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ケネディクス不動産リートが半年前に買った金沢のビルを売却

なんということでしょう。

7億円の物件を売って売却益1億円出したのに期初に売ったことによるCF喪失と相殺されるため業績予想は変えませんてなんということでしょう。

この7億円の物件は年間2億円も会計上の利益を出していたということなんでしょうか。言ってくれたら買ったのに!

1週間前に出したばかりの予想利益にはこの売却益で嵩上げした分も織り込んでましたって言えば良いのにね。

ケネディクス・リートの兜町日興ビルからSMBC日興証券が退去…だと…

こんばんは!ご無沙汰しております!!inzaiです!!!

山場を越えて(今年何回目だ)テンション高いです。当面は、まともな人間らしい勤務時間に戻りますので、このブログも従来通りJ-REITのブログとして運営していきます。

で、タイトルのリリースですが、久々に「うえっ!?」って声が出ました。

だって、このビルは2011年末にAIGエジソンから取得した日興ビルシリーズの旗艦物件で、テナントは当然ながらSMBC日興証券おひとり様使用。

そして、SMBC日興証券といえば、ケネディクス・リートのメインバンク(最大レンダーという意味で)であらせらる三井住友銀行の100%子会社。当リートのスポンサーであるケネディクスのメインバンクでもございます。

ケネディクス・リートが日興ビルシリーズを取得する際には、その辺の関係に期待した投資家も多く、そのことをアピールしていたとも言われるのですが…。

まさか、取得から5ヶ月で退去されるとは…。賃貸面積ベースでポートフォリオの2.4%、茅場町で日興証券の1棟借りってことは2万円前半を優に超えているでしょうから、収入ベースでは間違いなく3%以上の減収要因ではないかと。

しかもきっちり半年前解約予告とか血も涙もない。さすが三井住友銀行。

配当金へのインパクトはざっくり500円くらいか。DPS9300円の会社なのに…今年4月に31万円を超えてから急落した株価の背景に何があったのか分かりませんが、これも一つの話として流れていたのでしょうか。

正直、このリリースを確認した時に最初に思ったのは「うわあ…内田社長、就任して初めての決算発表にこれか…きついで宮島さん」ということ。最後の方は一部の投資家の信頼を失っていたとはいえ、ベテラン社長を引き継ぐだけでかなりの重圧があるものなのに、その上でこのイベント。私なら会社休むこと請け合い。

それにしてもここに入居してた日興SMBCはどこに移転するんでしょうか?丸ビルなのか新川なのか。そして移転先を探しているという某金融機関にとっては、手頃な感じではないかと思うのですが…ある意味、ここの空きがどうやって埋まるのかは今のマーケットの試金石かもしれません。

あと、アクティビアの価格決定も今日でしたっけ?

ケネディクス不動産リートの宮島社長が退任…株価にはネガティブかな

J-REITの名物社長と言えば、NBFの西山社長(初めて上場したJ-REITでずっと社長)、東急リアルエステートの堀江氏(本も書いちゃう理論派)、グローバル・ワンの山内氏(自分のポリシーは曲げない孤高の存在。IRしない)、そしてケネディクス不動産リートの宮島社長が挙げられる。

その中で、この社長だからこのREITはここまで来れたという意味では間違いなく宮島社長が選ばれる。

他の3氏が「良い立地、良いスペック」という王道の不動産運用だったのに対して、宮島氏率いるケネディクスは中小型オフィスという「山ほど同じような物件があるが、山ほどテナントもいる。オペレーションが勝負を分ける」という運用方針で多くの投資家の信頼を得てきた。

細かいリーシングで高い稼働率を維持し、古いビルをお化粧で生き返らせ、20物件以上のレジを「運用方針が曖昧になるから」と売却。

スポンサーであるケネディクスが青色吐息でも「うちはスポンサー以上に信用されてますから」と言い切り、他の新興不動産会社のREIT(パシフィック、ジョイント、クリード、リプラス、アセットマネージャーズ、モリモト等)が次々と買収されたり、新しいスポンサーに代わったりしても、ケネディクスリートはケネディクスリートのまま、ここまで生き残った。

ここ数年は既存投資家に大きな希薄化のダメージを負わせたり(2回目がトドメだった)、意味不明なオフィスを買ったり(札幌とか日興シリーズとか。銀行から買わされたんだろうけど)、優良物件を売却したりで、徐々に信頼を失っていたのは事実。

完全に銀行の言いなりじゃないかと厳しく責められていた。

それは株価と利回りが如実に表している。

でも、社長としてはREITを成長させることが責務であり、ギリギリの範囲でリスクを取り続けたのだろう。市況さえ戻ればいつでも主導権は取り戻せると踏ん張っていた。

結局、オフィス市況は戻らず、時間との勝負に負けたけど、やるべきことはやったんじゃないかと思う。社長が頑張ったからと言ってそれで投資家が救われるわけじゃないが、そういうことも一度や二度ある。自信のない銘柄に過度にウェイトを置く投資家が悪いわけで、長期投資なら大きな損はしてないだろう。

残念なのは決算説明会で社長の最後のコメントが聞けないこと。言いたいことは沢山あったんだろうなあ。あと、あんな運用の難しいポートフォリオを託された次の社長は大変そう。

ひょっとしたら、宮島社長の退陣はケネディクスリートが次の成長軌道に乗るためのステップかもしれない。どっかと合併したりね。ケネディクスのバリュエーションなら舌なめずりしてる会社はいくつかあるんじゃないかなあ。