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森トラホテル、マリモ、ポジションなどなど

逆張りがどうにも当たらない。inzaiです、こんにちは。お御籤は久々に大吉を引いたので明日からは運気が巡ってくると信じたいのですが、もうちょっとやられるんだろうなーと雰囲気です。まあお御籤なんて宗教の最たるもんですからね。真剣に考えを積み重ねた結果、何かあと一押しが欲しい場合に縋るものであって毎日をふわふわ過ごしている人にとってはノイズでしかありません。それでも救われたことが1度や2度じゃないので毎年神頼みしているわけですが。

マーケットの焦点はほぼ100%、1月20日の大統領教書演説です。マーケットとしては新しいポジションを作りにくいし、せいぜい既存のポジションの細かい調整がメインです。含み益があれば残すし、踏まれていれば閉じるし、マーケットのボラティリティに耐えられるよう動かすくらい。ただ、2日に書いたよりもモメンタムが残っており、その後はジリジリと価格調整ではありますが安値を割り込んでないので、まだ大きな調整には早いかなと。

トランプ大統領がどういう体制を築こうかとしていることはほぼ固まりつつありますが、何をどのくらいの強度でやろうとしているかは未知数です。選挙で勝利してからここまでは経済人らしいバランス型、都合の悪いことは忘れて上手く良いとこ取り出来ておりますが、人選を整えるためにそれしかないだろうし、株高も上手く作用しました。自動車工場の国内誘致も成功しましたし、何よりも選挙で勝ったという事実が彼に余裕と責任を与えた印象があります。

ここからドル高、金利上昇、需要縮小、不安定な海外情勢に立ち向かわなければならない中で、彼の路線を次に繋ぐために4年間でやろうとしていることは非常に多いです。まず手を付けたのは、非常に分かりやすく、手を付けやすい供給サイドへのプレッシャー。日本の賃上げと同様に、企業にあれやれ、これやれと交渉しました。悪いようにしないし、輸入車には関税かけてやるからとかネゴの方法も色々あるでしょうし、何よりもギブアンドテイクは彼が得意とするところでまず結果を出しました。需要サイドに働きかけるのは非常に難しいですが、それが問題になるのは株高が落ち着いた後かなと。

外交は経済、軍事をフル活用してゴリゴリやるようで今は全面的にあらゆるチャネルを開いている状況。マイケル・ピルズベリーを重用した時点で中国への政策はこれまでよりもきつくなるのは明白で、それ以外の国とどう付き合っていくのか。リーマンショック後はやったもの勝ちの世界になっており、摩擦を嫌う先進国の弱腰をストレスに感じていたのは米国民のみならず日本も同じじゃないかとは思ってますが、「本気出せば勝てるだろう」と思っていた状況が本当にそうなのか。思ったより力が均衡してればみんな軍事に傾いてそれはそれで景気良くなりそうですけどね。対中国の面では対立を幸いにして貿易止めて保護主義に傾けやすいしですし、この辺はトランプ大統領がフルに利用してきそう。中国に経済人に戦争は出来ないだろうと足元見られなければいいですが。

そういうことを考えると足元の雇用増加、株高が落ち着いた後に国内の不満が高まった後に打てる手は少ないことから、不満が出る前に前にドンドン新しい手を打っていくのかなと思います。比較的わかりやすいところから取り組むのでしょう。

20日は少なくともグローバルな平和が掲げられることはなく、改めてMAGAを強調し、インパクトを考えるとダウ3万ドルとかまず出てくるのかもしれません。懸念されているドル高是正、4年間でインフラ投資を〇〇兆円、国内回帰のこの辺が小粒になる可能性はなく、実現できない場合は共和党に責任を擦り付けるか、少なくとも全力で取り組むことをアピールしてくるはず。外交は米国が一番であれば、360度付き合うが、味方と敵を明確にするぜ!とか言うのかなあ。優等生的内容なら売りでマーケットは決算など企業収益に移行、これまで通り過激なら一段高でその後は下落。一段高で上昇相場継続となると、低金利誘導、景気刺激策強調を更にコミットした場合でしょうか。トランプ大統領の基本スタンスは引き締めだし、財政の縛りがある中でどうやって実現するの?という向きもありますけど、既に経済戦争に入っているのだから、米国として使えるものは全て使っていくというスタンスも普通にありかと。完全にニュートラルなスタンスで臨むつもりです。

ポジション的には、円キャッシュ50%、米ドルキャッシュ5%、米ドル債券/優先株/REIT10%、J-REIT8%、日本株10%、新興国株式/債券/REIT13%、あとは欧州株やコモディティです。米ドルものを増やしたいのですが、金利が下がれば価格が上昇して、円高に振れるので何ともやりにくい。米株は何とも難しいけども、いつまでもゼロというのも気持ちが悪いので何とかしたい。。かと言ってここに来て順張りもなあ。基本的に逆張りで入っていきたい人間です。

さて、J-REITは大発会から3日連続でファイナンスが発表されました。2016年は4日連続でファイナンスだったので火曜日も続くかどうか。投信へのフローは鈍化しているので、例年通り、ファイナンスで重くなる展開かと思っていたのですが、意外にしっかりしてます。円安で海外が買っているのか。グローバルREIT全体が好調なので年末にかけて出て行った資金の戻りも大きいのか。

ファイナンスは森トラホテルのIPO、POはコンフォリアとJPR。森トラホテルは突っ込んできたようなそうでないような。相変わらず投資家を舐めたスキームと言うか、10万円でスポンサーが投資してREITを組成しておき、IPOでは15.8万円で売り出し。物件の取得価格が鑑定価格をそこそこ下回っていても、そのエクイティファイナンスだったら何の意味のないよね?大手REITのPNAVが1倍というわけではないので、完全にアンフェアというわけでないものの、次のファイナンスが投資家にとってディスカウント増資でも気にしないというスタンスなんでしょうか。なんだかなー。森トラリートの反省点が生きてないのかなあ。

あとのファイナンスはJPRとコンフォリア。JPRは東京スクエアガーデンを買います。文句なしの良いビルで、日本橋から京橋にかけてはガンガン再開発が進んでオフィスの集積地になるのでポテンシャルもあります(供給過多には目を逸らしつつ)。コンフォリアはまあ鑑定会社の都内レジでCR4%下回るのはさすがにやばいっしょという意思が伝わってきます。でもグロスも満室稼働で6%は余裕で切ってきます。物件価格は案の定お高め。ディールサイズが小さいのがREITの良心だと思ってます。

あと気になることと言えば、小型株のリバーサル。大江戸温泉リートが若干早めに動いて、マリモ地方創生リートもジリジリ上がってきました。正確には大型REITが頭打ちになって、住宅REITもバリュエーションきつくなって、最後の最後に小型株が来たなという感じ。一部の何考えているのか分からないREITはやや出遅れ。いや、もうなんというか、小型REITはトランプ爆誕でどうなるのか分からないと書いた時期がボトムでした。配当利回り7%、ディスカウント率30%超えて下げ止まり。あの時は相当悩んだし、配当利回り3.5%の中堅銘柄の2倍の収益が取れるのは経済性には十分と思ってはいたのですが、ロジックが思いつきませんでした。金利が低いのと価格がストレッチした状況では、現物価格に立脚するのは難しい。ただ、株価が上がったからと言って小型銘柄への見方は変わっておらず、リスクオフには弱く、リスクオンには最劣後というのは今後も同じかと。

マリモなんかはファミリーや駅から遠いところの影響は受けそうですし、家電もちょっと不安ながら、パッと見は住宅メインのREITっぽいので収益は安定してそうですし、短期的な配当金も現在のファンダメンタルズベースだと下振れ要因が考えにくい。何かあった場合にサラリーマン的に言い訳が難しい銘柄の最たるもんですな。

あと、地方の大江戸温泉は行ったことないので分かりませんけど、ブログでも度々言及してる通り1万円で食事付き、送迎も完備というのはコミュニケーションとしては良さそう。ただ、未だに周りに大江戸温泉に行ったことある人間がいないという事実。個人的には食事を犠牲にするというがなあと言う気持ちはありますが、旅館のように外れがないのは大きいのかあとも思います。醤油味しかしない煮物とか冷えた天ぷらとかマジ勘弁。大江戸温泉にお酒持ち込めるなら大江戸温泉のが良いという気持ちは良く分かります。

そんなかんなで3連休も終わりです。日経先物、ドル円、中国株はジリ高、シンガポールREITはミックス、ASEAN株式は若干のマイナス。まだ動かないよなあと思いながら目を離せません。疲れる。

J-REIT分析 2017年1月3日

inzaiです、こんばんわ。昨年10月以来のJ-REIT分析です。12月頭から準備はしていたのですが色々と忙しくてこの時期になりました。頭の体操にはちょうどいいです。でも8000文字オーバーはきつい。インフラファンドは次回以降にします。

J-REIT市場はガーっと年末に加速してそのままの価格水準なので年初の動きは良く分かんないです。現在、ドル円は118円目前、日経先物は17400円と好調な滑り出し。こちらは良い時期に調整できたのでロングから入った人が多かったということ。中国株とシンガポールもなかなかの動きです。今年は大きく動いてほしいなあ。

8951 NBF
三井不動産系オフィスREITでJ-REIT最大手。三井不動産の保有物件がどんどん竣工するので利益は要らない上、銀行を絞り上げるだけで何億円というコストが削減できるため最近は目立った行動なし。

8952 JRE
三菱地所系オフィスREIT。何とも微妙な地方都市の主要物件を買い増し中。こんなことならNBFのように静かにしていて欲しかった。投資法人みらいを立ち上げた三井物産も何気にマイナースポンサーだが、こちらおよび地所系私募REITが大半を保有する新宿イーストサイドをみらいに売ってしまう。何とも非効率だけど地所が三井物産保有分を高値で買い取ること拒否したんですかね。

8953 日本リテール
三菱商事系の商業REIT。こちらも高値で買い取ることに関しては負けてない。そうすることでどんな時期でも物件取得できるネットワークを作りたいのかもしれない。札束で頬を叩くビジネスモデルは資源関連だけではなく不動産にも応用できるということか。でもこういう頭要らないビジネスモデルはブレないし、商業のオペレーション力には重要な要素。時価総額は4番目だけど配当利回りはほぼ市場平均か若干高め。相場の上昇時には強い。

8954 オリックスR
スポンサーからホテルを買い始めた時期は何とも微妙だけども、リーマンショックでやらかした物件にしこしこ手を入れてREITに売却していることが評価されており、上場以降ではもっとも評価(バリュエーションではなく)が高い時期にあるんじゃないかと思っています。ただ、スポンサーのホームページを見てもらえば分かるように商業不動産の開発はほとんど止まっている感じ。リース会社と不動産は切っても切り離せない関係なので完全撤退はないかもしれませんが、他のところと比べると何を考えているのか分かりません。いずれほぼ独立系REITに近くなるのではないか。もしくは自社開発は止めて景気悪化局面でローンを押さえれば良いかと思ってるんでしょうか。

8955 JPR
東京建物と言えばデベロッパーの中で一番給料が高いと言われてた時期もありました。NBF、JREに次いで利回りが低い時期とその他大勢と同じ利回りの時期があり今は前者の時期。なんだかんだ言っても準プライム的な感じのオフィスが寄与してきっちり配当伸ばしてます。

8956 プレミア
NTT都市開発系のオフィス/住宅REIT。ケネディクスとの協業するかと思えば何の続報もなし。清々しいくらいスポンサー頼みのREITになっていて最近ではそれを隠そうともしないですし、マーケットも「そうそうそれで良いの」という感じ。こんな状況でケネディクスと何か出来るとは思えません。

8957 東急R
東京建物が思いっきり追い風を受けたのに対し、商業のプライム物件を揃えているはずのこちらは向かい風に苦しんでます。物件入替を積極的にやって頑張ってはいるのですが、築年数が古いと言っても限度があるだろうという物件や用賀のタワーオフィスどうすんの?というのが足を引っ張ってます。あと渋谷の再開発が立派すぎて、ヒカリエ同様にREITには関係ないなあというのが何ともね。REITのおまけ感が辛い。

8958 グローバルワン
社長が変わってアクセル踏むのか?と思いきや明治安田生命はマイナス金利でそれどころじゃないのでしょう。マーケットの回復なりに追い風受けており、さいたまの物件も意外に好調で特に問題も見当たりませんけど、稼働率は結構パンパンで南青山も東急不動産の退去リスク(渋谷に戻る)を考えるとここからの伸びも期待しにくいなあ。

8960 ユナイテッドアーバン
丸紅系の総合型REIT。昔の商社らしいというか他のREITが不動産ビジネスとして取れないリスクを積極的に取っているのは評価できます。保有ビジネスではなく運営ビジネスにも顔を突っ込んでいくスタンスは好きです。オリックスREITに近いです。安易に地方物件に手を出さないところもOK.

8961 森トラR
何でみんなこのREITのことが嫌いなのか。長期目線っぽいけどどうやらそんなこと考えてなさそうなスポンサーに嫌気がさしているのか。なんかかんだ言っても森トラだぜと思ってはおります。しょっちゅうリーシングリスクの問題出てくるのには私も疲れましたけど。ホテルリート上場は伊達社長もインタビューで触れてるしそもそも組成されているし周知の事実。どういう評価されるんでしょうかね。リニューアルしたコートヤードは安っぽい印象しかないけど。浮動株化の影響は分かりません。どうなのかなあ。

8963 インヴィンシブル
フォートレス傘下のホテルREIT。住宅も少し持ってます。いつ出口を迎えるのか冷や冷やしてますが、そんな中で下方修正。J-REIT業界で下方修正したのは久々。民泊&東京/大阪の競争激化で当面は厳しい、というか前回のPOのくっそ高い物件取得価格に対し、目線を維持しても「はあ?ファンダメンタルズ見てんのか」と言われるし、目線下げても「はあ?前回何だったの?」と言われるしどうなんですかね。世の中の仕組み的にはそろそろ鑑定会社にメス入れる必要あると思います。DCF法の賃料水準を開示させれば良いのにと思う。ちゃんと作ってんだったら問題なかろうに。

8964 フロンティア
岡山の件で株価が下がったときは三井不動産の神通力もここまで落ちたのかあとビビりました。金利が低いとスポンサーは物件維持し続けた方が美味しいですし、POしないなら株価もどうだった良いし、しょうがないけど外部成長がないと日本型の商業REITは成長できません。なんとも辛い。

8966 平和不動産R
スポンサーがケネディクスと物件交換、REITもいくつか物件入替やってます。このREITはそれで良いのです。どっかで茅場町のリスクは顕在化するのでしょうけど、それ以外はすでに低空飛行。低ボラ、低グロース銘柄の代表格です。

8967 日ロジ
みらいのパイプラインに三井物産の物流施設入っている時点で「おーのー」と思った人がは多かったはず。足元の株価上昇はみらいがこけたからですかね?社長代わって安定成長が維持できるかどうか。たぶん大丈夫。なお前社長の川島氏はイクメンのNPO法人立ち上げてます。サイトはこちら!お元気そうです!

8968 福岡R
物件入替すっごい良かったと思ったのに株価はだだ下がり。意味が分からん。分配金下げてLTV下げてポートフォリオの質がかなり上がったのに。株価は年末に上がってきましたけどJ-REIT市場は相変わらず短期目線過ぎやしないですかね。リニューアルしたキャナルシティの噴水&3Dプロジェクション観に行きたいなあ。

8972 ケネディクスオフィス
確か一昨年もケネディクスオフィスの10月決算が想定以上に強くてオフィスREITに火が付いたんですよね。2016年も同様の展開になりかけてますがそこま影響はないかなあ。でも何だかんだいって綺麗な運営してます。よくこんな隅々まで気を使って運営しているなあと思う。

8973 積水ハウスレジ
年末にかけて住宅REIT全般が絶好調。何があったのか良く分かりませんが当REITも絶好調。CFは極めて安定しているしスポンサーも協力的。もっと早く上がってしかるべきですが都心物件が多すぎるのがある意味リスクと思われているのでしょうか。ここ数年に買った物件は安いとは言えないのは事実。

8975 いちごオフィス
なんかこうチグハグ感出てきました。増配記録がそんなに大事かな?そんな状況だとPOしても評価されにくいだろうし。

8976 大和証券オフィス
外部成長回転モデルの限界が見えてきました。ここから内部成長でどこまで伸ばせるか。テコ入れ系は得意な会社ですが綺麗なオフィスを更に綺麗に運営するというのは別のスキルが求められます。ミナミルミのイベントはどんな効果があったのか、ちょっと楽しみです。新宿には縁がないので参加できませんでしたけど。

8977 阪急R
天王洲が埋まってぐっと株価が上昇したのに何故か失速。余計なこと言ったのかどうせ天王洲からは退去するテナント出るんでしょということなのか。プレミアと同じで全体的に安定した運営を続けてます。しかしこのままでは安定した関西のスーパーばかり増えてしまうような。まさに地主REITっぽくて個人的にはその方が好きです。

8979 スターツ
なんでこんなタイミングでファイナンスしてしまったのか訳が分かりません。証券会社は誰も止めなかったのか、むしろ誰もやらない時期だったからフィーが安かったのか。そして、そんな立地で大丈夫か?と心配したくなるような物件が揃ってます。価格はそんなに高くもないかなあと思って立地や築年を見てなんだかなあと。なんにせよ資産規模は大きくなったのでここからどう挽回していくか。スポンサー次第では挽回できるとは思うのですけど。

8984 大和ハウスリート
合併して分かりにくいところもあるのですが、住宅&物流というのは非常に分かりやすいコンセプト。収益の低ボラティリティという面ではJ-REITナンバーワン。ここから総合型へ切り替えることでどんだけボラ抑えつつグロース取れるかと言う話。

8985 ジャパンホテルリート
さてさて正念場。ビジネスホテルが崩れてシティホテルが好調を維持できるとは思えないものの下落幅としてはある程度織り込んできました。今年の配当金はどう着地させるのか。

8986 日本賃貸住宅
大和証券系住宅REIT。全然大和証券っぽさないですけどね。それはともかくとして中期目標を定めました。最近こういうREIT多いのですが、金利が上昇しても続けるんでしょうかね。減配シナリオ明示するくらいなら止めてしまいそうな気がしますし、昔は未達に終わったREITが大きく売られたこともありました。

8987 ジャパンエクセレント
芝公園のロシュ退去の報道で株価下げた時がありました。浜松町のCBRE退去でも下がりました。新日鉄興和が来年竣工させるSクラスのAirのリーシングがいまいちで連想売りもありました。でも株価は戻ってきます。立地はそこそこOKで個人的には財閥系っぽいなあと思ってます。買収するならここが良い。

3227 MCUBS
三菱商事系オフィスREIT。買収したんですけど結局テコ入れは微妙に失敗ということですかね。

3234 森ヒルズ
固定賃料は外しちゃいけなかった、と思いきや年末に上昇してきてオフィス賃料がこのまま伸び続けるならやっぱ森ヒルズじゃね?という感じでしょうか。そんなストレスかかっているように見えませんし、ケネディクスの入れ替え見る限り柔軟な戦略取れるのででやっぱ良い物持ってるREITが最強だなあと。

3249 産業ファンド
元々逆張り系で伸びてきたREITだけに若干停滞気味の感があります。ここから物流を大きく買っていくのか、これまで通りCREで行くのか。スポンサーである三菱商事はこっそり仕込んでいるだけに心配してませんが、今度こそダメかもというような株価アクションになることが多いのでボラ激しいです。信じるか信じないかそれだけです。

3269 アドバンスレジ
伊藤忠系で最大手の住宅REIT。もう色々と万全です。30万円台回復。さすがにちょっと驚きました。飲みたい社長ナンバーワン(当ブログ調べ)。

3278 ケネディクスレジ
確かに安かったけどいきなり吹き上げました。びっくりです。最初は色々と手探りでしたがケネディクスらしい住宅運営方法にたどり着いた感があります。1棟あたりのサイズがディスカウントなのかしょうがない。そういう文化になってます。

3279 アクティビア
東急不動産系のオフィスと商業中心のREIT。ここ数年は外部成長と内部成長のバランスが上手く行ってたのに加えて新社長の神通力が効いてた感じですが、最近はそれも賞味期限が切れてきた感じもあります。懇親の銀座が上手くいってないとかホテルはさすがに頭打ちとかそういうのがあるのでしょうけどオフィスでまだもう少し伸ばせるはず。

3281 GLP
創業者が亡くなって伸び伸びできるかと思えば色んな噂が出てきました。中国のソブリンウェルスファンドが買収検討というニュースもありました。GICが手放すかどうかは分かりませんが、ある意味では取れる果実は取り尽くした感もあるのでグロース面では厳しいという判断も分からなくはありません。日本のGLPだけ誰か国内のプレーヤーが欲しがりそうだけど、せっかく大量の日本の不動産を買収できるチャンスなので、中国勢はお金突っ込んでくるのでしょうね。はあ。

3282 コンフォリア
東急不動産系の住宅REIT。アクティビアと合併はしないとのことですが、他のREITが系列で合併し始めているので株価を上げる最後の手段としてはここにも有効かと。ちょっとリスクのある住宅タワーを買いました。レストラン付いてるしあそこ住んでみたいです。

3283 日本プロロジス
世界最大の物流REITの日本法人。ピカピカでかつブレない。何を心配することがあるのか。大量供給は心配ですがここ見てても兆候は出てこないでしょう。

3287 星野リゾートR
IPOの時からするとこんなREITになる予定だったっけ?という気持ちもなくはないですがとりあえずAUM1000億円おめ!外から見てるとわかりにくいけどこのスピードで企業規模が拡大しても星野メソッドは応用できるんですね。いや、まだ追い風参考かもしれませんけど。

3290 SIA
ヒューリックに美味しいところだけ取られて、こちらのREITはみずほ信託にスポンサーチェンジ。それにしてもJタワーはそろそろ埋まり始めたという話を聞くと、東西線に限らず湾岸沿いはほんとオフィス街としてはしんどいのな。高層化が進むとこういうところから影響が出るんだなあと勉強になりました。オリンピックで盛り上がっているあの一角だけが以上な盛り上がりですよね(ほぼSIAに関係ない話)

3292 イオンリート
色々あった1年でした。地震で液状化とか地方デフレとか人件費高騰とか全部が向かい風。東芝の件で心配になってきましたがいつも薄利でM&A沢山やってて会計とかちゃんとしてる?大丈夫?とか心配になってきます。でもイオンがない地方は想像できません。こちらも浮動株化の話はネガティブ。

3295 ヒューリックR
走り続ける大切さを痛感しました。このREITはすごいなあと。パイプライン見ているとオフィスから商業にシフトするようですが、タイミングが良いのか悪いのか、と言うか都心商業を買ってもいいタイミングが良く分かりません。うーん、商業を取得する分、利回りは上がるということでいいのだろうか。

3296 日本リート
双日系オフィス。このREITは将来どうするんだろうかという疑問もあったのですが、Bクラスビルは供給が少ないし、次の景気サイクルではみんなに敬遠されたバルクが再び流通するんだろうし、そこで成長する機会もあるかもですね。鑑定評価が崩れない限りNAV倍率1倍を若干割れで推移しそう。

3298 インベスコ
トリトンと錦糸町の入れ替えは良い判断だし、インベスコという名前はグローバルでは悪くないと思うですがイマイチ評価が上がりません。欲を言えばトリトンの売却益をもうちょっとなんとか上手く使えないものかなあと。なんで海外勢から買いが入らないのか。アセマネ系の実業は敬遠されるのが一般論なのか。日本でも金融機関系のREITは敬遠されてますがひょっとして世界共通?

3308 日本ヘルスケア
ぶっちゃけほとんど見てないので良く分かりません。NAV割れ、利回り5%弱ってのはバランスいいところかと。

3451 トーセイR
急に強含んだと思ったらダレてきました。B、Cクラス不動産のプロとしてJ-REIT業界ではある意味異質。それだけに一見眩暈がするようなナイスディールを続けてほしいです。

3309 積水ハウスリート
案の定、海外物件の取得は中止。日本と違っていつでも売却できるアセットなんだから買っちゃえば良いのにと思うのは乱暴でしょうか。ストレスかかってなくはないですが、アセットはピカピカだし何とかなる。まだ目をつぶっていても良いかと。

3453 ケネディクス商業
商業全般が弱い中でしょうがない部分はありますけど、安定的なオペレーションを続けてます。オフィスよりも工夫しがいがあるし、競合も激しくないので社員さんは楽しいのではないでしょうか。こういう商業系はどこまで成長できるもんなのでしょうかね。

3455 ヘルスケア&メディカル
動きないし良く分かんないし合併に賭けたいとも思いません。3308参照。

3459 サムティレジ
うーん、物件のクオリティは悪くないのですが如何せん価格が高いのがなあ。買ってしまった以上、それはネックにはならないのでしょうけど取れるはずだったグロースを取れないのが投資家には辛い。九州のホテルはチャレンジなのかどうか不明ですが有名にはなれました。

3460 ジャパンシニアリビング
ヘルスケアREITの中でも売られている感が一番大きいです。TK出資の利回り見て吹いたのは私だけじゃないはず。やはり金融機関が関与するREITはダメなのか。。

3462 野村不動産マスター
とりあえず1回ファイナンスしてから。J-REITの中で3番目に大きい規模なのにそういう段階ってのも何か間違っている気もします。

3463 いちごホテル
業績予想で開示している数値と月次の数字を比べるとアレな感もあります。

3466 ラサールロジ
足元でやっと評価されてきた感じです。なんだかんだ言っても他のアセットクラスほど競合が激しくないのとLTV低いのが効いているのでしょうか。競合相手がガチですが、まだまだ下位の相手もいますし、グローバルで見れば不動産サービスの最大手。大丈夫というところですかね。

3268 スターアジア
物件入替を実施してこれから。進む道はめっちゃ険しいですが諦めないで欲しい。REITがダメならそれはそれでしゃあないというレベルではないので頑張れるんじゃないかなとも思ってます。いっそのこと全部売却しちゃうのも在りかもしれないけども。

3470 マリモ
特にコメントはありませんし応援する気もなあ。マンションよりREITに注力するなら非常に面白いのですが事業分散でREITやるなら、やっぱノウハウがあるデベロッパー、マンションが主力になりそう。

3471 三井不動産ロジ
浮動株化はマイナスの影響。それくらい。

3472 大江戸温泉R
大江戸温泉は行ったことないですがコンセプトは面白いREITですしそこそこ人気は出るのではないか。スポンサーがベインですしインヴィンシブルと同じ香りがします。山高く谷険しい、みたいな。月次良い割には動き鈍いですよね。かつての星野と同じでREITと言うより事業体です。

3473 さくら
豪州系日本特化型ファンドが日本上陸。日本管財とのJV。うーん、とりあえず上手くいくことを祈るのみ。

3476 みらい
上海系イデラと三井物産の総合型REIT。かつて他のREITが保有してた物件がちがらほらしておりしかも売却価格より高い。保有中に受領したCF分くらいは安くしてくれるもんだと思ってました。可愛い子には旅をさせよという感じなのか。でも日本リートでさえ何とかなったんだから物産も大丈夫しょ。

明けましておめでとうございます!

皆様、如何お過ごしでしょうか?4連休だと食っちゃ寝でリフレッシュするだけで精一杯です。今年の正月は負債論 貨幣と暴力の5000年を完読するつもりでしたが進まず。本文589ページ、訳者あとがき633ページまで続き、原注が終わるのが770ページ。その後ろに参考文献が65ページ控えている大作です。プロローグで如何にIMFが腐っているか、新興国への融資額がどこに消えているのかに触れたところでかなり引き込まれ、インドや十字軍をお金の流れから分析するあたりは最高に面白いのですが、あまりにも分厚すぎて風呂に持ち込めない、外出先に持ち出せない、布団で読むのもしんどい重さがネックでした。しかも、これ読むとCivilization4をやり直したくなります。マーケットと銀行作りまくって稼ぎたくなって、あわよくば最新版の6に手を出そうとして自重するまでがセット。ゲームの基本的なコンセプトを習得するまでに時間かかるんですよね、あれ。毎回ゲームシステム変わるし。

さて、2016年は本当にしんどい1年間でした。中国ショック、BREXITショック、トランプショックを中心にテロやクーデター未遂が発生しまくりなのに調整が短いし浅い。キャッシュポジションを厚めに持っていたものの、基本的にじっくり買っていくタイプなんで利益率高くても小さいポジションばかりで、「あー、もっと買っとけばよかったなあ」とほぼ1年中思ってました。精神的にほんとしんどかった。1月、2月の米国REIT、1月、2月、6月の自動車株、7月の中国株あたりはそこそこのリターンになりましたが、一番の稼ぎになったのは長期的なポジションの日本株と、1750ptが止まればラッキーなサポートラインと思って打診買いしたJ-REITというのがもう何とも切ないです。損はしないけど稼いだ感じもしない味気ない1年。もちろん自分は神様ではなく、予想が外れたら外れたでリターンが出るような運用スタイルを維持しているからこその果実であり、ある意味では狙い通りなのですが、ちょっと凹む時間が多かったです。

2017年はその反省を活かしてスパイクボトムはがっつり勝負に行くぜ!なんてことはありません。しっかりと価格調整したところにじっくりをポジション作って勝負にいきます。でもバリュエーションとシナリオをどう考えるかとても悩んでおります。

年末年始も世界各地でテロが起こっており相変わらず不安定際回りないですが、もはやこの不安定な世界がニューノーマルなんじゃないか、こんな環境でも経済も企業も問題なく回る、むしろ戦争に比べると人命の被害も人々の心に落とす影も限定的じゃないのか、なんて考え始めております。漠然としたUKのEU離脱やトランプの保護主義がグローバル経済に悪影響を及ぼすを恐れてフルポジションに踏み込めないのですが、日本のような失われた20年だが30年のように国全体が縮小していくのはある意味で奇跡だったのではないか、欧州全体の地雷は大きくなっているけど、米国主導で大国同士が微妙な距離感を保つことで当面は世界全体が大きな困難に直面することはないのではないかと。もう頭からっぽにして、戦争が起きるまで、米国が世界経済を回してくれるまでリスク取り続けても良いんじゃないかと思い始めてます。自分がテロの主導者ならナイトクラブじゃなくグローバル企業の現地法人を狙う方が効果ありそうな気もしますし、実際にそうなるまでは局地的なテロは世界の経済全体には影響を与えないと割り切るべきかなあと。このテロの連鎖が終わるときは各国が入出国の管理を厳しくする時だけですけど、それは各国の最優先事項が明確にシフトしている時。そういう状況が来るかと言えば、極右政党の台頭、保護主義の正当化で、それは既に台頭しつつあるんですが、これが本格化するかどうか。改めて第二次世界大戦の時のメンツを見るとやっぱソレなりに頭のメーターが振り切れた人が出てくるのが条件となりますが、欧州、米国は期待(?)出来なさそう。やっぱ先進国の保護主義にぶち切れた新興国あたりが台風の目になり、資源の少ない先進国をギリギリを追い込み(欧州、日本)、裏で中国が暗躍して、米国が世界の警察的な役割を担って騒ぎを大きくするかどうか。

とは言え、短期的な目線としては、米株、日本株の過熱感は本当にこれでいいの?という恐怖感から、年末年始を挟んで色々とモメンタム的なところは仕切り直しでしょうし、昨年のJ-REITは4日連続のファイナンス発表という悪夢のような始まりで、今年についても11月の米国大統領選挙で自重した分を含めてラッシュが来てもおかしくありません。昨年はその後に日銀のマイナス金利で爆騰という激しい展開でしたが、今年は海外から消去法的に買われるくらいしかプラス材料はありません。円安で現物不動産にどこまでお金が流れるか、日銀のサポートがどこまで信用されるか、オフィスと物流の大量供給で本当に需給が崩れないか、金利は大きく上昇しないか。それだけ見ておけば良いかと。需給だけで上がっていた12月のJ-REIT市場からは一歩引いて見たいところ。

円安は昨年に日銀の警戒が入った125円が目途で、米国の金利プロダクトはほぼフェアバリューと考えるとまだ買えるかなと。ただ、1月20日のトランプで潮目が変わって負けたら立ち直れないので勝負はできないかなあ。いずれにしろ日本株とJ-REITがこのまま上がれば売却を進めてキャッシュポジションは70%で1月20日を迎えることになりそうです。もう分からないときは距離置くしかありません。

いちごインフラ、あれもう上場?

何か良く分からないけど忙しい。inzaiです、こんばんわ。いろいろと先送りしてそのまま闇に葬ろうと思っていたら炎上しました。来年はやり方変わって完全に消滅する仕事なんだから検証とか良いじゃん。大企業がシステマチックに処理している数字を手打ちで見直してどうするんだよー。

なお、いちごインフラは明日と思ってたらもう上場してました。あれ?上場前に5%ルール提出しなきゃならんのだっけ?とか日中はスルーしてたのですが、よくよくチェックした見たらIPO価格10万円を割って92,200円くらいまで下がったのですね。終値は94,300円。地合悪いと初日はこんなもんですかな。投資法人みらいのが楽しみでしょうがありません。とりあえず上場になりふり構わずという仮条件でしたね。これでLTVを引き上げて利回りも引き上げてなんとか見れる数字になってきました。既上場のJ-REITがLTVを5%引き上げたらどんなに利回りが上昇しても株価は下がると思いますけどIPOは何してもセーフです。

悲報:J-REITが下げ止まらない

米株、日本株、ドル円以外は全滅。私の希望はトヨタとみずほとひふみ投信だけ。inzaiです、こんばんわ。J-REITは当面下げ止まらないでしょうね。配当利回り4%の1625ptまで一直線に下がります。なぜ分かるかって?見てきたからです(2525風)。まあもちろん冗談ですが。

それにしても分散投資とか意味あるのか悩んでしまいますね。グローバルな成長を取り込むためには新興国への株式投資が必要とか言いながら、ほぼ原油に連動する値動きなのでこれリスクに見合っているのか微妙なところ。ドーンと儲かってドーンと損するというのはちょっと辛い。ボラが激しいのでアセットアロケーションをしっかり管理していれば上手く取れるのでしょうけど、入るタイミングを間違えるとこれジリ貧ですよね。投資なんか何だって入るタイミング間違えると何もできないまま追い出されるもんですけど、数年間やってて利食いのチャンスすらないなんてザラにあります。3か月もしくは6~8カ月サイクルくらいで見ておくのが一番良さそうな気がしますし、分散を投資をやめる気はないんですけど、リーマンショックの後の動きを見ているとやっぱアメリカ様の株とREITは一番ウェイト高くしておくべきかなと思ったりします。今度GFCが来たらそうします(反省)。

さて、J-REITは今日で5日続落。デベロッパー株は絶好調なのにJ-REITは大統領選の時の安値近辺まであっさり落ちてきました。じゃあこの辺で下げ止まるかと言うと、9月の記事というかその記事の大元となったJ-REITのテクニカルにはで書いた通り、1750ptが止まればラッキーなサポートラインで、保守的に見れば1600pt、配当利回り4%のところからが検討に値する水準という見方は変わってません。短期な調整は進んでいますが、投資法人みらいのIPO、スターツのPOに今日はアクティビアのPOも発表されて需給はちょっと重め。10月の東証主体別投資家動向では銀行(日銀以外)、保険、海外、投信、個人がみんな売り越しというちょっと見ない有様でしたし、今日は寄り付きから引けまでずっと売られっぱなしでなんだか見てて辛い1日でした。止まるのかあれ。

そもそも米国の金利上昇がきっつい感じになっており、まず米国REITが崩壊。売り一巡後にインフレに対応できる商業やオフィスは何とか戻ってきましたが、物流やトランクルームなどインフレに対応できないアセットは全滅。そして米国の金利が上に抜ける雰囲気が止まらなくて、新興国の長期金利、そして週末・今日と短期金利が反応。こんな状態で安定配当の代表たるREITが無事なわけがありません。金利上昇は負債コストの上昇(PLヒット)、エクイティコストの上昇(株価にヒット)、CRの上昇(バリュエーションにヒット)という3重苦を引き起こしますが、そもそも目に見えているのは真ん中のエクイティコストのみ。アメリカも日本もどのREITも長期化を進めておりクッション持ってますけど、ボディブローのように効いてきますし、そもそも日本の小型REITのように変動で有担保で満期まで短いとかあれよあれよと支払コストが上昇していきます。まあ、この辺は日銀、金融庁が許さないと思いますが、あれだけ国内外から「しょーもないREITを上場させんな」と言われるとどこまでカバーできるんでしょうかね。まあしょうもないREIT増やしているのは米国も同じではあります。

結論:時間分散で米国、先進国、新興国リート買いましょう。