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REITの社長が本を出した。それでも、あなたは新築マンションを買いますか?

今日のショックだった出来事。

水道橋駅徒歩1分の書店FUTABAがいきなり閉店した。

 

閉店のお知らせこそ店頭に出ているが、連絡先書いてない。ウェブサイトもそのままだし、これ夜逃げか?というほど店内が散乱。換金性の高い漫画や文庫本だけごっそり引き抜かれている(写真奥の空戸棚ね)。

マンガの品揃えが的外れで(ジャイキリの新刊はないのにブックオフで在庫だぶついてるのは全巻揃ってるとか)、場外馬券場をを意識しているのか男性用の趣味雑誌がやたら豊富だったり、個人的に使いにくいレイアウトだったけど、あれだけ人通りが多い立地でもやっていけないもんなのか。

B1Fのネットカフェが経営圧迫したんかねえ。そういえば飯田橋、水道橋エリアで何故かここだけ使ったことない。

(きっちり手続きしてれば)すぐにテナント決まると思うけど、飲食店にするには水回りと排気装置の工事必要だし、中途半端にワンフロアが大きいうえにB1Fと1Fが店内でしか繋がってない点は扱いにくい。大手チェーン、水道橋駅の隣にあるマクドが移転したりするのだろうか。

ゲオかツタヤ来てほしいけど、人口集積の低い街だからなあ。

それはさておき、REITの社長、正確にはユナイテッド・アーバンに吸収された今は亡き日本コマーシャル投資法人の前々社長の牧野知弘氏が本を出した。

それでも、あなたは新築マンションを買いますか?  - 今、いちばん賢い「家」の買い方とは?

不動産業界の連中で飲みながら「新築マンションどう思う?中古もピンキリだよな」って話し掛けたら、こんな内容で盛り上がるだろうなというくらい旬のテーマを抑えつつ、業界外の人間にはあまり言わない(言っても正しく理解してもらえないから)ことにも触れられている。

例えば、外壁が波打ってるビルは漏れなく施工が悪い、タイルの目地から水の染み出し跡がある物件は論外、といった呼吸するくらい当たり前のようにチェックすることから、リフォームのこと、マンションの築年数のこと、新築のこと。

東洋経済やダイアモンドでちょくちょく別冊でマンション特集するが、その内容を全て抑えつつも、一歩も二歩も踏み込んだ内容になっている。過度に楽観的でもなく、また過度に保守的でもない、如何にも実務をやってきた人間だからこそ言える現実的な妥協点が記されている。と思う。

ボストンコンサルティング、三井不動産と言う素晴らしいキャリアを歩みつつ、不動産屋というオーラも備えていた牧野社長は投資家の信頼も厚かった好人物だが、勇退後に選んだ道は地味なようでいて不動産屋がみんな夢見る「人のために役立つ仕事」。うらやましい。

サンケイビルがTOBで爆騰!割安なJ-REITにも資金流入を期待

しません。

もう期待するのもうんざりだよ!
立飛企業、新立川航空機の時もそうだけど類似のニュースに何回裏切られてきたのか!!

サンケイビルの実質PBR(不動産の簿価ではなく時価で評価したPBR)は0.2倍弱。TOB価格は2.5倍のプレミアムを乗せるということで、TOBを仕掛けたフジは実質PBR0.5倍が妥当な線と判断したことになる。

ちなみに実質PBRは、(「会社の保有資産の時価評価(サンケイビルの大半は不動産)」-「負債」)/株価なので、J-REITで使われるP/NAV倍率とほとんど同じ考え方。

なので、不動産の時価=株価であれば実質PBRは1倍という計算になるが、「株主が納得して、邪魔(買収競争参加者)が入らない」価格は実質PBR0.5倍だなと判断したのがここまでの事実。

ファンドがさらにTOBしてきたり、他の主要株主から物言いが付けば価格は上乗せされるかもしれないが、中堅不動産会社のPBRは0.5倍前後、財閥系でも0.7倍前後の現状からするとすんなり勝負あり、むしろ株主にとっては僥倖と言っても過言ではない。

もちろん実質PBR0.5倍でも割安だ、上場させておくのは勿体ないと判断したからこそTOBするわけだが、新興企業と異なり、不動産という物の価値がはっきりしているはずの企業が割安なまま退場していくのは、悲しいけれど事実なのよね。

もちろんPBR1倍が正しい姿と主張する気はさらさらなく、マーケットで付いた価格が正しい価格。割安なものはずっと割安という変えがたい事実を基に、J-REITを運用する側と投資家は如何に業界を存続させることができるのか。

割安に放置されるならもっと割安で買えば良い、ただそれだけのことではあるのだけども。

インサイダー取引って逮捕されるのな

経産省幹部の話。

インサイダー取引って課徴金だけかと思っていたら、金商法違反なんだから罰金、懲役もあるんですね。言われてみれば当たり前だが、逮捕もされる。

しかし、モラルの低さ云々以前にレベルがとても低い。妻名義だったら大丈夫という認識も、内規が本人名義のみを対象にしてたことも酷い。インサイダー関連の新聞報道見ていれば、名義なんて関係ないことくらい分るだろうに。「あれ?この内規ザルじゃないか?」と思わなかった法務担当もコンプラ担当も大概だが、本人も内規を守っていれば法律違反でも大丈夫とでも思っていたのだろうか。

ただ、一方で東電やインペックスの増資はもちろん、NBFの12月の株価にしても、客観的に見ていると「真面目に調査したらアウトじゃね?」というのは沢山ある。それを「織り込み済み」として株価を予測するのもまた楽しいし、正直なところ12月の時点で「1月に公募増資するから」と言われても積極的にポジションを落としたいとは思わないけど、どこかの誰かがみんなで「右向け右」やってるのは事実なんだろうなあ。

REITにとって難しいのは、ずっと株価が下落していたNBFがPOのリリース後に上昇しているのに、株価がしっかりしていたADRはリリース後に下がっているという事実。結論変わらないんじゃ、と考えたりしたり。投資家にできることは安く買うことだけです。はい。

(追加)
そういえば、スイス国立銀行(スイスの中銀)のヒルデブランド総裁も奥さんがインサイダー取引やって辞任してましたね。政策によるフラン急落を見越して50万ドルのスイスフラン売り/ドル買いで、6万ドルを稼いだとのこと。信用失墜は免れないものの、犯罪ではないんでしょうね。これは。