進めたと思われる水野前CIOはテスラCEOから「Great!」と評価され取締役だが監査役だかの報酬で3億円もらえるようですがそれはまた別の話。2021年のファイナンスラッシュで低迷した東証REIT指数に焦った金融庁と日銀は藁にもすがる思いでJ-REITの貸株を制限します。GPIFを筆頭に公的、私的年金は貸株禁止。有名無実化してそうな増資銘柄に対する空売り規制も厳格適用。効果があったのかなかったのかJ-REITはそこで下げ止まり。
さてどれが当たるでしょうか。
本年もよろしくお願いします!