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ソーラー発電所の現実&直近のJ-REIT市場

ドライバーがどうにも調子悪い。inzaiです、こんにちは。先週まで腕の力みが抜けていたのに、今週はトップの位置が決まらず、柔軟性に欠けるフォームに逆戻り。日課の素振りを怠るとすぐこれです。肩凝るとフォームが崩れます。

週末のネットは土曜日経の1面に出ていた再エネ失効の話で盛り上がり。そもそも昨年の規制変更時から1/3は落ちると言われており、具体的な数字は経産省が4月21日に出しているリリースであり何を今更感ありますし、タカラレーベンインフラのPO目論見書でも認定7600万kwに対し平成42年度の導入見込みは5500万kwとかなり落ちる見通しになっていることから特に新しいニュースではありません。

経産省のリリースからわざわざ3週間遅らせて日経が1面に持ってきたのは、タカラレーベンインフラのPOに合わせて来た、なんてことはないと思うのですがどうなんでしょう。こんな嫌がらせしても意味ないように見えますが、経産省、財務省、東証の足の引っ張り合いはJ-REITでも同じ。それがインフラファンドでも行われているのではないかとついつい勘繰ってしまいます。

それよりも太陽光と言えばこっちの方が面白い。結構やばそうなソーラー発電所が見つかる。かなり雑な工事も多いのではなんて言われてましたが、山肌削ってこんな急傾斜に立てるとかマジですか。

たけのことか可愛いもんです。

で、認定失効が影響あるかどうかで言えば、特に問題ないです。上記事例は極端ですけども、短期開発売り切り型の案件も多く、コンサルによっては誰も手を挙げず何回も回ってくる、不動産では良く見る光景が繰り広げられていました。そういうよろしくない案件だけは関係者全員が懸念しており、無事に失効を迎えたことはむしろ喜ばしい。急激な開発案件増加で家計負担も馬鹿馬鹿しいくらい増えており、ここでブレーキ踏んだのは英断です。失効してでも(要は新しいFIT価格)時間をかけてじっくり取り組んだ方が総合的に収益性が改善する案件もありますし、これで再エネ移行が失敗したとかそういうのはまったくありません。

悩ましいのは2点。

既稼動案件の希少性が高まってインフラファンドの取得価格が上昇するかもしれません。今回のタカラレーベンインフラは3月取得予定をわざわざ5月に仕切り直した(スポンサーが下方修正出しました)のはそういうロジックもあるのではないかと。ラサールロジポートはLTV38.7%から45%に引き上げれば巡航DPUは10%成長すると言っているのに、タカラレーベンインフラは資産倍増ファイナンス&LTVを45.4%から51.4%に引き上げてそれでもDPUの成長は+16.7%。しかも固都税含むと伸びは鈍化。ほほうという感じですね。なおタカラレーベンはこの売却のマージンが40%超。それなのに株価ほとんど反応してません。

あとは今回の失効で太陽光の周辺ビジネスがどうなるか。しょっちゅう倒産の話が出ている太陽光ビジネスですが、そもそも作ったらしばらくメンテ不要なのでそらそうよという話。今回の件で見通しが狂う会社なんてないと思ってますが、それでもゼロとは言えない。パネルはいずれ定期的な交換需要が発生するので10年くらい我慢すれば良いだけの話(きついけど)だけど開発業者は縮小するだけなんで畳んだもの勝ち。事業者潰れても全然株価に影響ないので問題ないでしょうけどいずれ人手不足の話がボディーブローのようにインフラファンドに効いてこなければ良いけども心配です。

J-REITは戻り一巡感。毎月分配型投信は公募投信上位15本のうち11本を占めており(残りはETF3本と3ヶ月型1本)、金融庁長官のコメントによる売り止めの影響を4月にもろに受けましたが何とか戻ってきました。これからの月中の分配期間にどんな影響があるのか。少なくともプラスの影響はない一方で、J-REITの純粋パッシブにお金が入ってきてくれればそれが根付いてくれれば、J-REITとしては最高の展開です。そうすれば、投信だと3.5%の分配金しか出ないけど、個別で買えば4%、5%台の優良銘柄もゴロゴロしてることに気付いてくれる人も多いでしょうし、押し目買いには大きな期待が持てます。J-REITには順張りなんて要らないんですよ。投信に比べて利回りが高い分、とにかく逆張りして資金コントロールしておけば同じくらいのパフォーマンスは問題なく出ます。余ったお金で海外REITでも買っておけば良いんです。

J-REITはこういうプレスリリースを集めてくれるTwitterもあるので情報収集も簡単です(宣伝)

なお某Mコンサルからはこの本を薦めてもらいました。概念的に把握でき分かりやすい。
太陽光発電システムの設計と施工

ラサールロジポート、ずぶずぶなのか。。

タカラレーベン・インフラ投資法人の仮条件は96,000円-100,000円。絶対に失敗はできないというプレッシャーなのか少額の割に控え目。ベンチマークがないのでインデックスイベントもないだろうし、ラサールロジやスターアジアを見るに配当利回りだけで上がる環境じゃないという判断なのでしょうか。2.5億円買ったら5%ルールに引っかかりますし手間も多いですかね。投資主上位がスターツプロシードみたいになるのかもしれません。

そんな中で絶不調なのがラサールロジポート。インデックスイベントが終わった後は上場初値105,000円を下回ってIPO価格100,000円すら下回ってきた状況です。物流と言えばこれから大量供給というフェーズに突入するとはいえ何もしてないのにここまでアンダーパフォームするというのも珍しい。ってか、HP見ると、あれですね。飾りっ気ないにもほどがあります。稼働率とか月次で更新しててしかも上昇しているのに最新情報にアップしてないし、IPO銘柄と言えばラジオとかで頑張って宣伝するのにそれすらもしてない。そら物流REITの中では一番知名度低いとはいえ諦めが良すぎます。SIAとかインベスコを彷彿とさせる動きになってるのが気掛かり。なんでファンド系って泥臭いことやらないんでしょうか。まあそういう印象の人たちですけどなんだかなあと。もうすぐ3月中間決算出るでしょうしそこらあたりで雰囲気が変わるのでしょうか。

 

 

スターアジア不動産投資法人とタカラレーベンインフラファンド

ちょっと間が空き過ぎてどんなテンションでブログ書いてたか思い出せない。inzaiです、こんばんわ。仕事がどうにも中途半端で、しかも人繰りで嫌なことが起こりそうだったけど色々と気を使ってもらったようで、なんとかギリギリで踏みとどまったものの、このもやもやをどう表現したものか分かりません。もっと思うままに書き殴った方がいいのでしょうか。どこをどうやっても害にしかならない人間がいて本人はどういう気持ちで生きてるんだろうか。普通には意思疎通できないのでいつか自白剤でも飲ませて聞いてみたい。

さて、すっかり春になっていつの間にかスターアジア不動産投資法人(スターアジアリート)が上場、本邦初のインフラファンドであるタカラレーベンインフラファンドも5月上場を目指してロードショー中(恐らく)です。

ざっくり大別するとファンド系REITに分類されるスターアジアリート。スポンサーのスターアジアは公式ホームページすらなく、検索で出てくるのはタイとオランダのベンチャーであるStar Asia Groupとか「私はロボではありません」というところにチェックしろとか謎の要求をしてくるStar Asia Internationalくらいしか見つかりません。もちろん不動産ニュースサイトで検索するとそれなりに不動産売買ニュースが出てきます。でも、ぶっちゃけ業界の人以外にはまったく謎の存在と言っても過言ではありません。一昔前なら、怪しい企業ほど饒舌、情報が少ないならまだ信用できるという固定観念もありましたが、今の時代そんなのが許されるのはファナックくらい。同じファンド系でもラサールやインベスコとは比べ物にならないくらい小さな存在です。

ただ、独立系で米国資金を運用しつつリーマンショックを乗り越えたファンドであることは事実。小回りを生かして色んな不動産証券化投資をやってきてます。そんなこんなでこのスターアジアリートは実はJ-REITで初めてCMBSのメザニン投資を部分的に行うと明言しているREITです。日本でCMBS!?メザニン!?という驚きは正直隠せませんけど、アメリカではCMBSはもちろん(今年に入ってからずいぶんと金利上昇してる)CLOだってガンガン復活しているのだから日本でも同じことが起きても不思議ではありません。デベ系、商社系に正面から立ち向かってももうどうにもなりませんしね。J-REITの存在意義としてどうなの?とは思いますが戦略としては問題ないのではないかと。

運営方針はなんでもありの総合型REIT。野村マスターも大和ハウスも合併を経て総合型になっており(後者はまだ正式決定ではありませんが)、リーマンショック後の勝ち組REITも概ね総合型であることを考えると、一時に比べて総合型であることがネガティブとは言いませんが、少なくとも特定のセクターで得意分野を持つREITではないということなんでしょう。

肝心のIPOポートフォリオは見たことある物件もチラホラ。都内のアーバンパーク3物件はアドバンスレジデンスがバルクで売ったものを名称変更したもの。バルクの一番の獲物は東急不動産がリノベでがっつり儲かっているようで、その他の物件がスターアジアに入ってきました。価格はまあ御察しですが、それでもアドバンスレジデンスが保有していた旧来簿価よりは低い。本当にあの時代はバブルだったんだなと痛感します。

オフィスは何というか日本リートとインベスコを混ぜた感じ。駅から遠いオフィスで立地とオフィス名が違くね?的なものと特定のテナントのシェアが大きい地方のもの。シクリカルが悪くなると一気に悪化してくるやつですが、そうじゃなければまあそこそこの利回りが取れるので、保有期間さえ間違えなければ問題ないどちらかという私募ファンド向けのが多い印象です。

ホテルはR&B梅田東とスマイルホテル難波。ダウトーとまでは言いませんが、立地は東梅田東と汐見橋です。GW間近ではあるものの稼働には余裕あるようで来週も1万円出せば泊まれます。急な出張のときは覚えておくと良いかもしれません。

物流は横浜ロジスティクスとか船橋ロジスティクスとか名称に特徴なさ過ぎてどうしたもんやら。これから大量供給あるのに一声4.5%かーとか何気にテナント付け難しそうな立地ではありますが、今のテナントは当面いるでしょうし問題なさそう。虎ノ門ヒルズがなぜかパイプラインに入ってますけど、このポートフォリオでどうやってバランス取って買うのでしょうか。底地ラッシュ&虎ノ門とか?

良く言えば頑張ってREITとしてギリギリなところを良く集めた、悪く言えば総じてモノに拘りが感じられないポートフォリオで見てて楽しくない。ファンド系そのままのポートフォリオです。ただ、配当利回りは巡航ベースで5%、オフィス稼働率が他のREIT並みに改善できれば瞬間的に5.3%かもうちょいくらい取れるんじゃないかと。

上場してからやや足踏みしているのは素性が良く分からないのと、インベスコとかサムティも利回り5%超えているのでわざわざこの銘柄じゃなくてもねえと言った評価なのでしょうか。こういうREITが5%台で評価されない気持ちは分からなくもないけど、それだったらNBF2.5%とか他のそこそこのREITが3%というのもどうかなあと。7%くらいで下げ止まると割り切るか、景気連動性の高いアセットも多いので慎重になるか。買わなきゃいけない投資家連中により言い訳しやすいREITが無駄に買われている相場だけに難しいところ。

で、タカラレーベンインフラファンド。太陽光発電の想定売電収入をタカラレーベンが賃料保証する保守的なスキームです。資産規模は70億円超と控え目なことも併せて、第1号だからこその石橋か、単に自信のなさの表れか。太陽光ファンドへの売却でタカラレーベンは30億円の売却益が見込まれているので、収入の不安定さはスポンサーが保証しようということなのか。

私、パネルのことは良く分かりませんが、世間がざっくり懸念している売電の制限とか、FITの価格下落の話はこのファンドのIPO時点については要らぬ心配なのかなと思います。その後の外部成長のクオリティのことは良く分かりません。それはJ-REITも同じだからいいけど。

それにしてもつくづく日本の目論見書って薄っぺらくて意味がないですよね。賃貸収入とIRRと減価償却と金利コストとAMフィーだけでなんとかしろというのか。J-REITみたいにコストはほぼマーケット水準に収斂するだろうと信じていいのかなあ。利回りはなんだかんだで5%、6%くらい出るのかしらん。