そういうのあったなあと思ったら意外に設定が細かくてびっくりしました。inzaiです、こんにちは。バザールでござーるのデザイナーってだんご三兄弟と同じだったんですね。全然知りませんでした。
無事に払込価格も決まって運用会社の人も一安心のラサールロジポート、いちごホテルの時も書きましたがほんとIPOの情報が充実するようになりました。色んな人が色んなこと書くので情報が多いほど良いってもんではありませんけど、ケネディクスレジデンシャルの時ってほんとに上場すんの?ってくらい情報なかったです。客観的な数値データが入手できるようになっただけでも有難い。今でもそこらへんの情報格差は何んとかならんのかいと思いますが、それでもましになったあと思います。
専門サイトも東京IPOくらいしかなかったのがLet’s IPOが始まっていたり、マザーズが冷え込んでもこれくらいの情報の厚みはずっと欲しいところです。
このラサールロジポート、第一印象はと言うと、相模原、橋本の取得価格が高い!東扇島が古い!北柏の流山のPMってトーセイかよ!日本のラサールって思ったよりビジネス小さい!の4点です。
それでも配当利回りが4.2%ということもありIPO発表直後は割安感に欠けるようにみえるプロロジス、GLPあたりが大きく売られましたが、仮条件は目論見書記載の10万円に対し下に幅を取った92,000円~100,000円。マイナス金利直後に申込があったことから難なく10万円で決まってますけども、この経緯を見ると今後も山あり谷ありの道のりになるのではないでしょうか。
最大の懸念点はラサールがデベロッパーではなくてファンドであること。ファンド系の運用がデベロッパー系の運用に必ず劣るとは思いませんが、ことJ-REITでは高い評価を得られてません。SIAしかりインベスコしかり、2008年前の新興不動産系しかり。ラサールも2008年から2011年まで、アセットマネージャーズの後を継いでラサールリートという商業REITに取り組んでました。そして日本リテールファンドに吸収されました。残っているのはケネディクスくらい。こちらも苦労したものの規模を大きくすることで(あと影のスポンサーにも面倒見てもらって)今の立場を築き上げました。そういうのを見るとどうしてもグループ全体のAUMがデベ系に比べて見劣りするファンドは小さなマイナス点が積み重なっていって苦労していることが多いです。
ラサールはプロロジスと並んでいわゆる先進的物流施設では日本のパイオニアではありましたが(と目論見書にも書かれてます)ファンド系の宿命として出口でJ-REITに物件売却しているため(GLP、日本ロジスティクス、福岡、産業ファンドなど)、現在のAUMはプロロジス、GLPに大きく劣後しており、今後、外資系や国内金融系からまとまって取得すればその差を埋めることは不可能ではありませんが、その状況はこれからも変わらない可能性が高いです。背景は知りませんけども橋本、相模原が三菱地所との合弁というのもそういったところをついつい連想してしまいます。
幸いIPOの価格が10万円で決まったので上場時のLTVは30%台後半。これを引き上げれば配当利回りは4.5%まで伸ばすことも可能ですが、ガバナンスが効かないその時の取得価格がどうなるのか想像もつきません。彼らは今後もファンド形式でエクイティを集めねばならず、そうすると現在スポンサーが抱えている物件をIPOの時より低い値段で入れてくることは大事なお客さんの信頼を失うことに直結します。産業ファンドのように小粒な物件を集めることもしないでしょうし、東扇島のように利回りが取れる物件もマーケットには存在しないでしょう(ある意味ではあればオーパーツだと思ってます)。さてどうしたものか。
ラサールのNOI利回りは4.9%、プロロジスのNOI利回りは5.5%。でも配当利回りはプロロジス3.32%、GLPが3.79%。ラサールとはIPO相応のギャップがあります。その時のマーケットの状況次第でしょうなあ。