12月2日も急落してたJ-REITがまたも急落しました。inzaiです、こんばんわ。2日に比べると全然迫力のある売りではありませんが、米雇用統計が強くてUS-REITしっかりで安心感が広がりつつあったのに何故か投げ売り。指数にして15ptくらいで最後にはすんなり戻りましたが、なんとなくボラティリティが高くて気持ち悪いです。2日の記事で踏ん張りどころだけど逃げる準備してるってことを書きましたが踏ん張り継続です。とは言え、エマージング関連のアセットは結構ボロボロです。全部が悪いわけではありませんが、原油関連はねえ。売り一巡感のあるところで仕込んだものがジリ貧。利益乗ってもうまく利益確定できないし損切りも下手。ぐぬぬ。
あと、一部で話題になってる金融庁による不動産向け融資の強化。地銀向けにやるとか言ってますが、WSJが11月に報じたものの後追いがなぜこのタイミングで出てくるのか。内容はともかく、アパートローンとか住宅ローンとか含めて結構えげつない状況になっているので注目度は高いです。年収倍率とかそういうのは遠い昔の話になっており不動産は最悪手放せば良いやと、マンション価格が下がらないことを前提とした神話に近い妄信が蔓延ってますので、売ればトントンだけど金利低いからオリンピックまでに我慢しようとかジリ貧まっしぐらな話がこれから増えてくると怖いです。原油も上がるシナリオが何もないことくらい分かってますが、アセットミックスの観点からちょっとくらい持っててもいいやと同じレベルの発想。書いてて苦しい。良く知ってるアセットだと損切りも簡単なんですが。
それはともかく、どういう風に監視強化するのか分かりませんが、今まで意識的にジャブジャブだったのを引き締めるとなると怖いです。正常化するだけのつもりが一気に冷えていくのは良くある話。金利引き上げや担保価値の見直しでもダメージは当然大きい。最悪でも損は出ないが利益も出ないだけで済むというバックストップがあるから投資できるわけでそれが揺らぐとお金の流れは止まります。どこにも恐怖感を与えず引き締められれば良いのですがそんな妙案はありません。現物の不動産は流動性がありませんし、株式市場と違って予兆管理とか出来ないからほんと怖い。
では地銀向けの強化がJ-REITに影響があるのかどうか。率直な感想としては、REITは2008年の反省を活かして備えをしているところが多いので多分大丈夫かなあと言うシナリオは作れますが、でもトラブルには巻き込まれるんだろうなと。総じてLTVは抑え気味で運営されてますし、分配金も今の水準を維持するだけならPOは必要ありません。2008年に比べるとレバレッジが大きくかかっている世界はREITよりももちょっと濁ったところの不動産マーケットではないかと思うので直撃は避けられそう。スポンサーも業績悪化くらいで済むでしょうしクレジットには響かない。しかし残念ながらどこかの金利が上昇すればJ-REITの調達金利もいつか上がります。地銀がJ-REITに貸してる金額はわずかなものですが、貸し手が減れば金利は絶対に上がります。9月決算のREITを見ていると平和不動産リート以外は金利低下の影響はかなり限定的になっておりますが、それでも金利が上昇に向かうと成長要因がマイナス要因になるわけでこれは大きい。民泊が規制されて、マンション投資も難しくなれば住宅REITにとっては悪い話ではありません。でも、不動産価格が下がるって明らかにメリットよりデメリットの方が大きい。実力で減配になったとき、J-REITの魅力的な配当利回りはどこなのか。そして株式市場の配当利回りはどこで安定するのか。選挙の話が出てきたのは、本格的に景気悪くなる前にやっとくかということなんでしょうかね。