J-REIT」カテゴリーアーカイブ

金利上昇が止まらない

あまりに更新頻度が低く、ついにGoogleの「J-REIT ブログ」検索からも落ちてしまいました。inzaiです。こんばんわ。

今や上位にいるブログは「J-REITでFIRE」ばかり…

目を覚ませGoogle!!
J-REITでFIREできるはずがないだろう!

J-REITに20年間投資してきた自分が断言する!J-REITでFIREできるのは歴史的な大クラッシュ時にたまたま退職金が転がり込んできたおっさんだけです!

それはさておき神風が吹いたとしか思えないほど株式市場&金利市場&海外REIT市場とは全く別の動きを続けていたJ-REITも久々に-2.6%と大幅調整となりました。日銀も2月22日以来の出動です。12億円だけね。

昨年来の鬼門だった2000ptを超えても、ETFがずっと売り越しでも、先週木曜まで9勝1敗と違和感バリバリの近況だっただけにやっと調整きたなという感じです。でも、米国REITが3日で10%安、13日夜だけで5%下げたのに比べるとJ-REITの調整は微々たるもの。大手の海外REITなんかはコロナの時の安値まで来てる銘柄もありますし、REITが大きく買われるようになったのは金融緩和の低金利環境で債券代替として。そういう意味では国債利回り、債券ファンドのいくつかはコロナの時なんて目じゃない水準まで売られているのでJ-REITの強さはまさに異次元と言っても過言ではないです。

じゃあこれから大きく調整するかと言うと難しいところ。単純に米国REITに連動するなら年初から25%調整しているので、これを当てはめると東証REIT指数1550pt。あと20%下げなければいけません。で、利回り4.6%。利回り4%教的には十分な数値です。そこまで行くと有難いけども、日銀が金利を必死になって抑えつけているし、海外マネー、好調な現物不動産をそこまで行くかな。

いや、海外はJ-REITよりもTOB活発でもクラッシュしているので現物不動産と比べることに意味はないのかもしれないし、金利もいつまで抑えつけられるか。黒田総裁がいつ体調不良で辞任するか分からんし、金融政策のツケが物価上昇と言う形で急速に国民感情を損ねていることを考えると参院選に一抹の不安が、、いやないでしょ。野党があんな感じで自民党が負けるわけない。

ファンダメンタルズは微妙。ホテル以外は材料がないです。オフィスは賃料も空室率も下げ止まりつつありますが、むしろ足元は供給の踊り場というだけで数年にわたり二次空室、三次空室が出てくることを考えるともう1発、2発食らうこともありそう。住宅は安定感あるし売却益計上でダウンサイドはカバーできるけどあの利回りが低すぎる。商業はなんともだが、インフレで海外の商業は総崩れになってて、この流れは日本にもありそう。物流は供給増あるけど価格調整が進んでいるのでなんとかなるかな。ホテルは材料あると書いたけどインバウンド&リオープニング初期はビジネスホテルは食い合うのでまず期待裏切られる。その後にどこまで伸ばせるか。いずれにしろハイシーズンとローシーズンのギャップが大きくてブレる。

どのREITも頑張ってて、特に大手は良い意味で前例を打ち破ってこの苦境を乗り越えようとしている。そこはすごく評価してる。特にNBFと東急リート。素直にしゅごい。しかし、株はどこまで行ってもグロースを追い求める商品なので、利回りだったら債券で良いし、成長性だったら株でいい。特に今は優良株が安くなりつつある。あと海外REITは金利コストが1.2倍になるくらいで叩き売られているのに、J-REITはちょっと金利が上がると金利コスト2倍ですからね。その辺も心配。先行きがすっきりしたらJ-REITに投資する必要ない局面も来るんじゃないかと心配してます。

クラッシュする海外物流REIT

GWは如何お過ごしでしょうか。inzaiです、お久しぶりです。世界の金融市場が金利上昇で激震している中、J-REITがなかなか調整する兆しを見せないこともありブログ更新がすっかり遠のいております。

魔のGWを乗り越え5/6の東証REIT指数もまさかもプラス。しかし変調が出ているとすれば物流REITでしょうか?5/6のワースト3は三井不動産ロジ、日本プロロジス、GLPの主要物流REIT。この3銘柄が2%下落してても指数がプラスという異常事態。

背景には6月からインバウンド観光解禁ネタもあるのでしょうけど、欧米の物流REITがクラッシュしているのも一因でしょう。

世界最大手のPrologisがこんなチャート。

欧州最大手のSEGRO。

いずれも4月28日比で20%の大幅下落です。

4月28日になにがあったか。そうAmazonの決算ですね。コスト高で冴えない決算での言い訳か、20年、21年に設備と人員拡張を最優先で進めた結果、もう設備投資は不要、と言うかかなり余剰のキャパを抱えているとCFOが明言しました。実際、22年1QのAmazonの設備投信は大きくペースダウン。

物流セクターのファンダメタルズは絶好調ですが、アマゾンの存在感が他社の焦りを誘発していたのも事実。アマゾンが止まれば逆回転の可能性すらあります。特に日本の物流施設業界は10年前には10社いるかいないかだったのに今や70社が参入する超過熱状態。今後の供給ペースは過去最大級が2年連続。昨年から大型物件のリース不調の話も聞こえてましたが、Amazonのペース鈍化も背景にあったのでしょう。

仮に物流REIT大手が下落すれば、賃料下落が止まらないのに利回りが低水準なままの住宅REITが引きずられる可能性もあります。頼みのホテルも既に2019年比で10%~15%ディスカウントのところまで回復。そうすると指数を牽引する主体が不在となります。さてどうしたものか。

 

 

 

J-REITは利回り4%が近づいてきました

J-REITは10日続落、と言う記事を書いてから(結局11日続落となりました)2カ月ぶりの更新となります。inzaiです、こんにちわ。

その間、強烈なインフレ(米CPIが過去最高の上昇と言うことはもはやハイパーインフレなのでは?)、それに伴うFedの利上げスタンスの強化、追随するようなECBの金融緩和縮小の前倒し、そしてロシア―ウクライナ戦争。年初から下がっていた世界の株価は一段安となりました。

J-REITもあっさり利回り4%を超えと思いきや、意外なことに言うか、これまで通りと言うか、下げ渋りました。特段ポジティブな話はなく、むしろ、来年の黒田日銀総裁の任期満了と、株式市場が大嫌いと言うかそもそも何か勘違いしてしまってる岸田首相からすると何かしらネガティブな人事が実施されることはほぼ間違いないのですが、そんな状況にも関わらずJ-REITはそれなりに底堅い。地銀も個人も売ってこない。意外なことに海外も売ってこない。一人だけ変な奴が暴れてるけど。

それでもこれだけ株式市場が下げてくると、J-REITも少しずつ下げてきて3月9日には1842ptに。これは1月20日のクラッシュの1839ptに面合わせ。その後は何とかリバウンドしてますが、ここを割ると底割れトレンドですし、3/11の米国はリスクオフ気味なので油断は出来ません。

では1820ptを割るとどうなるか?

そうです、ついに利回り4パー教の出番となります。この水準でもホテルやオフィスの収益貢献はかなり保守的なので5年タームで見れば十分に利回り4%とも言えますが、いよいよ予想利回りベースで4%の局面がやってきます。

この水準に来るのは2021年1月以来でしょうか。長かった…J-REITが魅力的ではなくなって1年2か月、ブログを更新する必要もまったく感じず、定例コンテンツですら更新しない状況が続きましたがようやくちょっとやる気が出てきました。ブログを振り返ってみると、奇しくも不動産専門コンテンツである全チンに登場させてもらってから、J-REITが上昇してこっちのブログ更新が止まったのですね。

まず、言いたいこととしては、東証REIT指数は9カ月に渡り2000pt以上で推移していたわけですが、この間に取得して10%近い含み損を抱えている皆さま、大変お疲れ様でした。この間に受け取った分配金はグロスでせいぜい5%でしょうか。株式ほどではないにしてもミドルリスク商品であるJ-REIT投資にも関わらずトータルでは完全に損ですね。そして2000pt以上、いや2100pt以上で売り抜けて待ってた皆さま、素晴らしい投資判断です。機会損失の怖さを我慢してた甲斐がありました。利回り4パー教の教義が少しでもお役に立てていれば幸いです。

ここからのJ-REIT投資のリスクがないかと言われると、金利上昇での不動産価値の減少、インフレ不況での不動産賃貸収入の低迷は無視できないリスクです。特に後者は、現在のJ-REIT物件は、未曽有の好景気のために質の高いビルに入れなかったテナントの移転ニーズを掴まえているのも事実なので、逆に企業が節約モードになると、駅から遠くても少しでも安いところに、となるかもしれません。アベノミクス以降、必要経費をケチるのはジリ貧にしかならないという教訓もありますが、基本的に日本人は節約を美徳と思っているので、あっさりそっちモードになる可能性もあります。

それでも、VCやPEがこれから食らうであろうリスクに比べれば微々たるもの。不動産への投資家需要は強いし、ちゃんとした立地にちゃんとした物件を持ってるJ-REITは運用してよし、不動産売却してよしの展開、しかも上場歴の長いREITは着々と売却益を将来の安定分配のために留保してます。東急リートなんて利益ゼロでも1年間は分配金を維持できるくらい頑張って資産入替してますし、王者NBFでさえ140億円を超える内部留保を持ってます。

利回り4%はリスクあるからもっと保守的に、という気持ちも分からなくはないですが、コロナショックで買えなかった方、東証REIT指数2000ptで売った方はそろそろ検討してもいいのかもしれません。当面、ボラティリティは凄く高いでしょうから欲張っても面白い状況ではあります。

 

東証REIT指数は▲3.5%と急落し10日続落!

お久しぶりです、inzaiです。こんばんわ。プライベートがバタバタで非常にしんどいのですがJ-REITがやっとまともなバリュエーションになってきたのはとても嬉しいです。

J-REITはこれで年初から10日続落。年末にかけて物流REIT中心にグロース銘柄が大きく上昇した反動、年初から金利が狂ったように上がったこととFedの考えていることが分かりにくくなった影響、マザーズが完全に壊れた、三井不ロジの価格決定日、NBFのPO受渡日、アクティビアのクソ決算、ユナイテッドアーバンの減損、オリックスリートのMSCI除外懸念、例年2月にまとめてやってくるクソ大型ファイナンス、100億円単位で売買している大型プレーヤーのまさかの売り、いつまで経っても入ってこない日銀のJ-REIT買入(1/19も来なかった…)、大型のバランス型ファンドから流出、昨年好調で余裕のある海外勢のショートセル、オミクロンとどうしようもない状態が続きます。押し目買い待ちと言われた地銀はETFで頑張って買ってくれているようですが、今のところ不発の感があります。

大きな節目はP/NAV1倍かつ指数利回り4%となる1780ptあたりでしょうか。ここまで来ると黙って買いの動きもありそうですが、年初からの海外REITの売りの一因となった米系セルサイドの目標株価修正を反映した動きも今日のこの時間帯になってようやく消化したような感じもあり、東証REIT指数の昨年の上昇局面の起点かつ今日の終値の1900ptはまずは目先の節目かなあと。

年央にかけてのリスクとしてはやはり岸田政権。当初から海外の評価は「どう見てもマーケットにアンフレンドリー」と散々で、足元ではその評価を一層悪化させるような動きを繰り返しています。アベノミクスのスタートが聖域なき改革だったのに比べると、膨大な聖域を守ることしか考えてないように見えますし、海外のマーケット民主主義を否定するのは良いんですけど、それを否定して食い物にされて来たのが日本の株式市場の歴史なのにまた同じことが繰り返されそう。なんで日経平均が1万円を割ったんでしたっけ?政府が成長施策を何もしないからですよね。今そうなってますね~。

あとはFedの利上げが4回100bpでは収まらない感じも出てきたのがリスク。1回25bpに捉われないとすると多様なシナリオを織り込まざるを得ないのでマーケットはぐちゃぐちゃになります。

金利物中心にリズム的には調整一巡感あっても不思議ではないけども、米株は全然安くないし、PEという爆弾はまだ不発してない。今年は3回クラッシュがあって、まずは1発目ということでポジション繰りしていこうかなと。1900、1750、1600かな。

 

東証REIT指数は何とか2,000ptを維持してますが

2カ月半ぶりのブログ更新。inzaiです、こんにちは。ブログの更新を停止したわけじゃなく、単にやる気がなくなったわけでもないです。如何せんJ-REITも株式も割高感があったので、4月から現金比率を高めたいと思いつつ、でも株式市場はジリジリ上昇したり軽く調整したりで方向性が出ないのでやることも書くこともないと思ったらもう年の瀬になってしまいました。「要はやる気なかったんじゃないか」と言われるとそうかもしれません。

しかし、次の局面が見えにくかった株式市場もいよいよ動き出す時期になってきました。ずっと続いていた金融緩和が終わります。マーケットとの会話を重視するFEDが拙速なテーパリング終了で株式市場を壊すわけがなく、金融緩和終了の影響は利上げによってボディブローのように効いてきます。それが始まるのが2022年です。

マーケットはもうちょっと早く織り込みに行って混乱することもあるかなあと思ってたのですが、2021年の夏に高値を付けに行くよもやよもやの展開で、コロナ後に全財産をREITと株にぶっこんだ自分としてはいつキャッシュポジションを増やそうかずっと悩んでました。4%の配当金+売却益課税でがっつり持っていかれることを考えるとおいそれとポジションを落とす気にはなれず、かと言って今更追加投資する気にもなれず、エマージング株やグロース株を売却して、出遅れセクターに資金を移してエクスポージャーは維持。

ただ、株式市場と言うものは調整局面に入ると30%は下がるものだという失われた30年が心身に染みている者にとってはそろそろ何かやらんと如何なと。J-REITも夏に高値をつけて、しかもその中身が住宅REITや物流REITがクソ高いバリュエーションまで買われるという中身の悪いものだったので、来年上期に高値を付ける可能性も低い。しかもJ-REITを大きく動かすお金は不動産をちゃんと見てない人なんで、金融緩和で大量のお金が流れ込んだセクターである不動産は、利上げで逆回転すると説明できる、すなわちショートセルしやすい。

東証REIT指数2000ptから10%下がったところがP/NAV倍率1倍で利回り4%の安心ゾーンですが、金利上昇で鑑定価格が下がるとすればそこから更に10%下がある。日本の低金利環境が大きく変わるとは思いませんが、もうずーーーっと低金利環境なのにキャップレートが下がり続けたのが日本の不動産市場なので、低金利環境が変わらないから不動産は下がらないとはまったく思えないのです。

すぐに東証REIT指数が1650ptまで下がるとは思えませんが、3年かけてジリジリ下がる可能性と3年かけてインフレで東証REIT指数が2500ptまで上昇する可能性を考えるとどう考えても前者の可能性が高い。

利回りはどうかな、売却益で3年くらいは維持できますが、3年後は次の3年後を見るわけで外部成長も内部成長も出来なくなったJ-REITが昔のように利回り5%になることもあるんでしょうか。仮に利益水準がここから10%下がって利回り5%だと東証REIT指数は1,330ptになってかなりお買い得感が出ます。でも今はホテルの利益貢献がゼロなので、利益が5%下がって、利回り4.5%とすれば1550ptくらい。それくらいが今後5年間の下値目途でしょうか。バリュエーションの高い物流がどこまで調整するかで指数の居所が大きく変わるので指数だけで語るのは難しいのですが、今から20%下がっても、利回りが年間4%取れれば5年間でトントン。最悲観シナリオのために持ち株全部売ってそこまでキャッシュを寝かせておくのは逸失利益が大きいかもしれない。

インカム取りつつあまり負けたくないなら社債やエマージング債券がバランス良いかもしれません。キャピタルゲインはほぼ間違いなく勝てないけど、トータルリターンはプラスを維持できそう。でもそれだったらバイ&ホールドするより、ポジション落として、J-REITなり投信なりで下がったところを買う方がパフォーマンスは良いでしょう。

株もREITと同じ話で、リオープン銘柄は歴史的な安値なのでここから20%下があるとは思えない(これからファイナンスする銘柄はある)。でもPER70倍~100倍で参入障壁が低く成長ドライバすぐなくなってしまう銘柄も沢山あるので指数で語るのは難しい。2021年に大きく資金流入のあったグローバル株式市場なんで2022年はボラが高そうでそこに日本株がどういう形で巻き込まれるか、バリューis Kingと呼ばれる時代が来るのか。

いずれにしろ来年以降の金融緩和縮小を全く織り込んでないほどマーケットは馬鹿じゃないですしこの半年で株は上がり続けるものではないと身に染みているが、流動性のある商品に限っては自分だけは真っ先に逃げられると思っているのもまたマーケットなので年初からのボラティリティには留意したいです。上がるようなら真っ先に売りたい、とみんな思ってそう。