恩師 川口有一郎による最新不動産金融の集大成!不動産エコノミクス!

久々に過ごしやすい気温で思う存分にダラダラ過ごしたinzaiです、こんばんわ。見たかったジャンレノのシェフをギンレイホールで見て、あまりに魅力的な料理の描写にランチは迷わずフレンチという気分でメゾン・ド・ラ・ブルゴーニュに行って、ウサギとかカモとか赤身の肉食って、豊富なグラスワインを楽しんだ結果やることが何一つ終わってない夜22時ですよ。シンガポールのGICがBlackstoneからロンドンのSクラスオフィスを買ったくらいしかネタ仕込んでません。

 

そういえば足の怪我がおおむね癒えたのでジョギングを再開したのですが、その後2日間、朝勃ちが凄かったです。おれは中学生かと言わんばかりにビンビン。あれ何なんでしょうね。やっぱ座ってばかりだと股間の血流が悪くなってて、ジョギングによってその辺の血流が劇的に良くなったということなんでしょうか。これは当面真剣にやらざるを得ない。

 

さて、夏休みに読み漁った本、雑誌が意外にピンポイントでREIT関連だったのでいくつかを紹介(というか自分用のメモです。物忘れが激しくて2か月経ったら頭のデータベースから消えることが多いので)

 

月刊 ホテル旅館 2013年 09月号

海外レポートはバリでインドネシア系資本のムリアが昨年末にオープンしたウルトララグジュアリーのザ・ムリア。あれか、基幹物件にザ・○○(会社名とか今までのブランド)と付ける感性は大京のザ・ライオンズとか三菱地所のザ・パークハウスとか日本だけと思ってましたが、海外も同じようなもんなんですか。しかし、ザ。ムリアは凄まじいクオリティ。写真見ても、走るかどうかじゃなくかっこ良さだけ追及するいわゆるコンセプトカーと同じ香りしかしません。まじでこんなもん作っちゃったのか。これはどん詰まった国とこれからの国の差なのか。。

 

ちなみに買ったのは(定価2100円と高いのでテーマ見て買うかどうか決めてます)、今月号のテーマが「旅館の国際化とインバウンドビジネス」だったからです。国際化という題目そのものは陳腐なもんですが、それを効率的に実践できるかとなると別物でして、上述のメゾン・ド・ラ・ブルゴーニュ
に置いてたフランスのフリーペーパーにはジャパン・ホテル・リートのイビス東京新宿
がアコーホテルグループの日本基幹物件として宣伝されてましたが、やっぱりこれは巨大なホテルグループがオペレーターであるから実現しているわけでその前のオペレーターまんまじゃちょっとこうはならないだろうなと(そういやこのREITが保有している中央区のホテルが今夕のニュースに出てましたね。ホテル名がフルに出てましたし看板からして間違いないと思いますが、ネットのニュースではホテル名までは出てないのでここではぼやかしますが)。

 

話が逸れましたが、記事としてはお約束のJNTOのインバウンドの統計(要は国別の訪日者数とか)をはじめ、中国富裕層の旅行行動やここ10年間の旅館業界の成果なんかが記事になってまして、個人的にはマップル等による旅館向けオンライン戦略の提案なんかがまあ面白かったかなと。星野リゾートの話とか期待したのですが、それほどオペレーターの記事は少なかったですね。ある意味、やりつくされたテーマでもあるのでそういうのは過去の記事や書籍の紹介でカバーされておりそれはそれでデータベースとして有意義なのかなと。

 

食品商業 2013年 09月号

テーマが「新基幹、ヤオコー東大和 2013年最注目店の正体見たり!」。おいおい、フロンティア不動産リートが保有するイトーヨーカドー東大和店
の対面に新規出店とはなんてことをしてくれるんだと。このヤオコーは元々ダイエー東大和店だったところを開発した物件で、ダイエー自体はイトーヨーカドーに手も足も出ずに長期間赤字(だったらしい)で撤退したので、撤退・再開発と聞いた時はぶっちゃけマンションか何かだろう、フロンティアにはプラスの話しかないなと思ってたらまさかのヤオコー。そして川越に続く大型店舗で気合入りまくり。

 

売場面積で言えばIYの1/6程度ですが、今はどこのスーパーも稼ぎ頭は食品であって、その食品に強いヤオコーが食品売り場を強化した店舗を出すなんてされるとぶっちゃけ嫌な予感しかしないわけで、そもそもIYは食品強くないし。そしてこの雑誌でも精肉、鮮魚、成果、総菜など細かなカテゴリー毎に相対評価をしてまして、総合的にどっちが上かとはこの雑誌の性質上、明確には書けないのでしょうが、IYは痛いところ突かれまくり、みたいな。もちろんヤオコーはそういう勝ち目があって出店したので当然でしょうけど、道路一本のアドバンテージでどこまで通じるか。ちょっと不安です。とはいえ、食品の単価ベースで掘り下げる記事を見ると如何に自分が表面的なところで不動産を評価しているのか痛感致します。

 

CASINO japan(カジノジャパン)Vol. 27

いろんなところからカジノ情報はもらってますが、少なくとも証券会社なんか目じゃない。カジノ業界掘り下げまくり。むしろこの10年間、この雑誌はなんのテーマを取り扱ってたのだろうというくらい最新カジノ業界大特集になってます。普通は第一号がこういう内容になるよね。日本版カジノのこれからのプロセス、他国の現状、果ては日本で可能なオンラインカジノの話まで。欲しかった情報がの全てがここにあります。保存用、鑑賞用も買おうかしらん。

 

不動産エコノミクス―資産価格の7つの謎と住宅価格指数

こんなこと勝手に言ったら怒られるかと思いますが、川口先生はこの本である意味、グローバル水準でアカデミックな不動産金融の現状を全て網羅することを企んだじゃないかと。そして、既出のモデルを片っ端から日本の不動産業界に当てはめていくことでいつまで経っても変わらない日本の不動産業界に一石を投じたかったんじゃないかと。それくらい内容が充実した一冊です。

 

別に恩があるから褒めちぎっているのではなく、不動産金融に限らずアカデミックな方面でこれだけ広いテーマを一冊で扱う本ってまずありません。論文を書くときに一番困るのが今の学会の全体像が把握できないことで、自分がやろうとしていることが新しいのか古いのか、古いとして何が問題点で研究が行き詰まったのか、常に研究の先端にいる学者じゃない限り、実務畑の人間にはそんなことさっぱり分りませんもん。

 

そういう意味では巻末の参考文献だけでもこの本は価値があります。

 

住宅価格のアセットプライシングモデルを軸として、その予測可能性、ファンダメンタル価値、ビジネスサイクル、(お得意の)オプション価値など各論を多方面に展開していきます。こういう本にしては結果重視というか数式はかなり控え目です。ひょっとしたら、わざわざこの本のデータを検証したり、ここから発展させたりする人はいないだろうという開き直り、というかやりたい人は参考文献読んで勝手にやればというスタンスなんでしょうか。川口先生がアカデミックな論文書くときはそういうとこを丁寧に書くので個人的にはそのギャップにかなり驚いております。逆に言うとエッセンスだけ欲しい人(大半の人はそうなんでしょうけど)にはとても読みやすい。

 

いつもながら実務からちょっと遠いというか、そもそも現物不動産はモデルで分析するためのデータを整備しなければならないというのが今の日本の問題点で(というか各国の不動産価格なんて整備されているのは米国のケースシラーくらいですが、これだって本来ならかなりざっくりした感じのところを奇麗にしているだけなので)、モデルを当てはめるには色々と足りてない感はありますが、それでも米国以外に比べると頻度やカバレッジは整いつつある日本において、こういう分析をするためにデータ整備が必要なんじゃー!!と業界に問うには十分濃い内容になっております。

 

この本の内容を全て頭に入れればJ-REITで大儲け!というわけには行きませんが、自分の頭の中をリフレッシュ、例えば事象Aに対して関連する事象がBとCだったのに、DやEまで繋がるようになったとか、全然関係ないと思ってたXやYもワンクッション咬ませることで無視できない存在になるとかそういう成長という意味ではとても為になる本です。人生に行き詰った人には是非!

 

以上!長い!ジョギング効果が朝勃ちだけじゃなくこんなところにも!!!